2015年4月前半に聴いたやつ:ai kuwabara trio project/Tomas Fujiwara & The Hook Up/Cedar Walton Trio/(((さらうんど)))/ヘクとパスカル/aquarifa/三森すずこ/Evan Marien/miwa/Ralph Towner/fox capture plan/the mornings/ボンジュール鈴木/神田莉緒香
新年度です。先月までのヤケギキは一段落。
- 【Love Theme】ai kuwabara trio project ★おすすめ★
- 【After All Is Said】Tomas Fujiwara & The Hook Up
- 【Midnight Waltz】Cedar Walton Trio
- 【See you, Blue】(((さらうんど)))
- 【ぼくら】ヘクとパスカル
- 【マーニの秘密】aquarifa
- 【Fantasic Funfair】三森すずこ ★おすすめ★
- 【W.U.T.F】Evan Marien
- 【ONENESS】miwa
- 【Solstice】Ralph Towner ★おすすめ★
- 【UNDERGROUND】fox capture plan
- 【idea pattern】the mornings ★おすすめ★
- 【さよなら。また来世で】ボンジュール鈴木
- 【TOKYO/OSAKA】神田莉緒香
第一印象点はだいたい1.0(不快)、2.0(いまいち)、2.5(ふつう)、3.0(よい)、4.0(とてもよい)、4.5(傑作)みたいなフィーリングです。
【Love Theme】ai kuwabara trio project
日本人Jazzピアニストai kuwabaraの最新作はカバー曲集。
- Amapola ~ Deborah's Theme ( Ennio Morricone )
- Here There and Everywhere(John Lennon/Paul McCartney)
- Finale ( Tango Apasionado ) ( Astor Piazzolla )
- In Your Own Sweet Way ( Dave Brubeck / Iola Brubeck )
- Nomad ( Columbus C. Pearson Jr. )
- Barry Lyndon (Love Theme) ( Paddy Moloney )
- 21st Century Schizoid Man ( King Crimson )
- Peace ( Horace Silver )
- Grandfather's Waltz ( Eugene John Lees / Lasse Farnlof )
- A Journey To Reedham ( Tom Jenkinson )
前作やYoutube等で聴いていたパワフル方面な演奏を想像していたら実に良い意味で裏切られたところ。全体的に物静かでノリより殺気重視の演奏。1曲目『Amapola ~ Deborah's Theme』が大名演すぎて悶絶する。ある時期あるユニット的なものを主催してスタジオセッションなどしていた頃、まさにこんな音楽がやりたいだけの人生だった。「21世紀のIn a silent way」と言っても過言じゃない。
21世紀といえば、奇手『21st Century Schizoid Man』の豪快さが際立つ。ネタバレになっちゃうから詳しくは言いませんが、構成も斬新。同曲を「まじめにモダン・ジャズにした」Crimson Jazz Trioと対比しても楽しい。ここまでイケメンなプレイを披露してきたドラマーがマイケル・ジャイルズの形態模写ばりにドタバタするのがまたよい。
参考:【オンライン1週間先行発売!】ai kuwabara trio project全曲1発録りの新作カヴァー・アルバム - TOWER RECORDS ONLINE
→第一印象:4.5(5点満点)
【After All Is Said】Tomas Fujiwara & The Hook Up
