怪奇骨董たおやめぶりっこ

ますらおぶりに憧れるブログ。涙がちょちょぎれちゃう。だって怪奇骨董たおやめぶりっこだもの。

2016年9月に聴いた(1):King Crimson/H ZETTRIO/Harold López-Nussa/黒田卓也/雨宮天/三森すずこ/泯比沙子+ナスカ・カー/Pastacas/downy/花澤香菜

ドーモ。特にマクラはありません。本文には音楽の内容についてのネタバレが含まれています。これまめな。わりとまじで。

凡例

  • 第一印象点はだいたい1.0(そっとじ)、2.0(いまいち)、2.5(ふつう)、3.0(よい)、4.0(とてもよい)、4.5(傑作)みたいなフィーリングです。×20するとBurrn!誌の点数感覚に類似です。
  • 文章中で突然個別楽曲に点数をつけだしたら、10点:傑作、3点:かなりよい、1点:なかなかよい、0点:よい・ふつう・よくない・わるい・☓☓☓です。
  • オススメ印はシェフが気まぐれているとお考えください。

【Radical Action To Unseat The Hold Of Monkey Mind】 King Crimson

書いてたらとても長くなったので独立しました

derutcarf.hateblo.jp

以下、書き忘れたこと、など。

さいきん主にJ-Popのライブ音源について、ライブ感を演出する白々しいリバーブ処理は白けるのでやめてほしい、スタジオ録音のようにミックスしてほしい、曲間だけ歓声とか入れるのは可(Jazz等の場合は演奏中の見せ場も可)などと意義を申し立てるキャラが追加されました。

そのさなか、本作は歓声や会場の空気感をいっさい排除、曲順もライブセットリストとは独立し再編した<ヴァーチャルスタジオアルバム>(というのは大げさだと思う)としてリリースされている。やったね。そうでなくっちゃ。クリムゾンは'74アルバム【Starless And Bible Black】からそういう感じなので伝統の手法。もっとも、'74年当時はツアーが忙しすぎてスタジオにこもる余裕がなかった、本作では新作の作曲りょくが欠乏して過去曲の再編に頼らざるをえない、といった事情が見え隠れ。ですが。

それはともかく、トリプルドラム体制の<中期>の成果として上々のしろもの。<円熟期>にまで達するのかとても楽しみ。

→第一印象:4.0(5点満点)

[asin:B01HLDYS0Q:detail]


【PIANO CRAZE】 H ZETTRIO

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J-Pop。スペシャアザーズだと思えば超有能だけれど、ティグランハマシアンだと思うと超無能。評価/期待軸をどこにもっていくか毎度迷い家あるある。心の傷がパナキとなり膝中心の生活を余儀なくされる。とはいえ、過去作にくらべるとヌルいインストポップな曲が減って、ピアニストが派手に引き倒すシーンが増えてうれしい。1曲目から激しいフリージャズ調で攻めている。

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構造的にヌルい曲でもパワフルがピアノジャック氏かという勢いがあって、わたしのなかの過去作とはまるで別人23号。

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雄大ないい曲風のテイクではベース氏がよい仕事をシている。24号。

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いや、18号。

→第一印象:4.0(5点満点)

PIANO CRAZE

PIANO CRAZE

  • apart.RECORDS
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【El Viaje】 Harold López-Nussa ★オススメ★

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Jazz。はじめまして。

  • Harold López-Nussa: piano, keyboard, backing vocal [track 9]
  • Alune Wade: bass, vocal, backing vocal [track 9]
  • Ruy Adrián López-Nussa: drums, percussion, triola, backing vocal [track 9]
  • Mayquel González: trumpet, flugelhorn
  • Dreiser Durruthy: tambores bata, vocal [track 2]
  • Adel González: percussion [track 6]
  • Ruy Francisco López-Nussa: drums [track 7]

ジャケットがピアノをあしらっており、まさに中身も先に挙げたH ZETTRIOの作品を、外人がスマート目にやってのけたらどうなるか?と思考実験した結果本作が生まれたんじゃないかと運命感じる作品。ポップさ(H ZETTRIOはJ-Popさで、本作は中南米っぽさ)とピアノを中心としたハイテンションな技巧さのバランスととんがり方がすばらしい。

