2016年2月に聴いた(1):Dream Theater/上原ひろみ/Anne Pacéo/GOGO PENGUIN/Aly Keita他/カズミ・バンド/非常階段×戸川純/Wonder World/Steven Wilson/綿めぐみ/つしまみれ/Bill Frisell/Kie Katagi/コナミ矩形波倶楽部/内田彩/朝倉さや/METAFIVE
レビューブログのテイでポエムを書いていますこんばんわ。レビュー対象のネタバレはなるべく回避しようとしていますが、意図せず含まれてしまう危険性があります。ネタバレがお嫌いな方は今すぐディスプレイを叩き割ってください。
- 【The Astonishing】 Dream Theater
- 【SPARK】 上原ひろみ
- 【Circles】 Anne Pacéo
- 【Man Made Object】 GOGO PENGUIN
- 【Kalo-Yele】 Aly Keita, Jan Galega Brönnimann & Lucas Niggli
- 【ベスト・オブ・domoイヤーズ】 カズミ・バンド
- 【戸川階段】 非常階段×戸川純
- 【wonder world is dead...】 Wonder World
- 【4 1/2】 Steven Wilson
- 【ブラインドマン】 綿めぐみ
- 【人間放棄】 つしまみれ
- 【When You Wish Upon A Star】 Bill Frisell
- 【Serendipity】 Kie Katagi
- 【GRADIUSⅡ SOUNDTRACKS (FC版)】 コナミ矩形波倶楽部
- 【Sweet Tears】【Bitter Kiss】 内田彩
- 【River Boat Song -Future-Trax-】 朝倉さや
- 【META】METAFIVE
- 【Evolution】 ロニー・スミス
- 【Zoot at Ease】 Zoot Sims Quartet
第一印象点はだいたい1.0(そっとじ)、2.0(いまいち)、2.5(ふつう)、3.0(よい)、4.0(とてもよい)、4.5(傑作)みたいなフィーリングです。オススメ印はシェフが気まぐれているとお考えください。
【The Astonishing】 Dream Theater
短めの曲を中心にしたCD2枚に渡るロックオペラということで、Genesis【魅惑のブロードウェイ】に相当する作品でしょうか。日本語でさえ「歌詞は絶対に読まない・聞かないマン」な私ですから英語であればなおさら。どんなに魅力的な物語が展開されていようとも、音楽にそれが現れていなければ気づかないやつです。とはいえドリムシ限って言えば、歌詞カードを見ながら聴いたほうが集中力が続くのでよく見ていました。が、本作はブックレットをケースに一体化させるという暴挙によりそれさえままならず困ったものです。
さて、ドリムシといえば、【Metropolis PT.2】以降はマンネリズムに囚われてしまった、という世界観であります。本作もご多分に漏れず、どこもかしこも【Metropolis PT.2】以降のどこかで聴いたことあるような要素で構成されている。真にユニークな音楽はないとはいえ、自己再生産に過ぎるのはちょっとこまる。一番いい過去のやつを聞き続ければよいことになるので。メタル音楽全般的に言えるかもしれませんが。メタルはジャンル内部の音楽的な手札が少なめなジャンルだから。
とういうわけで、過去にとらわれずに聞けば面白くても過去に浸ってしまうとマンネリズム大作。これは新しいフレーズかも?と新鮮だったのは『Begin Again』のアウトロ40秒の部分くらい。
また、とある曲中さりげなくEL&Pの『Trilogy』のワンフレーズが引用されてたりしたので、たぶんそれだけじゃなくいろんなイースターエッグ的なのも散りばめられているんだろうなあと推測され、音楽マニアにはニヤりとする場面が多いかもしれない。
可もなく不可もなく、さりげなく交代が済んだ新ドラマーマイク・マンジーニについては、小曲の連なりでドラマチックなことをやる本作では、前任マイク・ポートノイのマイケル・ジャイルズばりの幅広さが懐かしくもあり。
さんざんグチグチ言いましたが、クオリティは安定。
→第一印象:3.7(5点満点)
【SPARK】 上原ひろみ
Jazz。ピアニスト上原ひろみさんの最新リーダー作。同じメンツで3作続くのは初*1なので、メンタル的によほどよいバンドに育っていると思われます。サイモン・フィリップスと新しいトリオを結成?と聴いた時は冗談かしらと思ったりしたものですが。いまや完全にしっくりきています。Stanley Clarkeのリーダー作に上原ひろみが参加した時のような言い表せぬ異物感なんてここにはありません。
