怪奇骨董たおやめぶりっこ

ますらおぶりに憧れるブログ。涙がちょちょぎれちゃう。だって怪奇骨董たおやめぶりっこだもの。

2017年4月に聴いた:sora tob sakana/BABYMETAL/Tigran Hamasyan/Mina Agossi/Reignsaw/Charlie Watts/tfjsjs/寺井尚子/Gianluca Ferro/Peter Erskine/Kendrick Lamar/DEPAPEPE/水瀬いのり/鈴木このみ/佐咲紗花

4月です。@@@@みたいなところは、「あとでココを埋める」というTODO印ですが、梅酢にお送りします。めんどくさくって!誰かかわりにたのむ!!!わりとまじで!!!!

凡例

  • 第一印象点はだいたい1.0(そっとじ)、2.0(いまいち)、2.5(ふつう)、3.0(よい)、4.0(とてもよい)、4.5(傑作)みたいなフィーリングです。×20するとBurrn!誌の点数感覚に類似です。
  • 文章中で突然個別楽曲に点数をつけだしたら、10点:傑作、3点:かなりよい、1点:なかなかよい、0点:よい・ふつう・よくない・わるい・☓☓☓です。
  • オススメ印はシェフが気まぐれているとお考えください。

cocoon ep】 sora tob sakana ★オススメ★


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J-Pop。sora tob sakanaのミニアルバム。前作のフルアルバムは、衝撃的な楽曲の数々で度肝を抜かれた反面、衝撃的じゃない楽曲の数々にじゃっかん相殺されて総合的に「傑作」とは言えない惜しむらくな作品でした。が、本作は前作の衝撃的な部分だけを濃厚にコンパクトに揃えており、つまり論理的には露骨に傑作。じゃっかん<この路線>でのどん詰まりみたいなものもやや感じられるが、むしろそれは、次の一手がどう変化してくるか楽しみしかない。やばい。

ミュージシャンにとってもアイドルの音楽制作を握るって仕事は理想的なのかしら?才気/野心が旺盛だが既存組織だともろもろの諸事情があれこれで100%さまざまないろいろを発揮できないバンドマンやミュージシャンにとって。バンドマンはミュージシャンに包含されないみたいないいかたですが、そういういみじゃあありません。ファンカム/SNS隆盛のJIDAI、音楽がイカしているというのも話題性の一つとしてKAKUSANされ、まことの意味でのキュレーター的な人を介して、われわれ情報弱者の耳にまで届くことがある。同時に、MUGENに溢れかえる音楽を即座に安価に(手段によります)アクセスできる今のJIDAI、コンパクトでコンセプトなEPが親切すぎてK・A・N・S・Y・Aしかない。

YATTAネ!

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→第一印象:4.7(5点満点)

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【LIVE AT TOKYO DOME- BABYMETAL WORLD TOUR 2016 LEGEND -METAL RESISTANCE- BLACK NIGHT/RED NIGHT】 BABYMETAL ★オススメ★


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BABYMETAL: LIVE AT TOKYO DOME ~ BABYMETAL WORLD TOUR 2016 LEGEND - METAL RESISTANCE - BLACK NIGHT


J-Pop。2ndアルバムをひっさげてのツアー幕開けのウェンブリー・アリーナ音源からもろもろを経て最終公演の東京ドーム音源。演奏曲の重複なしの2公演がそれぞれ1枚ずつに収められている。2日に分けられて演奏されたひとつの公演といったおもむき。【BLACK】は『@@』から始まり『@@』におわる古典的な構成。【RED】は『@@』から『@@』に至るモダンな構成。『@@』がじわじわと盛り上がるのに対し、『@@』は乗っけから600%にスパークする世にも恐ろしいライブオープニングである。

2ndアルバムの曲はじゃっかん手探り感のあったウェンブリー公演から十分に場数を踏んで自身に満ち溢れている。なにより、『@@』がライブ音源として初披露されたのが目玉。これで名(スタジオ音源)実(ライブ音源)ともに、<【Metropolis Part 2: Scenes from a Memory】以降の Dream Theater にもやもやし続けていたたましい>が無事成仏しました。セイセイ、【Metropolis PT2】は50歩譲って及第点としましょう、あれは・・・以下Dream Theater語りが続く・・・

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→第一印象:4.6(5点満点)

