怪奇骨董たおやめぶりっこ

ますらおぶりに憧れるブログ。涙がちょちょぎれちゃう。だって怪奇骨董たおやめぶりっこだもの。

【The Elements Tour Box 2017】King Crimson

「月刊:6月に聴いた」の出張独立エントリーやつ。ここ数年、現行ラインナップの活動活発化とともに毎年恒例になっているツアーボックスシリーズ2017年版です。'69年から直近までの既発・未発表音源をいろいろな詰め込んだいつものシロモノです。

The Elements Tour Box 2017

The Elements Tour Box 2017

Amazon

amass.jp

DISC 1

定番ちゃ定番の、オリジナル楽曲の生まれた年を'69年から2017年まで時系列に並べつつ、実際に演奏された音源は当時であったり今であったりいったりきたりする構成やつ。ベスト盤【Circus】を編集したときにそれの楽しさに目覚めたんでしょう。われわれも楽しんでおります。

1. Wind(Extract)

'69 年のスタジオワンシーン

2. 21st Century Schizoid Man(Greg Lake vocals, extract/previously unreleased)

'69 年オリジナル版『21世紀~』の一節。次トラックへのイントロ。

3. 21st Century Schizoid Man(edit, live 2015)

【Radical Action】収録版を短く編集したもの。

4. In The Wake Of Poseidon(instrumental edit)

『ポセイドンのめざめ』のカラオケ版。ポセイドンはエピタフっぽいのを急ごしらえで作ったっぽいセルフ二番煎じなんだけど、憎めない侮れない存在。

5. Improv(Mel Collins, extract, live 2016/previously unreleased)

メル・コリンズがフルートで30秒ほど自由に吹いているだけのなぞトラック。

6. Peace(2015, rehearsals extract/previously unreleased)

リハーサル中のひとこま。後半とつぜん笑いだしたりしていったいなんなんだ?

7. Cirkus(live 2016/previously unreleased) ★オススメ★

からのCircus。なるほど。【Lizard】の『Indoor Games』っぽい感じからの『Cirkus』という流れを演出したってことでよろしか?テンポが上がって妙にノリの良い新鮮なCircus。

8. Islands(instrumental edit)

カラオケ版。Islandsはインストでも映えますね。Fripp/Shinfieldのクレジットだけど、Fripp師は作曲へ何%噛んでるんだろう?後にも先にもユニークな曲なので…。せっかくなので2017年、Islandsの語法で何か書いてほしいざます。サウンドスケープ演奏が叙情的なとき、すこしだけ雰囲気あるかも?

9. Easy Money(live 2015)

2015年トロント公演からのEasy Money。既発。トロント公演とRadical Actionからの再録はもうツアーボックスにはいらないです。ツアーボックスというB級商品買う人が、A級商品のトロント公演とRadical Actionを聴いていないとは思えないので。

10. Suitable Grounds For The Blues(2015 rehearsals extract/previously unreleased)

いわゆる『ProzaKc Blues』のバリエーションみたいな曲のリハーサルバージョン。

11. The Great Deceiver(live, 1974) ★オススメ★

'74/3/25、フランスBesanconでのライブ音源。エンドレスで聴いていたくなる迫力迫真のThe Great Deceiver。

12. Improv(Mel Collins, extract, live 2016/previously unreleased)

またもやメル・コリンズによるちょっとした何か。

13. Asbury Park (edit)

'74年ツアー最終局面、'74/6/28公演のインプロテイク。当時のインプロにはいくつかのパターンがありますが、これはリズムがハッキリ刻まれリードしていくジャム・セッションに近いパターン。のびのびやってる感じがたまりません。みなさんもよくスタジオに入ってインプロされてると思いますが、即興セッションにありがちな、いったん終わりそうな空気になってからの延長線が醍醐味。

14. One More Red Nightmare(live 2016/previously unreleased)

まあまあです。いい終わり方。

15. Meltdown(2015, rehearsals extract/previously unreleased)

2015年ライブリハーサルより。近年はリハもちゃんと録音んしてるんでしょうよ、でも希少性も音楽性もちょっと低め。ツアーボックスだからね…。ちょいがまん。

16. Thela Hun Ginjeet(Steven Wilson alt. mix)

現体制では徹底的にエイドリアン味が排除されていて悲しさもありますよね、ここでようやく『Thela Hun Ginjeet』!帰ってきたエイドリアン!!・・・と思ったら、ボーカル拔きのインストミックスで・・・エイドリアン・・・!!