上段のDream Theaterの節でだいたい述べてしまいましたが、ぱっと聴くところの印象にはマンネリ感があります。しかしここはJazz、そこは上原ひろみさん、アドリブプレイにみなぎる殺気と降り立つ天使性がすべての些末な懸念を吹き飛ばします。これがDream Theaterにかけるもの。主語を拡大すれば(と断っておかないと主語警察に目をつけられてしまいますので)Jazzにあってメタルに欠ける問題だと言えなくも候。
XYZ以来恒例のEL&P風リード曲、渾身のソロ曲を含み、間にカチンコチンの変拍子がバンドのパワーで驚くほど滑にねじ伏せられ削ぎ落とされてゆく様に安堵の溜息。驚嘆のそれではないのはもうそれが当然と思う聞き手の舌なめずり。
余談『All’s Well』の基調となるリフはどこかで聴いたことあるなあと脳内弄ったら、ビル・ブラフォード(アースワークス)の『No Truce with the Furies』に似ていたおもしろい。この一節は本稿の最後に書いているのだけど、なんの偶然かこのあと何度かブラフォードの名前が出てきます予告。
▼Bill Bruford - 01 No Truce with the Furies
www.youtube.com
→第一印象:4.2(5点満点) ★オススメ★
【Circles】 Anne Pacéo
Jazz。1曲めのコーラスワークっぷりからまたアルメニアから新たな刺客が!?と思ってググッてみるとフランスのお方らしい、ドラマーAnne Pacéoのリーダー作。
- Anne Paceo : vocals, drums
- Emile Parisien : soprano saxophone
- Leila Martial : vocals
- Tony Paeleman : keyboards
- guest : Adrien Daoud : keyboards
アルメニアの傑物Tigran Hamasyanのようなハチャメチャなプログレを聞かせてくれるわけではありません。Tigran HamasyanがMAGMAなら、Anne PacéoはOFFERING。これはいいたとえだ、と思いつつも、MAGMAとOFFERINGの例えが通じる人はいないんじゃないかと疑念。表題曲『Circles』の素晴らしさと行ったら!
いったら・・・またアニメ「フラクタル」のオープニングを連想してしまう。
じっさい、『ハリネズミ』を熱いインストにしたような名曲であります。お互いに。
→第一印象:4.4(5点満点) ★オススメ★
【Man Made Object】 GOGO PENGUIN
Jazz。イギリスのJazzグループGOGO PENGUINの最新作。
The Bad Plusを始祖とする(かどうかは分からない)、グループ名を冠するJazzグループにありがちなグループ名を冠するThe Bad Plusを始祖とするかどうかは分からないグループのイマドキのサウンド。外見はJazzでピアノトリオながら、リズムはジャングル(というとテクノ警察にテクノ棒に四つ打ちされてしまいそうですが)でピアノはクラシカル/現代音楽カルで、ベースだけはJazz本格派、みたいな、昔からするとかなり異色な組み合わせがナウなウケにバカギャル。
Jazzで踊れ性を重視する場合、ロバート・グラスパーのように真っ黒、本作のように真っ白に二分されるのが面白い。個人的には踊れ性を重視するなら真っ黒なロバート氏、真っ白であるならオドレ性度外視でプログレに極振りしたティグラン氏を支持します。白黒紅白の観点はさておき、Jazzカテゴリーに置かれる音楽ではやっぱり殺気のこもったアドリブプレイが醍醐味になりますが、本作は作曲性に重きが置かれているのもちょっと残念。
とはいつつ、よいものはよい、というハイクオ盤。
→第一印象:4.0(5点満点)
【Kalo-Yele】 Aly Keita, Jan Galega Brönnimann & Lucas Niggli
Jazz。コートジボワールBalafon(西アフリカの木琴)奏者Aly Keïtaのリーダー作。
- Balafon, Kalimba – Aly Keïta*
- Bass Clarinet, Contrabass Clarinet, Soprano Saxophone – Jan Galega -Brönnimann
- Drums, Percussion – Lucas Niggli
なんと、トリオでした。相棒の二人はスイス人。リーダーに引っ張られてアフリカ性が強い右からRockな中央を経てフリーJazz/即興の左まで自在に振り揺さぶられてスリリング。笛を吹いている人、こやつがこの音楽の深遠さをジェネレートしている真犯人では。
チャチャチャこやつめハ、ハ、ハ♪
https://www.youtube.com/watch?v=gx0X50_E8cQ