【An Ancient Observer】 Tigran Hamasyan ★オススメ★

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Jazz。アルメニアのピアニスト、Tigran Hamasyanの最新作。アコースティックピアノのソロを土台に、時と場合に応じて自由にコーラスやシンセや(最低限度の)パーカッションなどがトッピングされる。JazzなものからClassicalなものまで、アグレッシブなリズムで攻める曲からアルメニアの叙情豊かななものまで。@@@@などぶりぶりアグレッシブな曲は、今後バンド編成で再演されないかなあと妄想が膨らむテンション。<電子コラール>とも言うべきか@@@@は斬新なサウンド

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→第一印象:4.4(5点満点)

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【UrbAfrika】 Mina Agossi

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Jazz。はじめましてから。

冒頭曲からばっちりドリアン調。すぎやまこういち氏がドラクエドラゴンクエストというゲームの略です)のBGMで大々的に採用したことにより、日本ではすっかりファンタジックな節回しとして定着しているソレ。「ブルースは、7分割平均律とドリアン・スケールによく似ている」という要出典*1があるとおり、本曲のような節回しを聴いたら出アフリカしたころの記憶を蘇らせサバンナの風景を思い起こし懐かしいきもちにならなければならなければならないければならないのだけど、すぎやまこういち氏がドラクエドラゴンクエストというゲームの略です)のBGMで大々的に採用したことにより、日本ではすっかりファンタジックなムードとして上書きされてしまい、ふっかつのじゅもんを忘れたりぼうけんのしょが消えた記憶が思い起こされトラウマビリティックな気持ちになるひとも多いとか多くないとか。しかたないですね。

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→第一印象:3.4 (5点満点)

UrbAfrika

【Reignsaw】 Reignsaw

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HR/HM。メタルを構成するすべてのようそが中途半端……などと書き出しつつ考えを改めた過程を以下に示す。

やっぱり示さない。

硬派でハード系のメタル。デスらない程度のガナリ具合と音程感、メリマリハリが効いた緩みのないリフ/フレーズ、技巧的なアクセント、前向きに展開を続ける楽曲内構成、簡潔なソロ、弛緩することなく続く楽曲、と、どれをとっても手堅くまとまっており、特出する要素はなくても理想的なメタルミュージックになっている。メタルは癒やし。

贅沢を言えば、ボーカルがSU/YUI/MOA METALになって、時々ChorusパートがJ-PopのSABIパートっぽさを出してくれたら、と思います。『Destiny』~『The One』のラインがどんだけゴイスだってはなしですが。

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→第一印象:4.0(5点満点)

Reignsaw


【Charlie Watts Meets The Danish Radio Big Band】 The Danish Radio Big Band & Charlie Watts

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Jazz。ローリング・ストーンズのドラマー、チャーリー・ワッツによるJazz作品。

Personnel: Charlie Watts: drums; Per Gade: guitar,Anders Gustafsson: trumpet; Vincent Nilsson: trombone; David Green: acoustic bass; Peter Jensen: trombone; Steen Rasmussen: fender rhodes, piano; Uffe Markussen: tenor sax; Gerard Presencer: flugelhorn; Lars Møller: tenor sax; Steen Nikolaj Hansen: trombone; Nicolai Schultz: flute

https://www.allaboutjazz.com/charlie-watts-meets-the-danish-radio-big-band-by-nenad-georgievski.php

ビッグバンド形式で和気あいあいほがらかにお送りする系Jazzです。主賓の Charlie Watts にハラハラ・ドキドキします。ミスったのかドモったのかネラったのかそういうノリなのか分からない謎の間合いがあって命綱なしの綱渡りだけどおじいちゃん!がんばって!みたいなスリルが本作の魅力といえば魅力となっている。エルビン・ジョーンズを偲んだと思われる『Elvin Suite』の後半、コルトレーン(ルとレはめっちゃ巻き舌で)風に展開する『Elvin Suite Part 2』がぐっとくる。全体としては、どちらかと言えばマークジュリアナとかバリバリイケイケなドラマーがタイプな当ブログからすると not for me な作品ですが、たまにはまったりBGMにするのもよかろう目線。

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→第一印象:3.0(5点満点)