17. Heartbeat(live 1982)

'82/8/27 Frejus公演。'82年ライブ音源では最高の音質で定評のあるライブより。やっときたエイドリアーん。でも Heartbeat はそもそもあまり聞きどころがないので……。

18. Sleepless(live 2008/previously unreleased)

2008年、幻のラインナップ気味な編成でのライブ録音。この時期の音源は駄作でもいろいろ蔵出ししてもらいたい。2008年時点では'80年代からの延長で何かしようと頑張ってたけどうまくいかないなあみたいな煮えきらなさがまたおもしろい。

19. RF intermission announcement(2016)

フリップ師が何か言ってるんだけど、だれか訳して頼む。これは公演直前の録音とか撮影とかやめてねのアナウンスか。

DISC 2

「太陽と戦慄」特集。面白い企画。『THRAK』を入れて『The Talking Drum』を外してきたのはどういう意図か、『Form No. 1』は太陽と戦慄パート6的な断片なのか?と意味深なところを深読みするのもまた楽しいかもしれません。

1. Form No. 1

これは2004年のベスト盤シリーズ【21st Century Guide to King Crimson】にひっそり収められていた2004年当時の新作。活動が途絶えていた当時、次はこういう路線?と胸をときめかせたものですが、さらにしばらく音沙汰ない時期が続き…。2008年の活動からは本作のような新規路線は見られない消化不良となり、またしばらく……。

2. THRAK(2015 mix)

'94/4月、10年ぶりに6人編成で電撃的に活動を再開したクリムゾンの目玉作品。暴力的なテーマ~'70年代も彷彿する緊張感のあるインプロ~テーマに戻るやつ。THRAKは現体制でも映えるんじゃないかしら?

3. Keep That One Nick(edit section) ★オススメ★

'73年、【太陽と戦慄】レコーディング時のセッション。のちにPt.1の最終稿に採用されるパートも含めてかなりフリーキーな演奏ていく。なにこれ!!Larks' Tongues in Aspic Boxsetにはこんなヤヴァイ音源が入っているのか…!でも…13CD+DVDオーディオBlu-rayとかいう化物ボックスやで…。

4. Larks' Tongues In Aspic Part I(live 2016)

で、一気に40年以上時をすっ飛ばして(King Crimsonだけに)の太陽と戦慄パート1。現行ラインナップでのパート1はなかなかよい感じに仕上がってきてるので妥当なチョイス。でもRadical Action版は聞き飽きた…。

5. Larks' Tongues In Aspic Part II(live 1974)

からの時を遡って'74/6/24、'74年ツアー終盤の破滅的なライブが高音質で堪能できますで定評のあるトロント公演からのパート2。逆にヴァイオリンのクロス選手はぎりぎりアウトでヘロヘロになってますが。

6. Keep That One Nick(edit section)

Keep That One Nickシリーズ。BB&ミューアの風景。'94, 2008, そして現行と、複数ドラマーを擁するとき、ミューアの息吹はどれくらい影響しているのだろうか…?後半はウェットン氏も加わった無敵艦隊

7. Larks' Tongues In Aspic Part III(live 1984/previously unreleased)

そしてパート3。'84年日本公演より。これが収録されたボックスもCD9枚、DVD-A3枚、Blu-ray3枚、ボーナスCD2枚とかいう化物やで…。パート3のヤバさは'84/6/29ライブ録音がリリースされるまで気づかなかったタチですが、ヤバさに気づいてもなお、後半のいかんともしがたみはぬぐえまへん。

8. Keep That One Nick(edit section)

Keep That One Nickシリーズ。こちらはパート2。ほぼ完成形。途中ギターが突然抜けてベース/ドラムのみの状態がしばし続いてからギター復帰といったテイク。クロスがソロする例のパートは歴史的にはちょっと前からライブで演奏されており…うんぬんの考古学は誰かにおまかせ、なのだ。

9. Larks' IV ConstruKction(previously unreleased)

'97年スタジオリハーサル音源。パート4の断片。まだところどころ完成形とフレーズや音程が違う。

10. Keep That One Nick(edit section)

Keep That One Nickシリーズ。パート1の、だいぶ完成品に近い断章。微妙な違和感はギターのチューニングが違うのかな?

11. Larks' Tongues In Aspic Part IV(live 2003/previously unreleased)

そしてパート4の完成形。2003/11/14 NY公演。当初ぎこちなかったパート4のライブも、2003年にはすっかり血肉になってリズム隊の遊びも随所に入るほどに熟練。コーダはボーカルなしバージョン(本作発表後に起こった3.11やイラク戦争に関連するような歌詞があったため自粛)。

12. Level Five (live 2016/previously unreleased)

そいでもって事実上のパート5であるLevel Five。おっとたまには『FraKctured』のことも思い出してください。ほー。ドラマーsの絡みはまだ甘みがあるし相変わらずメル・コリンズは馴染んでないけど、この調子でがんばってもらいたい目線。

13. Larks' Tongues In Aspic(radio advert)

'73年、【太陽と戦慄】発売のラジオCMだ。

キミタチ、ソンジャーネ