「Spiral」上原ひろみ
今日聴いた音楽。2006年、日本製。Jazz3連発、その1。日本人Jazzピアニスト、上原ひろみの最新作3枚目。第一印象「★★★★★」。
NHK BSで放送されていた東京JAZZ 2006でのステージに圧倒されてしまい、いざ鎌倉とばかりに最新作を入手。
いきなり冒頭の表題曲「Spiral」が究極。
安易に究極なんてゆっちゃいけないんだろうけど、究極。静けさや脳に染み入るピアノで敏感になってきたところに叙情的なフレーズが流れ込んできて脳から脊髄へと濁流が下って尾てい骨の奥のほうの小人さんが「たまらん」と唸りをあげる。序盤と終盤にあらわれるプログレ人思わずあそこがぴくっと反応しちゃう幾何学的なリフが脊髄を逆流してびしっと脳を引き締める。
単に湖畔の静けさを愉しむようなJazzならECM系の作品でおなかいっぱいになっていたから、最初は「またか」と思ったりもしちゃってごめんなさいゆるしてください。「Spiral」であると同時に「Spiritual」というべき名演。もう道すがら江原啓之と美輪明宏にエンカウントしてもひれ伏す必要は無い。われわれはこの曲を手にしたのだから・・・。
偏狭なプログレイズムや保守的なジャズイズムの個別末端の実装に目を奪われるのをすこしやめて、視線を抽象的に音楽を捉えるように意識すれば、「進歩を目指す音楽」というインタフェースを通じてプログレもJazzも同一視できよう。これを、業界用語でポリモーフィズムという。
・・・というのも、これは「Jazz」と呼ぶ音楽なのだろうかと疑問に思う節もあるわけですよ。肯定的にも否定的にも。簡単に「Jazz」というと誤解を招くような。でも、代替となる具体的の別なジャンルもあげられず、言論の逃げの一手として抽象化せざるを得なかったというかなんというか。さらに逃亡を図ると、Jazzよりプログレ愛好者にウケがいいんじゃないかなと言いたいだけ。
それはさておく、さあ、いってみよう。
▼Jazz
▼プログレ
▼Jazz
## 編集中 ##
(-_-)・・・
(-_-)ええと、こんな調子で、あと2ペアくらいJazzとプログレを並べていこうと思ったんですが、思い描いた曲がペアでYoutubeにそろっていることがぜんぜんなくって挫折。著作権!
さて、アルバム「Spiral」ですが、1曲目「Spiral」を言及した調子そのままで各曲各曲にわーわーゆえそうなくらいのクオリテー。1曲目「Spiral」で魅せた叙情的な部分とプログレな部分が相似形を成して全体に広がる感じ。
まさにおんがくのすぱいらるやー・・・。(-_-)
東京Jazz
ありました、東京Jazz。高音質、高画質、stage6最高。
- XYZ
- SPIRAL
- (RETURN OF KUNG-FU WORLD CHAMPION)
- (THE TOM AND JERRY SHOW)
- LOVE&LAUGHTER
#1, #2, #5。プログレッシブな「XYZ」から、究極こと「SPIRAL」で魂を揺さぶっあとは「LOVE&LAUGHTER」で平和に締めくくる。ダウンロード&永久保存は手堅いステージ。
こちらは、チックコリア御大との連弾。
- Summertime
- (Bolivar Blues)
- (Improvisation)
- (Windows)
- (Humpty Dumpty9
- All Blues
二人のミュージシャンによる音楽の会話がすごすぎてめまいがする。
ツアーエディション
「ツアーエディション」には、おまけDVDで2曲のライブ映像あり。
- LOVE&LAUGHTER
- 古城、川のほとり、深い森の中。
「古城〜」は、「Spiral」と双璧を成す名曲。人間の想像力に強く訴えかけ、NHKスペシャルの「なんか雄大なシーン」がなんか抽象的に思い浮かぶ。尾てい骨の奥の小人も大騒ぎだ。
通常版はこれ。
▼関連作品「Falcom SPECIAL BOX '90」
Falcom SPECIAL BOX '90 -ファルコムスペシャルボックス'90-
FALCOM SPECIAL BOXの第二弾で、異なる音楽ジャンルに分かれた4枚のミニアルバム。ファルコムレーベルの基礎が構築されたと言える作品。
上原ひろみの「上場的」な部分を聞いていて、「New Age Music」と題されたディスク3をふと思い出した。ふと思い出しただけですけど。4枚組みでほかの3枚は正直辛いものがありますが、この「New Age Music」のやさしい響きは色あせておりません。
5曲中3曲のピアノは、日本人で初めてECMレーベルからアルバムをリリースしたイサオ・ササキ氏ですって。・・・ほら、偶然にも「ECM系」という単語を持ち出した本編に関連した。よし、関連。
買う気まんまんでごわす。