怪奇骨董たおやめぶりっこ

ますらおぶりに憧れるブログ。涙がちょちょぎれちゃう。だって怪奇骨董たおやめぶりっこだもの。

【ライヴ・イン・ウィーン 2016+ライヴ・イン・東京 2015】King Crimson

なぜオタクはクリムゾンの新作が出るたびに必死こいて全曲レビューしようとしますか?むかしそういうエントリータイトルをつけることが特徴のブログがあったからです。要出典。

ライブ作をリリースするたびに、じみーーーーながら着実に変化しているのを楽しめるむのが近年活動がやたら活発なクリムゾンのよろこび。もう3年目に入った?かな?なので、そろそろ電撃解散してもおかしくない季節であります。どうせ電撃するなら、メル・コリンズ:アウツ、エイドリアン・ブリュー:インしてほしい気持ちばかりが募るライブ作品となりました。本編のIndisciplineとボーナス・トラックのIslandが本作の収穫物。

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ディスク:1

Walk On - Soundscapes. Monk Morph Music Of The Chamber / 入場-サウンド・スケープ

いんとろ。ひょろろー。

The Hell Hounds of Krim / ザ・ヘルハウンズ・オブ・クリム

トリプルドラム持て余し系ドラムアンサンブル。冷たい街の情景へのつなぎ。

Pictures of a City / 冷たい街の情景

さらに力をためた冷たい街の情景。高速パートでは軽く壊れかけるほどになってきたのでもっとやっちゃってほしい。

Dawn Song / 夜明けの歌

なんとリザードからLizard/戦場のガラスの涙/夜明けの歌であります。リザード特有のくらーい雰囲気がよく再現されている。

Suitable Grounds for the Blues / ブルースに適した環境

毎度毎度プロザックブルースの劣化版と言わざるをえないやつ。

VROOOM / ヴルーム

'94年版のイントロSEの再現から。バリトンサックスに持ち替えている?メル・コリンズは相変わらず激しく浮いておる。スゴイ浮力。大胆に改変しない限り、あまり発展の余地がない曲なのでそろそろセットリストから外してみては?と思いました。

The ConstruKction of Light / コンストラクション・オブ・ライト

メルの浮力が強い曲その2。エレクトリックでかっちりした曲ではどうしてもサックスバララー、フルートひょろろーとするしか能がないので痛いところ。悩みのタネ。後半の追加シンセパートは音色が前と変わって倍音?癖の強い音色に。前のほうがよかったかなあ。

The Court of the Crimson King / クリムゾン・キングの宮殿

イアンの浮力がもとに戻るいにしえの楽曲。

The Letters / ザ・レターズ

とくにありませえん。

Sailor’s Tale / 船乗りの話

前曲とのつながりは、ドラムのカウント挟まずにいきなり流れ込んだほうがよいのでは?と思いました。この編成でだいぶこなれて、やっぱりこのさきは破綻的な展開を期待。

Interlude / 間奏曲

トニー・レヴィンぼよよん、メルひょろろーん(またか!)

Radical Action II /ラディカル・アクションII

ぱわーとぅびりーぶの変奏曲。…に入るためにサッキのイントロは必要だったのか?と疑問ではあるが、この曲も独立した曲としての役割を果たすことは諦めたのか、Level Fiveへのつなぎとなっており、そういう意味ではホップ・ステップ感はあります。

Level Five / レヴェル・ファイヴ

よいいみでいろいろ雑というか投げやりな感じになっており、もし仮に本作からクリムゾンを聞き始めたよーってひといますかあ?いませにょね。もしいたら何が起きてんのか分かんないですよねえ。わかります。な脈絡のなさが際立っててよい。ここに欠けているのはエイトリアンの変態的ギターソロ。エイドリアン早く帰ってきてくれー。

ディスク:2

Fairy Dust Of The Drumsons

ん?

Peace / 平和

各地へのリップサービスみたいのを終えて、通常バージョンに戻ったPEACE。

Cirkus / サーカス

からのサーカスへの雰囲気落差るのすこ。

Indiscipline / インディシプリン

現体制では頑なに拒否されてきた'80年代ナンバーが復活だ!!!やった!!!!しかも、ちょっとした、ちょっとどころではなくはないが、予想しなかった改変が加わっており驚きました。これはきっとまだ試作段階っぽいので、この先さらにどうなることやらの期待感が強い。続けて'80年代ナンバーが改変されつつ逐次追加されていくのか!!??という興奮がある。またメルが浮いてるよー。エイドリアン早く帰ってきてくれー。

