2015年9月に聴いた(前半):Alex Rostotsky/箱庭の室内楽/People In The Box/Rhodanthe*/Rayons/Casimir Liberski/Michael Brecker/Various Artists/佐藤節雄/MONOEYES/パスピエ/Yun*chi/SawanoHiroyuki/吉岡亜衣加
10月も終わりに差し掛かっていますが、9月分。まずは前半。Apple Musicのサービス開始時からの無料トライアル期間も終わってしまいましたが、同サービスで聞けるものは見出し直下に載せておきます。
オススメ印はシェフが気まぐれているとお考えください。
第一印象点はだいたい1.0(そっとじ)、2.0(いまいち)、2.5(ふつう)、3.0(よい)、4.0(とてもよい)、4.5(傑作)みたいなフィーリングです。
目次
- 【I Remember Joe Zawinul】 Alex Rostotsky
- 【empty words】 箱庭の室内楽 ★オススメ★
- 【Talky Organs】 People In The Box
- 【FIRST*MODE】 Rhodanthe*
- 【The World Left Behind】 Rayons
- 【the caveless wolf】 Casimir Liberski
- 【Wide Angles】 Michael Brecker
- 【Hommage À Eberhard Weber】 Various Artists
- 【Great Jazz Classics】 佐藤節雄 アンド ザ ジャズマニアックス
- 【A Mirage In The Sun】 MONOEYES
- 【娑婆ラバ】 パスピエ ★傑作★
- 【Pixie Dust*】 Yun*chi
- 【o1】 SawanoHiroyuki[nZk]
- 【ことの葉の空へ】 吉岡亜衣加
【I Remember Joe Zawinul】 Alex Rostotsky
Jazz。はじめまして。作曲家?のAlex Rostotskyによる故ジョー・ザビヌルへのトリビュート作品。正直なところ、ザヴィヌルについてはマイルス・デイヴィスとの共作、初期リーダー作、初期ウェザー・リポート作品などほとんど'60年代程度しかフォローしておらず。ゆえに本作のような後期ウェザー・リポートや後年のザヴィヌルリーダー作を中心とした音楽についてはあれこれ言えないです。が、本人亡き後、こうやってトリビュート作品でザヴィヌルっぽさが産まれ、楽しめるのはいいことですね。
→第一印象:3.7(5点満点)
【empty words】 箱庭の室内楽
J-Pop。箱庭の室内楽の最新作がでましたやったね!プログレ的にいうと、レコメン系な脱力感&変拍子(時にはクロスリズミック)を駆使したリズム感に、初期ピンク・フロイドを匂わすサイケ感もちょっとある。ただ8ビートから1ビート引く7ビート、ただ6ビートから1ビート引く1ビート。1ビート引くだけの簡単なお仕事でいわゆる疾走感ってやつがお手軽に高くなる。雰囲気はほんわかしてるのになギャップ。逆言うと、疾走感的なものを求めてるようなバンドがなんで1ビート引くだけの簡単なお仕事を全然やらないのか馬鹿じゃないのと怒りさえ覚えるけどすぐ忘れてたぶん不慣れなマイナス1ビートによって演奏者側の疾走してる感が減退してしまうか産まれてからこのかたマイナス1ビートした音楽があることを知らないからそういう発想がそもそもでてこないんじゃないかと想像しつつ箱庭の室内楽の音楽を楽しみましょう。
→第一印象:4.2(5点満点)
【Talky Organs】 People In The Box
J-Pop。People In The Boxは一昨年くらいかしらJizueに出会ってスゴイ!ってなってたところにiTunesに推薦されたのが知る切っ掛け。プログレ的にはJizueや箱庭の室内楽に比べるとずいぶん大人しめだけど、nhhmbaseじみたクールさ、クールなアンサンブルに溶け込む落ち着いたボーカル、控えめかつ引き伸ばされたバンプにも似た躍動感もチラリ。Yesの【海洋地形学の物語】を現代日本のポストロック風にしたような佳作。『野蛮へ』なんかそうじゃない。時々むしょうに聞きたくなりますよね、【海洋地形学の物語】。
→第一印象:4.0(5点満点)
【FIRST*MODE】 Rhodanthe*
J-Pop。声優で歌手の西明日香、田中真奈美、種田梨沙、内山夕実、東山奈央さんによるユニット、Rhodanthe*によるアルバム。
https://twitter.com/derutcarf/status/551217946190573568
などと行っていた四天王のうち二人も所属しているなんて耳福にもほどがあります。耳がしあわせなんじゃーになるのは、ソロパート、かつ歌い手が聞き分けられたパートになるので、限定的。キャラ個人のソロソングとかあればよいのですが、それは別売りかDVD/BDの特典だったりするのですか?
