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怪奇骨董たおやめぶりっこ

ますらおぶりに憧れるブログ。涙がちょちょぎれちゃう。だって怪奇骨董たおやめぶりっこだもの。

【Radical Action To Unseat The Hold Of Monkey Mind】 King Crimson


プログレ。我らがクリムゾンの直近の2015年ライブツアーからのCD3枚+Blu-Ray。【Mainly Metal】(メタリックな曲)、【Easy Money Shots】(もろもろ)、【Crimson Classics】(古典)とサブタイトルが付けられた3枚組。

  • Mel Collins: Saxes & flute
  • Robert Fripp: Guitar & keyboards
  • Gavin Harrison: Drums
  • Jakko Jakszyk: Guitar & voice
  • Tony Levin: Basses & stick
  • Pat Mastelotto: Drums
  • Bill Rieflin: Drums & keyboards

総論

  • 新体制を組む→(1)ツアー開始(慣れてなくてちぐはぐ)→(2)アルバムを出す(こなれてきた)→(3)ツアーまわる(仕上がってくる)で、その体制の最終ツアーで完成形に至ると解散する、というのがクリムゾンの歴史でありますが、本作でいよいよ第2段階に入った印象。
  • トリプルドラムは相変わらず持て余されがちだけど、クラシックナンバーを中心に存在感が増してきた。
  • トニー・レビン卿のプレイがいつになく地味。
  • 現体制の新作の出来はいまいちで、ソングライティングりょく不足は深刻。フリップ師が身を引いて、メンバーに一任でアイディアを出すなど、やりかたを変えてみてはいかがだろうか。

『Easy Money』と『Starless』の様子が公式配信されています。

▼Easy Money
www.youtube.com

▼Starless
www.youtube.com

→第一印象:4.0(5点満点)

個別楽曲については以下。内容に関するネタバレ全快になりますので、閲覧には十分ご注意ください。

Mainly Metal [Disc 1]

1 Larks' Tongues In Aspic Part One

クラシックナンバー('73年)。'73~'74年シーズン以来ライブでは封印されていたのが現体制で復活。ドラマー3人もいればJamie Muir×Bill Brufordのような混沌が生まれるのかな?と思いきや、どっしりした展開で「Metal」を関するタイトルの冒頭もなっとく。わるくない。けれど、いっそのこと大胆に再編して中盤の激しいシーンを拡大するなど、なんかやってくれたらなあ。日本公演での録音らしく、現地民へのサービスで、とある国の国家が・・・おっとこの先はネタバレ、どこの国の国家のフレーズが演奏されたかは聴いてからのお楽しみ★

2 Radical Action (To Unseat The Hold Of Monkey Mind) I

現体制の新作。『Facts of Life』(2002年)の一部をベースに『Neurotica』('82)と『Red』('74)の断片をコラージュしたような曲。悪くはないけれど。

3 Meltdown

現体制の新作。歌ものではAdrian Belewのソングライティングりょくが失われたのがいたい。

4 Radical Action II

現体制の新作。こちらも過去曲あれやこれやのコラージュ系。『Level Five』への前奏曲

5 Level Five

で、おなじみの1曲。Pat MastelottoとTrey Gunnがイチャコラする曲から力士が四股を踏むようなガタイの良いトーンに変化している。おもしろい。Adrian Belewの超変体的ギターソロが最大の見せ場なだけに、Mel Collinsの紳士的なソロに変わってしまうのは残念。

6 The Light Of Day

現体制の新作。ゆったりとした歌もの。歌ものではエイドリアーン以下略

7 The Hell Hounds Of Krim

現体制の新作。『B'Boom』('94)以来定番になりつつある複数ドラマーのみのアンサンブル。フリップ師の嗜好とは合わないけれど、なんかアフリカンでどろっどろなポリリズムなど採用していただきたい。『The ConstruKction Of Light』への前奏曲

8 The ConstruKction Of Light

で、おなじみの1曲。現体制初期ライブでは、Mel Collinsの素っ頓狂な登場によりずっこけまくりだったのが、だいぶ馴染んできた。がっちがちに作曲された曲なので3人のドラマーはやや窮屈。新しいカウンターメロディのパートが追加れてるのが面白い。どうせなら大胆に再編して以下略。

9 The Talking Drum

クラシックナンバー('73年)。『The Talking Drum』は軽く別の曲のよう。一瞬だけ登場するブレッカー(兄)めいたエフェクトがかかったサックスが秀逸。全体的にすごくギクシャクしている。かなりさっぱりした手短な演奏で『Larks' Tongues In Aspic Part Two』へのつなぎもあのカタルシス感が薄い。45%ってころ。