→第一印象:4.2(5点満点) ★オススメ★
【ベスト・オブ・domoイヤーズ】 カズミ・バンド
Jazz。ギタリスト渡辺香津美のコンピレーションアルバム。「domoイヤーズ」が具体的にどんな時代で、どんな活動が特徴的な時期だったのか、そういう予備知識も事後ググりもしないままお送りしています。
前半は驚きの'80年台 King Crimson があちらこちらから香る曲がずらり。渡辺氏がクリムゾンにインスパイアされた系なのか、逆なのか、それぞれ独自に生み出したのか、それとも双方が参照する第三者の元ネタがあるのか(それがあるならぜひ教えてほしい!!聞きたいから。)、ググらずにおおくりしています。クリムゾンの『Sleeplesss』に似たモチーフで幕を開ける『CRISIS III』でバリバリサックスを吹いているのはマイケル・ブレッカー氏ですよね?バリブボボボボと印象的なフレーズは彼っぽい。もしくは彼の影響の強い誰か。または余興的に彼っぽいフレーズを吹いたとか。ググらずにおおくりしております。
はわわ。クリムゾンぽいどころかクリムゾンのビル・ブラッフォードさんと共演してるじゃないですか。はわわわ!
後半はアコースティックに落ち着いた曲集。クリムゾンぽさが抜けてしまって聞き手の魂も抜けてきました。あくまで一般論のはなしですがチック・コリア作の『Spain』はラデツキー行進曲みたいに定番化して以降、キメのパートをもったいぶってひっぱってひっぱった挙句にイマイチ盛り上がらないパティーンが多いので、この曲ばかりはエンターテイメントに徹して頂きたいと思います。あくまでググらない範囲の話です。
→第一印象:3.7(5点満点)
【戸川階段】 非常階段×戸川純
J-Pop。ノイズ。ひゃっはー、ノイズの時間だぜー。初音(ミク)階段、BiS階段と変わり種と階段しきた非常さんが、アングラ街道たる戸川さんと階段して。異物を混ぜたから異物感がでるあたりまえっちゃあたりまえ企画ではなく、同族だけど異物感/同族なので同一感の配合が効いた神経質な・・・や、ノイズはノイズです。ノイズ音楽の何か言葉をひねり出したくなる欲はこわや。がんばってひねり出しても、PLAYボタンを押せばノイズがギョーと鳴るだけで、言葉はインターネットに書き散らかされた無駄なノイズと化すだけなのに。ノイズ好きにおすすめ。
→第一印象:ノイズ(5点満点)
【wonder world is dead...】 Wonder World
じはじめまして。J-Pop。テクノ/インスト。
かつてSpecial Othersというバンドが居ました。初めて聴いた時、小粋なBGMを提供してくれるよいバンドじゃないと喜びました。しかし、その後、出るアルバム出るアルバム一貫してぶれないスタイルに次第に飽きてきて、好感はやがて激しい憎悪へと変わってゆきました。また、かつてDAISHI DANCEという人が居ました(略)好感はやがて無関心へ変わってゆきました。
そして本作です。小粋なBGMを提供してくれて嬉しいと好感を持ちました。大袈裟にためらうことなく堂々と「良い曲」を作る姿勢に。
→第一印象:3.7(5点満点)
【4 1/2】 Steven Wilson
はじめまして。プログレ。前作にして傑作【Hand.Cannot.Erase】から間を置かずにの新作。前作よりは小ぶりながら、故クリス・スクワイアリスペクトなぶりぶりベースからGenesisできたことあるやつなギター音色コードから、他にもしる人は知れるギミックもたくさんありそう。まったく不満なしの佳作。
https://www.youtube.com/watch?v=Ugi1U9vwmG0
→第一印象:4.0(5点満点) ★オススメ★
【ブラインドマン】 綿めぐみ
はじめまして。J-Pop。シンガー綿めぐみの1stアルバム。カワイイ勢のかわいいやつ。かわいくてコンパクトで言うことなしなんですが、どこかトラウマチックな何かを呼び覚まされる心のざわつきはいったい。おそらくは、20世紀末を思い起こすサウンド。
→第一印象:3.4(5点満点)
https://itunes.apple.com/jp/album/buraindoman/id1076464308?uo=4&at=10lqt2
【人間放棄】 つしまみれ
はじめまして。J-Pop。かわいい綿めぐみさんから一転、禍々しいつしまみれ。いまググッてびっくり、'99年結成とは。なるほどこちらにも感じたトラウマチックなアレはやはり世紀末の産物。GOG!O!7188の支流だったのかもしれません。パンクですこしサイケでブリブリで強かにポップな音像きらいじゃないです。332の擬似変拍子『ハングアウトだ!』、ビル・ブラフォードみたいなスネア音色の『あぶくたった』が白眉。
→第一印象:3.3(5点満点)
