2015年8月に聴いた(1/2):The Wild Mans Band/Aron Ottignon/飯田里穂/大友良英/桐嶋ノドカ/Merzbow/ESNO/印象派/大越香里/少女病/te'/ナナカラット/akayaka/SALTY DOG7/Eric Skye & Mark Goldenberg/妖精帝國
遅ればせながら8月分全体を振り返りました。2分割してポスト致しますの、その1。
- 【Live K?benhavn 2009】【Fredensborg】 The Wild Mans Band
- 【Live at Funkhaus Berlin (feat. Rodi Kirk & Samuel Dubois)】Aron Ottignon ★オススメ★
- 【rippi-rippi】 飯田里穂
- 【Guitar Solo 2015 LEFT】 大友良英
- 【round voice - EP】 桐嶋ノドカ
- 【Wildwood】 Merzbow
- 【Release】 ESNO
- 【AQ】 印象派
- 【艦隊これくしょん -艦これ- KanColle Original Sound Track II 風】 大越香里
- 【狂聲メリディエ】 少女病
- 【其れは、繙かれた『結晶』の断片。或いは赫奕たる日輪の残照。】 te'
- 【夕凪シンキロウ】 ナナカラット
- 【depth】 akayaka
- 【YGGDRASiL ANTHEM - EP】 SALTY DOG7
- 【Artifact】Eric Skye & Mark Goldenberg
- 【SHADOW CORPS[e]】妖精帝國 ★オススメ★
オススメ印はシェフが気まぐれているとお考えください。
第一印象点はだいたい1.0(そっとじ)、2.0(いまいち)、2.5(ふつう)、3.0(よい)、4.0(とてもよい)、4.5(傑作)みたいなフィーリングです。
【Live K?benhavn 2009】【Fredensborg】 The Wild Mans Band
はじめまいて。デンマークのフリージャズグループThe Wild Mans Bandが2作同時(Aamazon Music上では)リリース。
http://www.discogs.com/Wild-Mans-Band-Fredensborg/release/7181449
- Alto Saxophone – Mikołaj Trzaska
- Bass – Peter Friis Nielsen
- C Melody – Mikołaj Trzaska
- Clarinet – Peter Brötzmann
- Drums – Peter Ole Jørgensen, Peter Ole Jørgensen
- Layout – Renée Paaschburg
- Percussion – Peter Ole Jørgensen
- Tenor Saxophone – Peter Brötzmann
豪快に吹きまくるSaxが中心のサウンド。ベースが印象的。オーソドックスなフリージャズのベースは、音階は無調整ながらもリズムはビバップスタイル(ウォーキング?)というパターンが多いかと思われますが、こちらはエレクトリックベースでぐりぐりぶりぶりナスノミツルかよ!(てきとう)と派手で良いです。
→第一印象:4.0(5点満点)
【Live at Funkhaus Berlin (feat. Rodi Kirk & Samuel Dubois)】Aron Ottignon ★オススメ★
はじめまして。Jazz。「ニュージーランド出身で現在はパリを拠点に活躍するピアニスト、Aron Ottignon」のライブ録音。
- Piano: Aron Ottignon
- Electronics: Rodi Kirk
- Steelpan & Percussion: Samuel Dubois
レコーディングの様子の動画がありますので。こちらを参照。
というとても面白い編成、音楽となっております。Aron OttignonさんはShai Maestroさんらテクニック×パワーで圧倒するタイプではなく、際どいリズムなところなど時々きいていてハラハラしたりもしますが、それは繊細な演奏×アンサンブル全体の音数の少なさと相まっての独特の緊張感となり心地よさげ。「Electronics」担当のRodi Kirkさんが積極的にピアノに介入していくことで、スタジオで作りこんだような音楽をライブでやってのける機動力に惚れる。
参考:
www.ableton.com
→第一印象:4.4(5点満点)
【rippi-rippi】 飯田里穂
J-Pop。はじめまして。声優で歌手の飯田里穂さんの1stアルバム。4,5回のながら聴き流しの第一印象ではこれといってぐっとくるポイントがなかったでした。声優さんの作品というより、アイドルグループから脱退してシンガー志向で独立したヒトという印象。三森すずこさんが似合いそうな『青空プロローグ』がフック。
→第一印象:2.8(5点満点)
【Guitar Solo 2015 LEFT】 大友良英