1曲め『Me Voy Pa' Cuba』からH ZETTRIOの1曲めとシンクロする構造。2曲め『Africa』は芯から揺さぶるベースリフにピアノが奔放にパワープレイをしたあと、なんかチック・コリアが最近(ここ10年?)アドリブに混ぜて弾くテトリスの落下音みたいなフレーズを挟んでから次への展開はプログレニクス的転回。3曲め『Feria』は1曲めのバリエーション。クラーベとその他リズム隊がポリリズミックっぽくねじれるdCpGっぽい演出がちょっとだけなのが惜しい。4曲目『Lobo's Cha』退屈なバラードかなと油断すると後半ピアノが徐々に高ぶってギンギン前の半勃ちになるから油断ならない。半勃でとめおかれたもっこりは5曲目『Bacalao Con Pan』に大変なグルーブさに漲って昇華される。6曲目表題曲『El Viaje』はバラード調なのだがここでトランペットが突然やってくるのずるい。哀愁ずるい。ピアノへのバトンタッチの流暢さが美しすぎてもっとずるい。7曲目『Mozambique En Mi B』は中南米調とそれこそチック・コリア的なアンサンブルがまあまあ好き・・・と思いきやまた後半でピアノがギンギラリンになっててもう天丼化。8曲目『D' Una Fábula』もそんな感じ。9曲め『Inspiración En Connecticut』は上原ひろみさんもびっくりなドラマチック風でわたしもびっくり。10曲目『Oriente』は曲名に反してコンテンポラリー寄りのゆったり曲。でもピアノのテンションが高いので問題なし。最終曲『Improv (Me Voy Pa' Cuba)』はおまけっぽい即興セッション。

みたいな感じでつい1曲1曲なにか言いたくなる密度の高い、しかし爽やかな一作です。

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El Viaje

El Viaje

  • Mack Avenue Records
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→第一印象:4.3(5点満点)

【ジグザガー】 黒田卓也

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Jazz。トランペッター黒田卓也のリーダー作。当ブログ的には日本人トランペッター部門では類家心平さんが一人勝ち状態ですが、黒田卓也さんがどこまで食い込むか?いまどき風のリズム感覚で、クールよりホット&ファンキー(加藤)寄りで、一方でfふーじょんをちらっと視野に入れながら踏み込まない感じの立ち位置がちょうどよい。トランペットのプレイは、エフェクタが聴いて攻めてるところは好きだったけれど、アコースティックなところはそんなにぐっとはこなかったかんじ。

  • Takuya Kuroda – trumpet
  • Corey King – trombone, voice
  • Takeshi Ohbayashi – Rhodes, synth
  • Rashaan Carter – bass, synth bass
  • Adam Jackson – drums, percussion
  • Keita Ogawa – percussion (“Actors,” “Do They Know” and “Good Day Bad Habit”)
  • Antibalas – (“Think Twice”)
  • Antibalas:
  • Timothy Allen – guitar
  • Amayo – congas, vocals
  • Miles Arntzen – drums
  • Marcus Farrar – shekere, stick, vocals
  • Martín Perna – baritone sax
  • Will Rast – keyboards
  • Jas Walton – tenor sax
  • Nikhil P. Yerawadekar – bass, guitar

→第一印象:4.1(5点満点)

[asin:B01L84UNB2:detail]

【Various BLUE】 雨宮天

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J-Pop。声優で歌手の雨宮天さんのデビューアルバム。Trysailのときに雨宮さんのソロがでたら嬉しいのにとTrysailファンに対してとても不謹慎なことを言ってたのが昨日のように間髪入れずに本作のリリースありがたくぞんじます。