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【在 zoi】 tfjsjs

在 zoi


J-Pop。はじめましてかしら。謎のシンセベース単音からシャープなビートと強く音響の効いたどろどろひゅんひゅんしたギターの多重層が覆いかぶさってくるのは'70年代クリムゾン的。そのまま2曲目へ流れ込み、歪みと音響が抑えられ左右のギターがテロテロペケペケアルペジオフレーズで絡んでゆくのも'80年代クリムゾン的。表面的にはよく似たクリムゾン、本作のようなポストロックの一派にはまったく関連性がなくってそれぞれ独自に収斂進化したとも言える。'80年代にぽっと現れ特に流行らず潰えたクリムゾンと、21世紀にポストロックの文脈から現れたヤツ。表面的にはよくにて左右のギターがテケテケペロペロするジャンルなのだけど、シンプルなドラムがポリメトリックなギターとコントラストを成す前者('80年代クリムゾンのことな)と、饒舌なドラムがモノメトリックなギータと以下略な後者(21世紀のポストロック一派のことな)という違いは大きい。もちろん私は前者('80年代クリムゾンのことな)信者なんだけど後者(21世紀のポストロック一派のことな)もたとえモノメトリックでもリズムの作曲性を有していれば全然イケるむしろ有能。モノメトリックで4拍子でダラダラしてるあいつら(憎くて名前を唱えるのも汚らわしいあいつらの略な)とかやつら(興味もなく聴き捨てたので名前も覚えていないやつらの略な)は絶許(絶対許さないの略な)なだけで。本作はさす(さすが、の略な)21世紀なだけあってオルタナオルタナティブの略な)やシュ(シューゲーザーの略な)なサウンドもまぶしてあって、そこはそういうのいらないからストイックにテペテペケロケロしてくだしあ(ください、のネットスラングな)よという気分にはなる。シューゲーザー(シューと血の気が引いて、ゲーっと吐き気がして、ザーっと意識が遠のくの略な)はしんどい。ラブラボ(意味は略な)。サイケなのは可。単に好みの問題。このみ。と苦言みな空気ですが全体としては好印象です。9拍子とかあったしな。

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→第一印象:3.9(5点満点)

【Piazzollamor】 寺井尚子

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Jazz。ヴァイオリニスト寺井尚子さんのリーダー作。

なんの先入観かわからないけれど何かの先入観で寺井さんは雰囲気重視のカバー曲を演る人って先入観が潜入していてあまり何も規定していなかったのだけど冒頭から緊張感高く激しく表情豊かなアドリブが炸裂する曲でヒッパタカレーション。J-Popのヴァイオリンはウェットな音作りになりがちでそういうの苦手だなあと思い続けているここ長年、本作は楽器の泥臭いところというか繊細なところ大胆なところ、表情の顔の皺まで聞こえるような演奏/サウンド作りで好感みが持てある。

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→第一印象:3.8(5点満点)

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【A Hole in the Ocean】 Gianluca Ferro

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HR/HM。はじめましてかしら。ある種おなじみの、メタリックなギターを主人公にした、フュージョン一歩手前/スレスレ/一歩踏み込みラインで繰り広げられるテクニカル&メカニカルなインスト曲集。リズム構造を大黒柱にコード/モードで足場を組んでフレーズの肉付けするスタイルは自動生成的であり、人間(天然知能)/アルゴリズム人工知能で個性が出にくい窮屈な分野だなあと感想をもったところ。

それはともかく、こういう音楽はおおむね好きです。去年のナイス枠、@@@@にくらべるとバンド全体のアンサンブル感パワーは低めなところが欠点か。

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→第一印象:3.6(5点満点)

A Hole in the Ocean

【Second Opinion】 Peter Erskine

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Jazz。ドラマーPeter Erskineのリーダー作。長年「Erskine」を音読したことがなく、雰囲気で「エルストリケ」みたいな認識でイたところ、本作を国内版のCDで購入するにあたり、その帯を見、数十年の時を経て「アースキン」と読むことをしったことが最大の収穫。

  • Bass – Benjamin Shepherd
  • Drums – Peter Erskine
  • Keyboards – John Beasley
  • Saxophone, Flute – Bob Sheppard


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→第一印象:2.5(5点満点)


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【DAMN.】 Kendrick Lamar


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HipHop。Jazz方面からも熱い視線が交錯すると噂だけ耳にしていたケンドリック・ラマーの新作がでるっつんで聴いてみた。がしかし、本作を流し聴きする感じでは、Jazz方面との熱いまぐわいやマグワイヤは感じられず、わたしは及びではなかったご様子。ソーリー。


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→第一印象:2.0(5点満点)

