怪奇骨董たおやめぶりっこ

ますらおぶりに憧れるブログ。涙がちょちょぎれちゃう。だって怪奇骨董たおやめぶりっこだもの。

「Trident」「Fly With The Wind」McCoy Tyner

マッコイマッコイマッコイマッコイ、そーれそれそれ・・・。アンジェロ先生みたいにもてはやされればいいのに。マッコイラッシュ、マッコイストライク、マッコイコーク、マッコイスルー*1。根がプログレなわたくしにはマッコイ先生のマッコイプレイはど真ん中です。

「Trident」

マッコイトリオ、'75 年製。パワフル・マッコイ。

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ジョン・コルトレーンの元でとことん修行したマッコイ。コルトレーン カルテットの同僚だったエルヴィンと名手ロン・カーターとトリオを組んで録音されたアルバム。1000 円なり。

チェンバロとかチェレスタとかを飛び道具飛び道具的に使って小手先でごにょごにょしちゃってるところは残念だけど、直球でパワフルなトリオ演奏しているところは期待通りでとてもいい。

なるほどマッコイは何をやらせてもマッコイ。マッコイがマッコイフレーズをマッコイすると瞬時にマッコイミュージックになる。どーんだーん、てろりろれらりろ。はいマッコイ。ラテンの陽気をすぐさまマッコイフレーズであっさりマッコイ化してしまう #3 は笑うところ。

ハイライトはコルトレーン屈指の名曲「Impressions」の演奏。ぎゅっと濃縮本領発揮 5 分の好演。マッコイの尺では 5 分くらいがちょうどよい塩梅なのかな。

たぶん、プログレな人が想像するハードな Jazz ピアノって、マッコイみたいな演奏なんじゃないかな。

John Coltrane Quartet- Afro Blue

コルトレーン カルテット時代の映像。マッコイがマッコイフレーズでマッコイする典型的な演奏。

コルトレーンサイズの「Impressions」

「Fly With The Wind」

'76 年製。ゴージャス・マッコイ。

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すっかりお友達ロン・カーター、ビリー・コブハム、プラスさまざまな楽器オーケストラに挑戦したマッコイ。マッコイの挑戦。チャレンジングマッコイ。

1 曲目からオーケストラ、バンド、その他のミュージシャンみんなノリノリである。それにしてもマッコイ。ダイアトニックで協和しているオーケストラの上に、マッコイがヒトタビ股旅どーんがーんぴろりろぴろりろとマッコイフレーズを弾き出してすべてぶち壊す。このマッコイっぷりがアルバム通して爽快である。マハビシュヌ・オーケストラでおなじみビリー・コブハムのパワープレイも聴き所。

プログレ畑の人が管弦楽と競演する感じとも、プログレに近い Jazz-Rock の人が大編成になる感じとも、Jazz の人が昔ながらのビックバンドを組むのとも異なるのが興味深い。特に、悪い意味での Fusion 的な洗練さが感じられなくて大雑把で豪快なところがいい。逆におとなしくアンサンブルに沈んでいるマッコイはマッコイらしくない。

あらゆるジャンルの人にアピールしそうで、同時にあらゆるジャンルの人から B 級扱いされそうなマッコイかわいいよマッコイ。でもこれは A だよマッコイ、ひゅーひゅーだよマッコイ。

中古で数百円なり。