「TRUTH」THE SQUARE
今日は日本GPでしたね。というわけで、ほとんど背伸びしないと届かないようなCD棚の最上部の最深部から取り出してきました。
カシオペアと共に、「いわゆるFusion」のパブリックイメージというか先入観というか妄想というかを刷り込んだ偉大なバンドの代表作。表題曲「Truth」は、F-1オープニングのアノ曲。
私にとって「いわゆるFusion」は、Return to ForeverやWether Report*1や、あるいはPat Methenyといったところの印象なので、今の耳で「Truth」を聞くと、こいつはFusionというより歌のないPop(良い意味で)だ。
とても耳障りの良いベタなメロディを手堅い演奏技術に乗っけて心地よく繰り広げられるPopミュージック。こいつは「ある種の音楽」嗜好にもある程度合致する。JDKバンドや矩形波倶楽部といった、ラジオ番組「電撃パラダイス」*2好みの「ある種の音楽」が、「いわゆるFusion」にとても近いサウンドを打ち出していたのは、相互の客層を共有しようという目論見だったのではないかと根拠もなしに思うわけであります。
当アルバムの聴き所は最終曲のバラード「Twilight In Upper West」。まるっと聴けるサイトがあったのでどんぞ。
(-_-)ね?
この曲にはオーケストラアレンジバージョンがあります。
このアルバム収録の「Twilight In Upper West」はとてもいい。安易な「オーケストラとの共演」や「オーケストラアレンジ」はろくなモンがほとんどないというのが原則だけど、こいつはとてもいい。シンプルな譜面に起こされた「原曲」というものがあったとして、これをバンドで最高のパフォーマンスが発揮できるように編曲したのが「Truth」バージョンで、これを管弦楽曲として最も映えるように編曲したのが「TAKARAJIMA」バージョンだ、と感じられる名アレンジ。
余談ですが、なぜ巷のオーケストラアレンジはいまいちなのが多いのか。世の中には、短い納期で安くそれなりに別ジャンルの音楽を管弦楽に編曲する職人的な音楽家がいるからだと思う。NHKスペシャルにオリジナル曲を書くときは気合の入った良い作品を生み出すのに、お仕事で編曲するときはとことんやっつけな具合。特に'80年代のゲーム音楽のオーケストラアレンジ版にはそんな風にやっつけられた駄作が多かった。厨房に聞かすにはこれで十分だ、みたいなね。
ちなみに、「Twilight In Upper West」は、ドラマ「幕末高校生」のOP曲として使われました。
TRUTHのお気に入り度:65点