【When You Wish Upon A Star】 Bill Frisell
Jazz。ギタリストBill Frisellのリーダー作。
- Bill Frisell – electric and acoustic guitar
- Petra Haden – voice
- Eyvind Kang – viola
- Thomas Morgan – bass
- Rudy Royston – drums, percussion
びる・・・ふりーぜる・・・さんですよね・・・?いや、ビル・フリーゼルはジョン・ゾーンのNeked Cityでの活動を中心とした、ギャルギャルのアヴァンギャルドしている姿しか聴いたことなかったので。
こういうの
なので、本作の牧歌的な音楽にびっくりしてしまったのです。ジョン・ジョーン、ジョーイ・バロン、フレッド・フリスらとバトルしてきた狂気がいつ牙を向いて襲いかかってくるんだろうとハラハラドキドキしながらです。さて狂鬼は降臨したのでしょうか?それは聴いた者のみぞ汁であります。
→第一印象:3.3(5点満点)
【Serendipity】 Kie Katagi
J-Pop。インストJ-Popバンド最高峰のひとつであるjizueのピアニストKie Katagiさんのソロリーダー作。jizue本体ほどのプログレ性はなく、jizueを因数分解して叙情的な面を拡大。jizue本体でいうとBookshelf】のテイストに近い。
『Ranunculus』はロバート・グラスパーの『In Case You Forgot』
これを超ゆっくりにしたような佳曲。
→第一印象:3.9(5点満点)
【GRADIUSⅡ SOUNDTRACKS (FC版)】 コナミ矩形波倶楽部
Soundtrack/Game。毎週オンラインストアの巡回をしていて、Amazon Musicのゲームカテゴリーはどこかのレーベルが一度に大量配信したシリーズでうめつくされがちなのが特徴ですね、と思いながら懐かしいFC版グラディウス2のオリジナルサントラを見かけたのでゲット。当時からずっと欲しかったやつだ。**受験勉強を開始するから今日でファミコンは封印、という日の最後の過ごし方は、グラディウス2のサウンドモードで音楽を聞いていた、くらいお気に入りの音楽。コナミ矩形波倶楽部史上屈指の名作。
→第一印象:4.0(5点満点)
【Sweet Tears】【Bitter Kiss】 内田彩
J-Pop。前作【Blooming!】から間をおかずの新作。テクノポップの【Sweet Tears】とロックの【Bitter Kiss】と、音楽性で固めたコンセプトミニアルバム。主語を拡大すると*2、声優・アニソン×テクノポップ、声優・アニソン×ロックとはこうである、という価値観を本作が提示していると言える。言えないか。ははは。さーせん。
【Bitter Kiss】はどんなロックを提示してくるのか!?ひとくちにロックといえども、ロックンロールかロカビリーか・・・プログレか・・・パンクか、ポスト・パンクか・・・オルタナかグランジかポストロックか・・・ヘヴィメタルかデスメタルかドゥームメタルか・・・(参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/Category:%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E3%81%AE%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%AB )。ロックとは、手仕事で演奏される、リズムが強く明示される、主にギターによってサウンドが特徴づけられるといったところか。
【Sweet Tears】はどんなテクノポップを提示してくるのか!?ここのポップはJが省略されているテクノJポップだ。サウンドはテクノであるが、J-PopのAメロBメロサビ構造を持っている。で、そのサウンドのほうだが・・・と深掘りするほどテクノポップは興味をそそられない。Capsule/Perfumeの歴史のどこからか派生した音楽になるにきまっているから。
いやいや、ハウスJポップもあるよエレクトロJポップもあるよユーロビートJポップもジャングルJポップもトランスJポップもあるよ、何より最新のJuke/Footwork Jポップはすごいよ!Jukeの高速交錯リズムにPerfumeもびっくりなPopsが融合しているから!具体的には****を聞くといいよ!というのがあれば****をとても聴いてみたいので今すぐ教えて下さい。もしまだないのならわたくしが作りますので明日から会社やめて一生音楽制作できる資金を一括で下さい。
で、本作はいったいどんなロック/テクノポップ観を提示してくれるのでしょうか・・・・・・!!