はじめまして。米国人Jazzドラマー/コンポーザーTomas Fujiwaraのアルバム。Fujiwaraって日系っぽい人だけどぐぐっても日本語の情報が出てこないので謎の人物ということにしておきます。さて演奏はフリージャズ方面。ドラム、ベース、ギター、サックス、トランペット編成。ピアノレスで空いた空間にフロント3者が混沌を叩き込む。どこまで即興でどこまで作曲が、もし作曲ならどんな理論で書かれているのか(普通のPops/Rock脳では)さっぱり分からないのがフリーのよいところ。熱しすぎず冷静に狂っている感じがとてもよい。
→第一印象:4.1(5点満点)
【Midnight Waltz】Cedar Walton Trio
1曲目の冒頭は『Giant Steps』のオマージュかしら。はじめましてCedar Waltonさん、とてぐぐってみたら中堅ベテランのピアニストのようで無知でごめんなさい。Kuwabaraさんが気鋭のカバー曲、Fujiwaraさんがフリーだったので、素直な、普通のJazzに転じてちょっと逆に新鮮。みたいな。
→第一印象:3.6(5点満点)
【See you, Blue】(((さらうんど)))
はじめまして。日本の人、(((さらうんど)))の3rdアルバム。『Time Capsule』はピコピコ版『HEROES』っぽい。ロバート・フリップ師のギターの代わりにシンセがボワーっと鳴っている。
→第一印象:2.2(5点満点)
【ぼくら】ヘクとパスカル
はじめまして。日本人音楽ユニット、ヘクとパスカルのミニアルバム。ひたすら素朴で無垢で可愛く、ちょっとだけドラマティック。そういうのっていいよね。
→第一印象:3.2(5点満点)
【マーニの秘密】aquarifa
日本人ロックバンドaquarifaのミニアルバム。ボーカルの女子の歌声が脱力していて心地よい。曲、アレンジ、演奏ともに格段ぐっとくるポイントはなかった。
→第一印象:2.7(5点満点)
【Fantasic Funfair】三森すずこ
声優で歌手の三森すずこさんの2ndアルバム。
前作は前作でとてもよい作品でしたが本作は本作で傑作級の出来栄え。勝手に同じ2ndアルバムQueenの2作目になぞらえて『せいいっぱい、つたえたい!』以降はレコードB面ブラックサイド。大げさなバラード『ハーモニア』でクライマックスがきたかと思わせてからの超ダメ押しの怪作『小さな手と観覧車』で奮い立たずに入られない。かつで井口裕香さんのアルバム【Hafa Adai】の後半『Open Sesame!』から『キミのチカラ』への流れを思い出す構成美。全体的に極端に陳腐な音色が夢の国テーマパークの夢と幻想と享楽と狂気感を出している。三森さんのマッチョな歌い方ほんとうにすこ
→第一印象:4.4(5点満点)
【W.U.T.F】Evan Marien
はじめまして。ドラマーDana Hawkinsと、ギターやその他すべてEvan Marienのデュオによるアルバム。なんだろこの既視感はと思いを巡らせてMATS & MORGANだ、と巡り合う。ドラマーはプログレナイズしたドラムンベースを人力で叩き出し、その他もろろも調性感皆無のフレーズを叩き込む。イコールよいものです。
→第一印象:4.1(5点満点)
[asin:B00UZPKOT2:detail]
https://itunes.apple.com/jp/album/w.u.t.f-ep/id978726056?uo=4&at=10lqt2
【ONENESS】miwa
日本人シンガー・ソングライター、miwaさんの最新アルバム。
その昔、いきものがかり、チャットモンチー、Yuiを「J-POP四天王」(知名度=売上と自分の好みが一致している日本人ミュージシャン)としてJ-Pop視聴上の体幹に置いていました。やがて「ポスト・Yui」のようなところから彗星の如く現れそのままぶっちぎっていたのがmiwaさん(ちな二番手は家入レオさん)。すてき。むてき。
すてきでむてきで可愛くて大好きなのですが、アルバムを聴いててどうしてもひっかかるのはアレンジ多寡ぎみじゃあないですかという点。miwaさん本人が埋もれがちでモヤさますることしばしば。『super heroine』のように明確な洋楽志向の曲はさておいて、J-Pop然とした素材は、お試しで例えば控えめなロックバンド編成などで聴いてみたい。シングルのカップリングで過去のシングル曲をシンプルなアレンジで収録しなおしていたりする事例は、アーティストが本当にやりたかったのがそれなのか、我々リスナーのニーズに応えたものなのか。えとせとら。
→第一印象:3.7(5点満点)
[asin:B00VE1N5NI:detail]