→第一印象:2.7(5点満点)
【The World Left Behind】 Rayons
J-Pop。初めまして。「クラシカル / 現代音楽の技法を修得し、作曲からアレンジメント、ピアノ演奏までを自ら手がける音楽家・中井雅子。彼女によるソロ・プロジェクト“Rayons”*1」のアルバム。ややウェッティなピアノを主人公に、控えめなボーカルと弦楽隊が彩る。清潔なリリイ・シュシュ。
→第一印象:2.9(5点満点)
【the caveless wolf】 Casimir Liberski
Jazz。ベルギーのJazzピアニスト、Casimir Liberskiのトリオ作品。
https://casimirliberski.bandcamp.com/album/the-caveless-wolf
- Casimir Liberski - Piano, Keyboards, Composition
- Louis de Mieulle - Bass
- Jeff Witherell - Drums
多分に現代音楽的。キース・エマーソンの現代音楽趣味が全開した時のアコースティックフォームのEL&P的。フリーフォームなインタープレイもあるけれど、あくまで作曲主体でロックに近いしポストロックだと断言してしまえばそちらのファンにもアッピールしそう。あ、これはキース・エマーソンと同じフレーズや!とプログレ棒も反応します。
→第一印象:4.0(5点満点)
[asin:B014IGJZG6:detail]
https://itunes.apple.com/jp/album/the-caveless-wolf/id1032315438?uo=4&at=10lqt2
【Wide Angles】 Michael Brecker
Jazz。旧作。2003年製。(いまさらになって)Michael Breckerを偲んで旧作を聴いてみる第@弾。サックス奏者、故Michael Breckerのラージアンサンブル作品。
- Michael Brecker (Ts)
- Alex "Sasha" Sipiagin (Tp)
- Robin Eubanks (Tb)
- Peter Gordon (Frh)
- Steve Wilson (Fl, Afl)
- Iain Dixon (Cl, Bcl)
- Charles Pillow (Oboe, Eh)
- Mark Feldman (Vln)
- Joyce Hammann (Vln)
- Lois martin (Viola)
- Erik Friedlander (Cello)
- Adam Rogers (G)
- John Patitucci (B)
- Antonio Sanchez (Ds)
- Daniel Sadownick (Per)
Jazzの歴史で培われ極められた音楽理論をこれでもかと複雑で繊細に作り込み過ぎて逆に抽象画のように聞こえる病的な作品。いい意味で。
マッコイみたいなバカバカしくてハッピーな曲も欲しかった。
こういうの。
→第一印象:3.8(5点満点)
https://itunes.apple.com/jp/album/wide-angles/id14158487?uo=4&at=10lqt2
【Hommage À Eberhard Weber】 Various Artists
Jazz。
2015年1月23日にドイツのStuttgart's Theaterhausで行われたEberhard Weberの生誕75周年記念コンサートからのライヴ録音作品。
Weber作曲作品のビッグ・バンド・アレンジと古くからの盟友、パット・メセニー、ヤン・ガルバレクなども加わったエバーハルト・ウェバーへのオマージュ・ライヴ。
http://tower.jp/item/3969000/Hommage-a-Eberhard-Weber
- Pat Metheny: guitar
- Jan Garbarek: saxophones
- Gary Burton: vibraphone
- Scott Colley: double bass
- Danny Gottlieb: drums
- Paul McCandless: oboe
- Michael Gibbs: conductor, arranger
- Helge Sunde: conductor
- SWR Big Band
音楽指揮はパット・メセニーだけれど世界観はヤン・ガルバレクのそれに近いような幻想系。かなり集中して個別のプレーヤーに耳をすませば緊張感の高いパーツで成り立っているけど、ぼーっとしてるとイージー・リスニング。気合で聴いてください。考えようによってはピンク・フロイドの【狂気】に近い作品。
→第一印象:3.9(5点満点)
https://itunes.apple.com/jp/album/hommage-a-eberhard-weber-live/id1032538156?uo=4&at=10lqt2
【Great Jazz Classics】 佐藤節雄 アンド ザ ジャズマニアックス
Jazz。
国内外のビッグネームと共演して来たベテラン・ドラマー佐藤節雄が中堅・若手を率いて、ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター等ジャズ黄金期の名曲を集めて好演。変拍子アレンジにも果敢に挑戦した、懐かしくも現代的なジャズ・アルバム。
