怪奇骨董たおやめぶりっこ

ますらおぶりに憧れるブログ。涙がちょちょぎれちゃう。だって怪奇骨董たおやめぶりっこだもの。

VOCALOID関連気になる動向メモ(1)

まとめ。

  • いまいちブームにのれない
    • 歌わせてみたネタに思い入れられない
    • ボーカリストとしてはしょぼい
  • 昨今の熱狂はソフトウェアシンセサイザーの擬人化。ちょっとやりすぎ。
  • MIDI が音楽を変えたように VOCALOID もまたしかりなのか?でもそんなに期待していない。
  • 簡易ボーカリストとしてボーカル曲制作のコストを大幅に下げるツールなのでステキ。
  • いくつか気に入った音源紹介。

感覚

VOCALOID初音ミク』がとても流行している。ちょいちょい tumblr にクリップしてきたのを、いったんここで整理してみるメモ。

率直なところ、わたくしは昨今の VOCALOID ブームにはあまり共感しない。VOCALOID を初めて見聞きした当時は・・・

歌うのね。歌われるのね。シンセだと思えば不自然だけれどもバキバキにピッチ調性されたモーニングの人のも不自然と思えば不自然なので痛みわけ。何がだろう。

ふむ購買欲がそそられれれれてきました。そそれー。

http://oriai.com/pwiki/index.php?News%2F2004-11-07#z9c077ca

・・・と、軽く興奮したものの、今はまったく静観を決め込んでいる。

(-_-) なんでかなあ

音楽として聴く

ネタとして聴く

ネタにされる楽曲に対して思い入れがないので楽しめない。じゃあどんな曲がネタにされたらうれしいだろうかと想像してみる。

(-_-) うっとり

ボーカリストとして聴く

クオリティが低いからだ。

問題はオリジナル曲だ。特に「みっくみく」と「恋スル」の2曲。前者はバックトラックの出来に比べて歌がどうにもヘボい。

後者にいたっては意図的に高高音域で調子外れに――俗に言う電波ソング的に歌わされた結果、もう露骨に機械じみて聴けたものではない。

http://d.hatena.ne.jp/y_arim/20070922/1190500201

これに尽きる。「声を入力しなくてもよいボコーダー」。ニコニコの存在意義主張合戦の一環。

熱狂的雰囲気

すると、初音ミクにオリジナルソングを歌わせると、その歌は初音ミクが二次創作したことになる!?

http://anond.hatelabo.jp/20070925170933

に対するレス・・・

つうかスタンドアロンの音源の一つだろ。 イラストに熱上げすぎて無生物にまで人格を覚えてしまうものなのか?

http://anond.hatelabo.jp/20070925172119

これに尽きる。

こんな短期間に これだけ歌を歌った 歌手も めずらしい。

http://d.hatena.ne.jp/guri_2/20070926/1190783435

こちらのも同様。華原朋美のことかー。VOCALOID を巡る界隈の様子は、いわば単なるソフトウェア・シンセサイザーが過度に擬人化し正気を失わせるほどの熱狂状態に見える。熱狂的過ぎてちょっとおいてけぼられた感じ。

あえて擬人狂時代的妄想にのっかった言動をちょっとだけとってみる。

音楽に変化をもたらすかの話

音楽や声そのものの好みは別にして、「機械が機械らしく動くこと」自体に何のメタファーもないけど、「人間が機械を演じること」にはたくさんのメタファーが存在する、と。

http://b.hatena.ne.jp/entry/http://fragments.g.hatena.ne.jp/furukatsu/20070910/1189375508

その昔、MIDI というテクノロジーが音楽を革命的に激変させた。さまざまな電子楽器がするとともに、デジタルデータとして音楽を記述できるようになったのだ。生演奏ではなく打ち込みが可能になった。今や、VOCALOID の登場により、クォリティ/リアリティはいまいちながらも、歌手の代わりにソフトウェアが歌を歌っている。

ここでとても興味があることは、MIDI 勃興の当時、機械が人間に代わって音楽を演奏するようになることについて、このような考察や議論がなされたのだろうか、ということ。少し調べて書く系の人がどこかで調査してくれるはずだ。

んで、MIDI による打ち込みの技術が進歩/受容されて、それ以前の人類の脳ではとても想像できなかったテクノ系の音楽が多様性を増した現代に至る。MIDI は、人間らしく演奏することではなく、機械にしかできない音楽を人類もたらした。では、歌を歌うシンセサイザーで実現できる音楽ってなんだろう。今の脳では想像すらできないのだろうか。

(-_-) と妄想する。おまえがそれを創ってミレって?・・・なあるほどねえ。

現在のソフトウェアはぜんぜん人間の歌唱に敵わない。だが、逆にこれは人間にはできなかった新しい音楽だ!みたいなブレイクスルーの萌芽をニコニコで目撃できるのか?その一点のみにおいて、VOCALOID を巡る動向には注目したい。

率直なところは現在の熱狂が音楽に対するなんらかしらのブレイクスルーをもたらすことはなく、「ニコニコ組曲」や「アイマス」みたいな一過性の流行として終わるんだろうなあと悲観的。

無難な話

ボーカル曲を制作しようものなら、なんらかしらの手段でボーカリストと知り合ってスタジオなりなんなりでレコーディングしてと社会的にも金銭的にも高いコストがかかる。「それってどんだけリア充なんだよ」と悲嘆にくれていた DTM 的にこつこつ音楽を自作する人が、ソフトウェア一本でそこそこ実現できるってのはにとっては革命的に嬉しいツール。

今後さらに人間らしい歌声が出るようになったり、さらに将来物理モデル音源になっちゃったりしても、それは変わらないんじゃないかしら。「むかしはうん百万もかけてやっとこさできることが今時はとても敷居が低くなった」という時代の流れのひとつに過ぎない。

物理モデル音源:声帯から口内や頭蓋の響き舌や口の動きなんかを物理計算でやってのける。「フレディ・マーキュリー」とか「坂本真綾」とか「ツタンカーメン」とかがプリセットされると思うんだよ。そういえば、むかし管楽器の物理モデル音源が一般人が買える値段で出て話題になった。それも YAMAHA だったな。:物理モデル音源 - Wikipedia

そんなもんだべさ。

ここまでのお気に入り作品

YouTube - はちゅねミクで般若心経(ネギ木魚)

すてき。この般若心経は人類初だ。決して機械にしかできないことではないが、人間がする機会は決してない。

YouTube - 初音ミクも歌う、くまうた『希少価値』

ネタ系。ソフトウェア同士のコラボレーション。ミク部分はさておき、「くまうた」は、人間は作詞だけしてるってのがミソ。作曲、編曲、および動画はソフトウェアが生成。創造性と機械的生成のかみ合わなさが笑いを誘う。新しい音楽と言うよりは新しい遊び。時代を先取りしすぎて受け入れられなかった「くまうた」の悲哀。今、PC ソフトとして再発すればいい。

ニコニコ動画(RC)‐初音の4分33秒

限られた人しか見られないニコニコのコンテンツを紹介するのは非常に心苦しいのではありますが、これに限っては「見なくてもいい」のであります。4分33秒 - Wikipediaであります。ジョン・ケージの音楽がネットワークを介して日本中の PC のもとへ。現時点ではこれが初音ミクの最高傑作と信じて疑いません。