10 Larks' Tongues In Aspic Part Two

クラシックナンバー('73年)。で、『Larks' Tongues In Aspic Part Two』はゆっくりめの演奏。1984/7/11のライブ演奏が至高なだけに見劣りはする。しかし、1箇所だけこれまでとリズムのとり方が変化したフレーズがあってワオと目が冴える。いっそのこといから略

Easy Money Shots [Disc 2]

1 Peace

なんと'70年の【In the Wake of Poseidon】から。日本公演での録音らしく、現地民へのサービスで、冒頭がとある国の言葉で歌われおっとネタバレ、何語で歌われたかは聴いてのお楽しみ★ フリップ師のサウンドスケープ?による電子的な背景音がすばらしい。

2 Pictures Of A City

なんと'70年の【In the Wake of Poseidon】から。単純に人数増加の恩恵が得られて派手でよい。'69年当時のラインナップの演奏に匹敵する出来。Tony Levinがいかにこの曲を弾くか注目であります。

3 Banshee Legs Bell Hassle

現体制の新作。新作と言うか【Power to Believe】の間奏にありがちなメロディパーカッションによる小品。

4 Easy Money

そして『Easy Money』('73年)。John Wettonのセクスイなボーカルが懐かしい。中間部は'73~'74シーズンでも最も可変的なパートで、きっと現行ラインナップでもそうなんだろうなあと思うと、【Great Deceiver Live 1973 Box set】あるいは【Thrakattak】みたいにいやというほど聴いてみたいきがする。なかなかグツグツ熱い好演。

5 Vrooom

'94年のナンバー。ぼぇぼぇと合いの手を入れるサックスがなんかおかしい。演奏はぼちぼち。

6 Suitable Grounds For The Blues

現体制の新作。『ProzaKc Blues』(2000年)の劣化版感は否めない。エイドリアーン!

7 Interlude

現体制の新作。というほどでもない小品。

8 The Letters

'72年作。即興パートが『Easy Money』とはまた違う混沌度が高く、当時の空気がよくでている。シャ乱Qみたいなフレーズを吹くコリンズにこっちまで吹いてしまう。

9 Sailor's Tale

'72年作。原作通り『The Letters』からのメドレー。現行ラインナップがまだ生まれたてヘロヘロだったときからしっくり来てた曲。本CDのクライマックスに持ってくるのも納得。

10 Scarcity Of Miracles

現体制の新作。『The Deception of the Thrush』に相当するアンビエントナンバーかと思いきやシックなボーカル力。ここではエイドリアンとは異なる個性が出ていてよい。やればできるこ。

Crimson Classics [Disc 3]

1 Red

'74年作。'80年代以降長らく演奏され続けている曲だけあって安定感いがいの何者でもない。

2 One More Red Nightmare

'74年作。珍しい選曲。アルバム【Red】でもやっつけ仕事感の強いナンバー。手堅い演奏。終わりのズバギリも再現。

3 Epitaph

'69年作。コンフュージョンがウィルビーマイでエピタフする名曲です。これといって特筆すべき点はなく、もっとメロトロンをド派手にしてもらってもよいのよ。

4 Starless

'74年作。『Starless』はスタジオ盤が至高すぎて、または'74年末期のライブ演奏が次点すぎて、それに肉薄する演奏は永遠に叶わないのではと思い始めているところ。せめて、終盤でフリップ師が全力ソロを弾いてくれればよいのだけど・・・。

5 Devil Dogs Of Tessellation Row

現体制の新作。『B'Boom』('94)以来以下略。

6 In The Court Of The Crimson King

'69年作。パーポーパイパーがプレイヒズチューンする名曲です。これといって特筆すべき点はなく、もっとメロトロンをド派手にしてもらっていかr。トニー・レビンのコーラス力がここで活きるのか?と思いきやシンセ頼みだった。それは正しい判断。

7 21st Century Schizoid Man

'69年作。冒頭のSEから再現。本作は、セットリストに加えられいた各時代の各ラインナップ(オリジナル体制/アイランド体制/太陽と戦慄体制/ダブルトリオ体制)ごとにベストな演奏があって、どれが至高とは甲乙つけがたいもんですが、直近のダブルトリオのベスト('96年8月メキシコシティ公演)と比較して・・・及ばず・・・か。せめて、フリップ師がもっと全面に出てきて全力ソロを弾いてくれればよいのだけど・・・。


ソンジャーネ