「日本人のおっさん主体のコンボが名曲を演奏したアルバムは総じてムードだけのクズ作品だらけ」という謎の先入観がなんでかありましたが、本作はそんな嫌な予感を。
- Dolphin Dance (Herbie Hancock)
- The Sorcerer (Herbie Hancock)
- F.S.R. (Ray Brown)
- Tell Me A Bedtime Story (Herbie Hancock)
- The Midnight Sun Will Never Set (Quincy Jones)
- Fee-Fi-Fo-Fum (Wayne Shorter)
- Sugar (Stanley Turrentine)
- Peace (Horace Silver)
- Joshua (Victor Feldman)
- Nardis (Miles Davis)
- 佐藤 節雄/Setsuo Sato(drums)
- 石川 広行/Hiroyuki Ishikawa (trumpet,flugelhorn)
- 宮地 スグル/Sguru (tenor, soprano sax, flute)
- 早川 由紀子/Yukiko Hayakawa(piano)
- 小林 航太朗/Kotaro Kobayashi (bass)
選曲が好みです。'60年代、アコースティック系のJazzがいったん限界に達した時期の名曲集。元が限界ゆえに無計画にぶつかると劣化にしかならず世界中のミュージシャンがあれやこれやの手をつくして限界突破を目指している、とかなんとか。『The Sorcerer』『Joshua』がいい味を出している。
→第一印象:3.3(5点満点)
【A Mirage In The Sun】 MONOEYES
J-Pop。元ELLEGARDENの細美武士の新しいバンドMONOEYESの1stアルバムしょん。ELLEGARDENを日本が世界に誇るキング・オブ・ポップだと推挙してやまない当ブログですしょん。細美武士の前のバンドthe HIATUSは、1stで何がしたいんだろうと疑問符がついて、2ndで何かが芽生えて、3rdで花開いた経緯があるので、きっと本バンドも3枚目ではサイコーかよという傑作を発表してくれると踏んでいるしょん。
→第一印象:2.3(5点満点)
https://itunes.apple.com/jp/album/a-mirage-in-the-sun/id1017331883?uo=4&at=10lqt2【娑婆ラバ】 パスピエ
J-Pop。やった、カワイイ。パスピエの最新作だやった。ただ可愛いだけじゃない、全世界規模のかわいさある。Silent Silenなどもカワイイのだけど、日本ローカルなかわいさなのと対比。nano.RIPEやfhanaを匹敵し凌駕するほどの名作量産機能に磨きをかけての世界規模の以下略。チートであります。チートすぎてどの曲が白眉だとか申し上げられないくらい錯乱してしまいそうですが、ドリアン&和風スケールがふと7188を思い出すけど7188にはない都会派の音ですぐにパスピエへ引き戻される逸品『蜘蛛の糸』が印象的。
→第一印象:4.6(5点満点)
【Pixie Dust*】 Yun*chi
日本の歌手、Yun*chiの最新作。やった、カワイイ。カワイイ勢。1曲目『Lucky Girl*』が完璧すぎて、のちのちの曲が霞んでしまっている感は否めない。全体的な雰囲気はフラットなテクノポップスだけど、『MIRAI*』のようなJ-Pop曲芸的な曲がやっぱりスコ(「スキ」の婉曲的表現)。
→第一印象:3.6(5点満点)
【o1】 SawanoHiroyuki[nZk]
作曲家、澤野弘之によるボーカルプロジェクトSawanoHiroyuki[nZk]のアルバム。「梶浦由記節」というとちょっぴりネガティブな印象になるが「澤野弘之節」というと今のところかなりポジティブ。今のところってのは、慣れたら慣れちゃうかもしれないが今のところ肯定的。「澤野弘之節」がなんぞやとは的確に表現できなくてもどかしいが、洋楽的っていうのかしら。にしてもご覧のブログのラインナップを見ていただければ一目瞭然の通り洋楽のポップスというものはマイケル・ジャクソンくらいしかわからないので完全にあてずっぽーで言っています。
具体的には、J-Popのような職人的・曲芸的な曲展開がほとんどなく、曲中、統一感のあるムードを保ったまま、パートパートがバチンバチンと切り替わっていくような。段差の大きい『A/Z』『Song of ..
→第一印象:4.0(5点満点)
https://itunes.apple.com/jp/album/o1/id1033429679?uo=4&at=10lqt2【ことの葉の空へ】 吉岡亜衣加
シンガーソングライター、吉岡亜衣加さんの最新作。前作【ひだまりの中で】以来の2度めまして。SawanoHiroyuki[nZk]の後に聴くとコテコテのJ-Popでなごみます。悲しみの藤田麻衣子、喜びの吉岡亜衣加と並び称される(当ブログで)どこか懐かしい感じのするまっすぐで清々しい歌声に。『桜の轍』『蒼穹ノ旗』『蒼き隼が如く』『白き誓い』などゴツいタイトルに象徴されるRPGっぽい曲と、そのほかの爽やかな曲の対比でマンネリ感もなく味わえます。
→第一印象:3.5(5点満点)
イカ、ジャンソーネ!!