ノイズギタリストとしての大友良英さんのアルバム。オーネット・コールマンのLonely womanは、題名のない音楽会に出演されていた時にも演奏されていました。ノイズといっても十分音楽としての体をなしているギター一本による即興演奏です。
→第一印象:3.0(5点満点)
【round voice - EP】 桐嶋ノドカ
日本人シンガーソングライター、桐嶋ノドカさんの1stミニアルバム。miwaさんの諸作にちょっとだけアレンジ過多で歌手の歌いっぷりが霞んでしまっているなあというのがありましたが、ちょうどそんなモヤモヤを打ち消してくれるようなほどよいアレンジと歌手と主張。
→第一印象:3.3(5点満点)
【Wildwood】 Merzbow
J-Pop。メルツバウをJ-Pop扱いするのもどうかと思いますが致し方あるまいです。ノイズミュージックです。大友良英の作品がノイズ気味な即興演奏だったのに対してこちらは純ノイズ。音楽の三大要素は(1)リズム(2)テンション(2)ハイテンションであります。ノイズミュージックはノイズといえども、ノイズの組み合わせ人間や器械によるその変化により何かしら音楽だと認知できるようになっていて、それは機械由来だと思われる周期性から(1)リズムの微小構造があらわれうんたらかんたらと謎の考察タイムに導かれてしまう、それがノイズ。ということにしないとね。
→第一印象:2.9(5点満点)
【Release】 ESNO
はじめまして。ENSOさんの2ndアルバム。繊細で心地よく作りこまれたテクノ・ミュージックに繊細なボーカルがさり気なく添えられた可愛げな作風。
→第一印象:3.3(5点満点)
【AQ】 印象派
J-Pop。【Nietzsche - EP】以来の二度目まして。クールで可愛いガールズポップグループ。折り返し地点『MFB A-gain』の謎のフェードアウトしていくアウトロに引きつけられ、最終局『Q & A』がそれの拡大版になっているのに追い打ちをかけられる。爆発的な何かが起こりそうな、Dream Theaterだったら絶対何か爆発的なことが起こりそうなテンションを引っ張って引っ張ってほれシンセのそろきたよ、ここから爆発的なサムシングへつながるんでしょって引っ張って引っ張ってそのまま終わっていくのスゴイ。Manuel Gottschingの【E2 E4】に似た趣があります。
→第一印象:4.0(5点満点)
【艦隊これくしょん -艦これ- KanColle Original Sound Track II 風】 大越香里
ブラウザゲーム「艦隊これくしょん -艦これ-」のサウンドトラック第2弾。ゲームは2013年7月上旬(横須賀/呉/佐世保体制開始時)から現在に至るまでちょこちょこと継続し、2015年夏イベントは甲甲丙丙丙乙丙で攻略する程度の軟弱提督です。
サウンドトラック第1弾は低予算な初期BGM+2013年秋イベントの恐怖が蘇るツラい作品でしたが、本作はそれ以降の比較的いい思い出の追加曲で構成されていて精神的に安心です。
昨今のゲーム音楽事情に疎いのでなんとも言えませんが、ドラムレス/打ち込みオーケストラを主体とした音楽は貴重なんじゃないでしょうか。本ゲームで珍しい部類のロック調があのアイアンボトム・サウンドでskstjsj
→第一印象:3.2(5点満点)
【狂聲メリディエ】 少女病
J-Pop。はじめまして。
シンフォニックロックを中心としたファンタジックな楽曲を紡ぐサウンド・プロジェクト、少女病の5年ぶりとなるセカンド・フル・アルバム。時が止まった少女病が動き出す。紡がれた物語が更なる物語へと続く…。
セリフ多めのサンホラ系(?)。歌詞/セリフを読まない系リスナーの私としては、セリフもラップの一種、アタックの弱い打楽器として聴くことになります。すると、3連4連符にがっちがちにクオンタイズされたクソダサになりがちなラップにくらべて、かなりアヴァンギャルドな打点になるのです。が、打点感が少ないのでどっちもどっち。
何も言っていないを言いました。
音楽は3拍子成分多めのファンタジックなものなので聴き心地が良いです。
→第一印象:2.7(5点満点)
[asin:B00XUSPTK0:detail]
https://itunes.apple.com/jp/album/kuang-shengmeridie/id1024045210?uo=4&at=10lqt2
【其れは、繙かれた『結晶』の断片。或いは赫奕たる日輪の残照。】 te'
J-Pop。ポストロック/インストロックバンド、te'の最新作。mouse on the keysを除くと、最近この界隈のバンドの新作はおおむね腑抜けたものばかりだったので、本作の安定したクオリティに一安心。「インスト系のバンド」×「コードが進行するタイプの曲」=「スーパーで流れている陳腐なBGM」になりがち。敢えて架空のスーパーを演じているのなら前衛的で結構なのだけど。アルバム中のギミックでスーパーっぽさが演出されていればなお楽しそう。それはさておき、te'は合うとかセーフで言えば「普通にセーフ」です。
→第一印象:3.3(5点満点)
【夕凪シンキロウ】 ナナカラット
J-Pop。初めまして。
男女2人組ロック・ユニット、ナナカラットのメジャー第2弾フル・アルバム。オンラインRPGリネージュ2の公式テーマソング「ヨアケノヒカリ」収録!!