Trysailのときにちらちら垣間見えつつ垣間程度でいやなのと焦ら焦がされた、かけがえのなさみたいななにかが、ソロ作になるとまた何かの垣間の合間に隠れてしまって、プロデュースとはかくも困難なものなのかと難しいきもちになりつつあります。例えて言うと、香水を人間が香るメカニズムと・・・とまた不謹慎なたとえになってしまったので自重。素直にかけがえのなさがひかりさす『夢空』『After the Tears』、曲調と歌手調の異様なミスマッチが逆によい『Glitter』、あれ戸松遥さんの曲が混じったのかなと耳が疑う『チョ・イ・ス』などが聞き所。

→第一印象:3.6(5点満点)

Various BLUE

Various BLUE

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【Toyful Basket】 三森すずこ

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J-Pop。声優で歌手の三森すずこさんの3枚目(わたしのきおくが確か魔羅ば)。トレードマークの弾けた曲を立て続けてバラードを経てのいい曲風へと展開する遊園地観はもはや横綱相撲。JUDY AND MARYめいた曲もありそういう妖しさも未来に馳せられるのかしら期待。ミニアルバムとして全7曲を完走したあとの4曲は過去曲のリアレンジ。そういうのはJ-Popがバブルだった時期に量産されたクソリミックスの忌々しいアレがアレでアレな予感がビンビンだけれど『純情 Da DanDan』は許された。

→第一印象:3.9(5点満点)

[asin:B01L8LV46S:detail]

【Love&War Now!】 泯比沙子+ナスカ・カー

J-Pop。アングラです。露骨にアングラ。アングラはいいね。アングラだけに。

  • Artwork – Nakaya Koichi*
  • Drums – Isshiki Ryoko*
  • Guitar, Bass – Sudoh Toshiaki
  • Tenor Saxophone, Baritone Saxophone, Flute – Mahi-Mahi
  • Vocals – Min Hisako*

ハードロック、ノイズ、テクノチック、なぞの歌謡、絶叫、コケティッシュ、アングラ、アングラ、アングラ、アングラ、ウォー。

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→第一印象:3.7(5点満点)

Love&War Now!

Love&War Now!

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【Pohlad】 Pastacas

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テクノ。はじめまして。繊細な音作りもユーモラスなときはユーモラスでちょっといい曲風シリアス風のときは爪を隠す程度に慎ましく押し付けがましくなく、おいたんは嫌いじゃない系です。

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→第一印象:3.5(5点満点)


【第六作品集『無題』】 downy

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J-Pop。はじめまして、じゃないきがするけれど、過去は振り返らないブログ、それが怪奇骨董たおやめぶりっこ!!それはさておき、やっぱり5,7拍子重視系J-Popはいいものだ。ボーカルがへらへらとしていてうまく楽器隊の邪魔をシないのも好感触。

→第一印象:3.7(5点満点)

【KANAight ~花澤香菜キャラソン ハイパークロニクルミックス~】 花澤香菜

J-Pop。

音楽についてはお金をかける熱心なファンであるけれども、アニメ/声優についてはお金がかからない範囲で嗜む程度のニワカである当ブログです。歌い手として誰かのファンになったとして、その音源を聞きたいと思った時、音源が配信で買えなかったり、音源が映像商品の特典限定だったり、入手のハードルが高かったりします。また、特定の歌い手のキャラソンを集約するのは、いろいろな権利的な障壁から実現困難なこともお察しします。

花澤香菜さんほどのビッグネームになればそういう障壁を乗り越えたキャラソンアルバムをリリースできる!なんとよろこばしい!と思ったら、リアレンジ、メドレー編集などががっつり施され、原曲現音源のクロニクルではなかったのでとても残念。本作は、現音源を多大な投資によって所有している熱心なファンにプラスアルファのお楽しみを提供するもので、当ブログのようなニワカへ安価に音源を提供し裾野を広げるための商品ではなかった。熱心にCDや限定版やキャラソン集を買い集めた人を激怒させるのは得策ではない。俺達がこんなに苦労したのにお前らが楽をするのは許さない/俺達のような苦労をお前らには味わってほしくない どっちが多数かといえば前者ですから。

にんげんだもの。くぱあ

→第一印象:1.5(5点満点)

[asin:B01I2VI9NI:detail]

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ズン、ズンズンズンドコ、ソンジャーネ!!