https://itunes.apple.com/jp/album/oneness/id979092593?uo=4&at=10lqt2
【Solstice】Ralph Towner
12弦ギターの名手でありピアノもいけてるRalph Townerの'74年作品。かかりつけのレコード屋の店主が、おすすめの盤が再発されたっていうのでこれを機に購入してみた。メンツは以下のとおり。
http://en.wikipedia.org/wiki/Solstice_%28album%29
- Ralph Towner - 12-string and classical guitar, piano
- Jan Garbarek - tenor and soprano saxophone, flute
- Eberhard Weber - bass, cello
- Jon Christensen - drums, percussion
はい神アルバムでした。Ralph Townerは、たぶん偶然、どちらかというと幻想的なやつ牧歌的なやつ内省的なやつを聞いてきたので、本作のテンションには度肝ぶっこぬかれーしょん。同様に、Jan Garbarekの諸作も近年のざ・北欧的なものを中心に聞いているので以下同文。やるじゃんRalph Towner。こんなに殺る気満々の曲作り・演奏があるなんて。メンバーが熱気・殺気を帯びたところにECMレーベルの冷ややかな空気が流れ込んで、なんやかんやで最終的には抑制・抑圧されたものが生成された。と『Nimbus』を聴いて思いましたとさ。めでたしめでてえ。'74年ってこともあって、フルートの録音がとても同時代のプログレの空気感でちょっと草も生えます。w←ほら生えた。
→第一印象:4.7(5点満点)
https://itunes.apple.com/jp/album/solstice/id295620488?uo=4&at=10lqt2【UNDERGROUND】fox capture plan
「現代版ジャズロックをコンセプトとしたピアノトリオ」ことfox capture planの新作。Special OthersとJizueの間の子のような印象。軽快さは前者の如くで、5拍子などを軽やかに織り交ぜてくるところが後者のごとく。ジャズ・ロックかと言われれば、ロック(ポストロック)ではあるけどジャズ成分はかなり薄め。私にとってのジャズとはやっぱりアドリブ/インプロ/インタープレイ要素なので。それはそれこれはこれでよいものです。
→第一印象:3.7(5点満点)
【idea pattern】the mornings
はじめまして。日本人バンド、the morningsのアルバム。このテの音楽はなんというのでしょう。ぐぐると、ハードコア、オルタナ、ニューウェーブなどというキーワードが出てきますがピントは来ないところ。何はともあれ、これはいい音楽で、何がいいって、コードが進行する音楽じゃないところ。コード進行/カスケードとは言わば滑空みたいなもんで、「音楽の和音は進行するもの」という前提の世界に行きている人が世界の命じるままに漫然と行進するさまは退屈なものなのであーる。滑空関係無かった。'90/2000年台のクリムゾンはもしかしたらこういう音楽をやりたい節があったのかも、などと妄想も羽ばたきます。
→第一印象:3.9(5点満点)
【さよなら。また来世で】ボンジュール鈴木
ボンジュール。ミニアルバム【私こぶたちっく】ぶり、ボンジュール鈴木さんのフルアルバム。囁き系声で可愛くちょっと艶っぽくもありセリフに近いラップもここちよく、アレンジもよい振れ幅でありんす。淡々としたトーンが支配的な中、終盤突然に劇的な『PM9:55』の対比が鮮やか。コード進行/カスケードとは言わば滑空みたいなもんで、うんぬんをつらつらと書いては消して、単にベタななのが好きなだけだった。
→第一印象:3.6(5点満点)
[asin:B00VIS95BI:detail]
https://itunes.apple.com/jp/album/sayonara-mata-lai-shide/id979937655?uo=4&at=10lqt2
【TOKYO/OSAKA】神田莉緒香
前作【Wonderful World】ぶり。日本のシンガーソングライター神田莉緒香さんのミニアルバム。かわいいは正義。さりげない曲がさりげない程度につまって爽やかなのどごし。
→第一印象:3.0(5点満点)