と案内にあるように、ゲームタイアップは1曲のみのようだけど、全曲なんらかしらのJRPGやギャルゲーのOP/EDになっててもいいようなタイプの楽曲がずらりとならんでいてよいです。こんご、その方面で活躍されるのでしょうか。
→第一印象:3.4(5点満点)
【depth】 akayaka
はじめまして。J-Pop。テクノについては全然体系的な知識がないのでなんともいえないんですが、イージー・リスニング系エレクトロ、などとお呼びして良いのでしょうか?ゆったり目なデスクトップミュージックは、妖精帝國とメルツバウの間に挟むのにぴったり。
→第一印象:3.0(5点満点)
【YGGDRASiL ANTHEM - EP】 SALTY DOG7
J-Pop。はじめまして。上記akayakaさんと続けてプレイリストを組んでいると切れ間がわからないゆったりとしたオープニングから、以降は高速なロック風テクノが続く。逆かしら。テクノをふんだんに持ち込んだバンドかもしれないです。近頃流行りのやつ。テクノ+バンド形態でバッキングがとてもゴージャスになるので、相対的にボーカルが引っ込みがち溶け込みがちになるのがとても好印象。テクノ+バンドなバンドで、バンド側がテクノに寄って4つ打ちしちゃってるのはクソが死ねとと思いますが、こちらはバンドがバンドらしくあるので嬉しいです。あとEPなので曲数が少なくて耳が疲れる前にちょうどよく終わってエコです。
→第一印象:3.1(5点満点)
[asin:B00ZPTZ0JC:detail]
https://itunes.apple.com/jp/album/yggdrasil-anthem-ep/id1019549027?uo=4&at=10lqt2
【Artifact】Eric Skye & Mark Goldenberg
Jazz。はじめまして。アコースティックギターデュオによる作品。アドリブ要素はこまやかな修飾句を除いてはほとんどなく決まった進行にそって粛々と進んでゆきます。侘び寂びです。
→第一印象:3.3(5点満点)
【SHADOW CORPS[e]】妖精帝國 ★オススメ★
J-Pop。アニソン系音楽ユニット妖精帝國の最新作。2011年シングル【空想メソロギヰ】でメタル化打ち出したものの、その後しばらくのリリースは従来のデスクトップミュージック路線との折半状態が続いてきた。それは食い扶持的に必要だったのかしらと推測しつつ、本作でついにそれを全部捨ててメタリック一本に染めてきた!わお。かつて、Babymetalが頭角を現してきた時に、対抗馬として妖精帝國のアゲたものの、
当時は過渡期にあったためややためらいがちであったのがここで払拭された。というか、単純にアルバムの音楽だけ聞けばBabymetalの1stはヘッポコいものであります。比較ばかりしていsまいましたが、本作の全体的な雰囲気がDream Theaterの2nd【Awake】を思い出す暗く重たい作風。最終曲はまさかのJAシーザーのカバー。JAシーザーの曲がメタル音像になるのはとても新鮮。本家JAシーザーさんといえば近年の身毒丸公演の音源など聴く限り昔ながらの雰囲気を維持しているので。次回はマジカルパワーマコをメタル化していただければと思います。
→第一印象:4.4(5点満点)
イカ、ソンジャーネェ