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【COLORS】 DEPAPEPE


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J-Pop/インスト。はじめましてかしら。インスト系J-Popについて、私てきには「ぜんぜんだめ」か「とてもよい」の両極端に評価を振っている傾向がある。「ぜんぜんだめ」なやつは、<架空のボーカルJ-Pops曲のバックトラックをスーパーなどのBGM向けにチープなアレンジしにした感じ>だ。「とてもよい」は率直に言えばプログレかJazzかゲーム音楽/サントラのイカした要素をどんだけ盛ってるかである。プログレはリズムへの執着と好きなことを好きなだけやる自由さで、Jazzは即興への執着とプレイヤー間の平等かつ濃密な対話で、ゲーム音楽/サントラは機能性だ。@@以下、脳内の聞き手に、それぞれについて掘り下げるトークを延々と続ける@@

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→第一印象:3.0(5点満点)

COLORS


【Innocent Flower】 水瀬いのり

J-Pop。声優で歌手の水瀬いのりさんのアルバム。

楽曲はストレートでテンプレ的で極端に凝った/変化した/奇をてらった/ベタを積み上げたような展開はみせず、将来、発達した人工知能に「こんな感じ」とパラメータを与えて自動で生成されるアルバムはこんな感じなのだろうかと思う。それはアニソン業界全般にいえるかもな話。

『@@』は1点級の歌曲。じゃっかん分島花音さんのような節回しを感じつつ、分島さんはお金持ちだからストリングセクションをシンセじゃなく生演奏だろうなあと思いつつ。本作にかぎらず、<シンセっぽさを隠さないシンセっぽいストリングセクション>が、<生演奏または生演奏の再現性を重視した打ち込み>に<勝る>というシーンはかなり少ない。演奏のパッケージ化が主体な海外のバンドはさておき、レコード芸術性の高い日本のポップスではなおさら、か。余談。

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→第一印象:3.3(5点満点)

Innocent flower

【lead】 鈴木このみ

lead

lead



J-Pop。アニソン系シンガー鈴木このみさんの最新作。

鈴木このみという怪物をいかに飼いならすか、音楽界が抱えている大きな課題であります。宇宙規模で。辣腕集団Q-MHzでさえその答えは出せなかった印象。Q-MHzは、本来ヒーラー職なのにfripSideアタッカーを担っていた南條愛乃さんを、本来の僧侶として配置した功績は大きい。ちからのたねを激盛りしてもクリフトはクリフトなのだ。それはさておき。

『@@』や『@@』みたいな作風は比較的よくハマっていてイカしている。

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→第一印象:3.5(5点満点)

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Fated Crown佐咲紗花



J-Pop。アニソン系といって差し支えないでしょうか、なシンガー、佐咲紗花さんの新作。

アニソン系シンガーはいまや戦国時代で、戦国時代っても群雄割拠というより各地方の覇権を握る勢力が確定しつつある中盤戦の様相。人数はたくさんいるけどぱっとしない、ではなく才覚・技量の優れた猛者が出揃ったような状況。藍井エイルさんやRayたそさんの引退という出来事もありましたが層はまだまだ厚い、か。

自身の過去の名作『@@@@』をアップテンポに焼き直したような『FEEL×ALIVE』がよい。点数なしだけど。全体としては最近アニソン界隈で流行りのロック調パワフルが中心でちょっと聴いてて突かれてしまうのが弱点。パワフルでいうと名実ともに化物級の水樹奈々さんが化物級すぎて、むしろ本作のようにこじんまりしてたほうが安心していられたりラジバんだ

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→第一印象:3.0(5点満点)


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【Music For Commercials (Made To Measure Vol.12)】 清水靖晃


J-Pop。例のかかりつけのレコード屋の店主が、閉店2週間前に貸してくれたのだけど、うっかり返し忘れてそのまま閉店してしまったため手元に残っているヤツ。そういうことって人生にはたびたびありますよね。返しそびれたヤツっていうのがさぁぁぁ〜。Vol12ってほど連作を積み上げられるほどに音楽的実績や商業的需要があるのに清水靖晃さんという人からしらなかった無知ですスンません。4月の後半、マリオカート8デラックスの発売までの間、惰性でだらだらハイラルを散歩していたBGMにかけていたら、思わず耳をもってかれる音楽でよかったです。ちょっと古臭くてローファイなサウンドだけど、ミニマルで心地よい曲がたくさん。良さく。ところでこれを書いている7月上旬まで、きゃりー選手のシングル『良すた』は、何が「りょうすた」なんだろう「すた」って何の略語だろうか「良い/すた」とは?良いスタイルのことかな?と思ってたんだけど…「良」は「い」よ読んで「いすた」で「イースター」にかけていたんだね!すごいや!と大発見したことをつけ食わせさせていただかさせていただかせていただきます。

ソ↑ン⇣ジャネ