(ネタバレ略)
総論としてはテクノは想定内で理解でき、ロックは評価が難しい、ところ。内田真礼さんの『創傷イノセンス』がモダンな声優・アニソン×ロックのテンプレートなのかしら。喜多村英梨さんのようにややダーク寄りだったり、妖精帝國さんのようにメタルに振り切ったりするのは異端ぽい。長くなってきたのでいろいろ割愛しますが、何かに染めるなら前作の『妄想ストーリーテラー』のような路線で染めていっていただけるとわたしはよろこびます。端的に言うと『イシュメル』by Y.AOI。
https://itunes.apple.com/jp/album/bitter-kiss-ep/id1075914661?uo=4&at=10lqt2
https://itunes.apple.com/jp/album/sweet-tears-ep/id1075767117?uo=4&at=10lqt2
【River Boat Song -Future-Trax-】 朝倉さや
はじめまして。シンガー朝倉さやのデビュー・アルバム。
民謡+ポップスの水と油をいかに調合するかについては、Omodakaの【Bridge Song】( http://derutcarf.hateblo.jp/entry/2015/01/01/221608 )という快作があります。
民謡の旋律に、ポップスの和製に割り当てる・近似させる。その上でどんなアレンジを施すかという課題。テクノ(というとテクノ警察に摘発されてしまいますが。ここでは明確に他のジャンルに割り当てられない打ち込み音楽という意味)を中心に、ボサノヴァ、ファンクがアクセントにする構造。
歌声は魂に響く圧巻だけれど、編曲との馴染みはよくなく、難しいとおもいます。音楽聴いてて不満があったとき、たいていは「自分ならこうする」という脳内音楽に変換して楽しみますが(本当は実際に作りたいので明日から会社をやめて一生音楽制作に没頭できるだけの資金をください。一括で。ナウ!)、日本民謡のポップス化についてはノーアイデアです。
Youtubeを拝見しますと普通のポップスも歌われていてこちらがむしろアイデアなのではと思いました。民謡とか演歌とかは完全に内面化した上でポップスとしてプレゼンするのが。そのモデルは、水樹奈々さんであり、シオカラーズであります。
→第一印象:3.0(5点満点)
【META】METAFIVE
J-Pop。LEO今井氏のソロに高橋幸宏、TOWA TEI、小山田圭吾、砂原良徳、ゴンドウトモヒコらが参加した豪華なプロジェクト。というと政治的中立性警察から歴史修正主義だと怒られてしまいますね。正史はさておき、私としては「LEO今井氏のプロジェクト」目線で聴いてしまいます。今井メロ氏ではないです。若手の意識高い系ミュージシャン筆頭の彼に。「意識高い系/ミュージシャン」なのか「意識高い/系ミュージシャン」なのかによって敬称か蔑称かそのニュアンスがデリケートでゾーンです。アーバンでメロウでオーサムでシティがクラブな4拍子で、まるで'80年代クリムゾンからプログレっぽさを全部抜いたような、正直ぜんぜんタイプじゃない音楽なのですが、その高い意識に当てられてついつい耳を傾けてしまう系なのだから今井氏の勝利です。レオ様の方の話です。
→第一印象:1.5(5点満点)
*1:初期トリオと、ギターが加わったカルテットを分けたとして。あの変態的なギタリストが加わっての2作目が大好きですよ
*2:はてな文化は偏執的に主語の大きさの厳密性を求めるので、拡大するときは必ず断りを入れておかないといけない。あるいは、『確かに字句通りなら不適切な主語かもしれないけど、そこは酌量して適当な大きさに読み替えなしゃんせ』という場面でも、本論に踏み込むことによるリスクを回避しつつとりあえずマウンティングシたい時のお手軽ツールとして濫用されている。まさに下衆の極み。とういうこともあってか、自分は主語の小ささ問題のほうがきになります。例えば、その話題は「アニメ」にかぎらず創作一般に適用できる問題提起じゃないかしら、主語が「アニメ」と小さいがゆえに、アニメに特化し本題からそれためんどくさい突っ込み受けてるのはもったいない、とか。