Epitaph / エピタフ~墓碑銘

居眠りしてしまいました。

Easy Money / イージー・マネー

インプロパートは静の時間を引き伸ばして終盤への盛り上がり方を大げさにしようという意図か。しかしいきなり全力で盛り上がってもらってもいいのよ?イージーマネーは'70年代編成ではそういう展開も含めて即興に委ねられる曲だったので、現体制のインプロりょくが進化して、そうなってほしいきもちです。

Devil Dogs of Tessellation Row / デヴィル・ドッグス・オブ・テセレーション・ロウ

トリプルドラム持て余し系ドラムアンサンブル。Redへのつなぎ。

Red / レッド

VROOOMとおなじデュレンマを抱える曲。好きあらばブロローヒョロローしてくるメルはすこし黙っててほしい。(笑www)

Meltdown / メルトダウン

'80年代リバイバルで劣化版と言わざるをえない例の曲。エイトリアンが帰ってきたらボツになるかななるかな?現体制は驚きの新曲を作れる状態ではないけれど、既存曲を大胆にいじる潜在能力は高そうなのでそっちのほうめんでひとつたんます。

Larks’ Tongues in Aspic Part Two / 太陽と戦慄 パート2

全曲のDisciplineスタイルの結末からの太陽と戦慄PT2への流れはちょっと驚いだ。曲の並べ方に定評のあるキング・クリムゾン面目躍如。内容は…平凡。ただ、太陽と戦慄PT2は'84年や'96年体制でもすばらしい演奏を残してくれましたので、現体制でも希望はもてます。

Starless / スターレ

現体制でStarless始めたころは「なんじゃこりゃ」だったのが、だいぶ仕上がってきた。しかしオリジナル演奏の魔法が究極過ぎて、ゴールはまだまだ遥か彼方といったところ。

Heroes / ヒーローズ

フリップ師の「ポーーーーーーーー」を聴くと幸せな気持ちになります。さすてぃーんなびりてぃ&どろーんなびりてぃ。

21st Century Schizoid Man / 21世紀のスキッツォイド・マン

奇跡の演奏を求めるより、毎回中間部でいろいろ手を変え品を変え遊んでもらえればこちらとしてもハッピーです。

ディスク:3

日本版にはディスク3として、2015年日本ツアーの各会場から1曲ずつ収録したダイアリー方式の曲集がついてます。が、日進月歩のクリムゾンにとって、2015年12月のツアーはちょっと色あせてしまいがちはいなめません。ディスク1,2さえも半年前なので、現在行われているツアーからすれば過去であり……。ライブから音源化までのタイムラグにやきもきする気持ち…これがこいかしら…。

本ディスクでは、最後にボーナス・トラックで、ビル・リーフリンが復帰して、代打のジェレミー・ステイシーも残留しついに4人ドラム編成になったクリムゾンによるアイランズ(2017/6/28 ライブ・イン・シカゴ)がメダマ。ドラマー4人中2人がシンセを兼任することでアイランズの再現性が格段にアップ。さすがにオリジナル音源におけるキースティペット氏のようなぶっ壊れた演奏は望めないけれど、現代的なサウンドにリファイン具合は新しい魅力がうんぬんかんぬん。

  • Walk On: Soundscapes / サウンドスケープ (12月7日 東京・渋谷 Bunkamura オーチャード・ホール)
  • Larks’ Tongues in Aspic Part One / 太陽と戦慄 パート1 (12月7日 東京・渋谷 Bunkamura オーチャード・ホール)
  • One More Red Nightmare / 再び赤い悪夢 (12月8日 東京・渋谷 Bunkamura オーチャード・ホール)
  • A Scarcity of Miracles / スケアシティ・オブ・ミラクルズ (12月9日 東京・渋谷 Bunkamura オーチャード・ホール)
  • Banshee Legs Bell Hassle / バンジー・レッグス・ベル・ハッスル (12月10日 東京・渋谷 Bunkamura オーチャード・ホール)-
  • Radical Action (to Unseat The Hold of Monkey Mind) / ラディカル・アクション (12月12日 大阪・フェスティバル・ホー*ル*)
  • Meltdown / メルト・ダウン (12月12日 大阪・フェスティバル・ホール)
  • Radical Action II / ラディカル・アクション II (12月13日 大阪・フェスティバル・ホール)
  • Peace (in Japanese) / 平和 (12月16日 東京・渋谷オーチャード・ホール)
  • The Talking Drum / ザ・トーキング・ドラム (12月19日 高松・サンポート・ホール)
  • 21st Century Schizoid Man / 21世紀のスキッツォイド・マン (12月21日 名古屋・国際会議場センチュリー・ホール)
  • Island / アイランズ(2017/6/28 ライブ・イン・シカゴ)

→第一印象:3.8(5点満点)