2015年1月頃に聴いたやつ(後編)Avishai Cohen Trio/山下洋輔トリオ/Bill Evans/Gretchen Parlato/PTF/Trident/金元寿子/TRUSTRICK/東京カランコロン/松下/平野公崇/ALI PROJECT/凛として時雨/和泉宏隆 & 須藤満 HIROMITSU/Marilyn Manson/the band apart
前半の続きです。
もう2月も半分すぎたので、2月前半編も書ける季節に…。
- 『From Darkness』Avishai Cohen Trio ★おすすめ★
- 『イン・ヨーロッパ 1983-complete edition-』山下洋輔トリオ+1
- 『Autumn Leaves(1969)』Bill Evans
- 『Live In NYC』Gretchen Parlato ★おすすめ★
- 『What Is Constant』PTF
- 『Blue Snow』Trident ★おすすめ★
- 『Fantastic Voyage』金元寿子 ★おすすめ★
- 『TRUST (Type-A)』TRUSTRICK
- 『UTUTU』東京カランコロン
- 『松下が二次元に恋する15の理由』松下
- 『平野公崇 ミーツ クリヤ マコト ジュラシック』平野公崇/クリヤ・マコト
- 『Violetta Operetta』ALI PROJECT
- 『Best of Tornado』凛として時雨
- 『6 on 224』和泉宏隆 & 須藤満 HIROMITSU
- 『The Pale Emperor』Marilyn Manson
- 『謎のオープンワールド』the band apart
主要作
『From Darkness』Avishai Cohen Trio
イスラエルのジャズ・ベーシストAvishai Cohenのトリオ作品。トリオ作としては『Gently Disturbed』が2008年なのでだいぶお久しぶり。あいも変わらずの超絶書法で書かれた曲を超絶技法で難なくこなしていく頭のお菓子な曲のオンパレード。それはそれで最高の好物ですが、もうちょっとピアニストの即興力を聴いてみたかったという心残りもあり。思い返せばAvishai CohenがChick Coreaのトリオ作に若手のホープとして参加した『[asin:B00BI82F2O:title]』も作曲性の高い作品でしたな、と謎の因果応報を感じている。
[asin:B00TGNJ1WK:detail]
https://itunes.apple.com/jp/album/from-darkness/id958993570?uo=4&at=10lqt2
→第一印象:4.6(5点満点)
今や押しも押されぬスーパースタードラマーとなったMark GuilianaとShai Maestro(さんについてはフォローしてないのでよくわかってないです><)とのトリオで作られた前のトリオ作『Gently Disturbed』未聴のおかたはこちらから是非ぜひゼヒ。
https://itunes.apple.com/jp/album/gently-disturbed/id831152257?uo=4&at=10lqt2
[asin:B00IQ3NESS:detail]
『イン・ヨーロッパ 1983-complete edition-』山下洋輔トリオ+1
ピアノを燃やすでお馴染みのJazzピアニスト、山下洋輔さんの'83年ライブ音源。
“山下洋輔トリオ”として最後の、“山下洋輔トリオ+1”で唯一のアルバムを初CD化。1983年7月8日、ドイツ“ハイデルベルク・ジャズ・ターク”の実況録音。山下の壮絶なピアノ・プレイと武田和命、林栄一の火を噴くようなダブル・サックスの競演!LPでは部分収録だった「パンジャ組曲」をフル尺で収録。さらにLP未収録曲を追加した完全盤。
フリーだけどフリーキーじゃない。アナーキーだけどなんとかじゃない。となんかうまい言い回しができないものかと考えさせられた。つまり好演。あそこのユニゾンのフレーズは1拍の2:3分割じゃないか?などと「今」風の耳で聴いても楽しめる。
→第一印象:3.7(5点満点)
『Autumn Leaves(1969)』Bill Evans
Bill Evansトリオ(Eddie Gomez & Marty Morell)の'69年ヨーロッパ・ツアー(イタリア)でのライブ録音。地元のレコード屋の店主がお勧めしてくれて、そこのしっかりしたスピーカーで聞かせてもらった時は「おおー」ってなったけど、自分のそうでもない環境で聞き直すと、元がモノラル音源ということもありちょっと気になってしまう。演奏自体はこのトリオの初期をとらえた好演だけに。
→第一印象:3.2(5点満点)
『Live In NYC』Gretchen Parlato
2014年の話題作をちょっと遅れ気味に。ジャズ・ボーカリストGretchen Parlatoのライブ音源。クラシックもジャズもボーカルものは宗教的な理由で避け続けているのだが、もうこれにはぐうの音も出ない。ぐぐぐぐぐっ。先のAvishai Cohenで話題に出した今や押しも押されぬなドラマーMark Guilianaの参加曲(1,3,4,5,6)に注目したい。
これよ。Miles Davisとカルテットをやってた時のHerbie Hancockとにた類の殺気。
[asin:B00GTJ10DW:detail]
https://itunes.apple.com/jp/album/raivu-in-nyuyoku-shiti/id742036625?uo=4&at=10lqt2
→第一印象:4.8(5点満点)
『What Is Constant』PTF
Amazon Musicの新作にあがってきたのを視聴してみて面白そうだったからゲットしてみたけど、この人達は誰なのかしら。日本人なのか海外勢なのかもわからぬまま。
09年に結成されたヴァイオリン奏者の高島圭介を中心とする日本のプログレ・バンド。高く評価された13年のデビュー作と同じく、フランスMUSEAレーベルから世界配給される15年の2ndアルバム。日本的な「ワビサビ」も感じさせる詩情豊かにむせびなくフレーズから、高らかに伸び上がって行くスリリングなフレーズまで圧倒的な表現力を聴かせるヴァイオリン、そして、ヴァイオリンに負けじと叙情的なフレーズからU.K.ばりのテンションみなぎるフレーズまで炸裂するキーボード。リズム隊が生むハードなダイナミズムも魅力で、まるでジョン・ウェットンばりのズシリと重いトーンのアグレッシヴなベースによるリズム隊によるライヴ感もまた特筆です。「ワビサビ」なパートでのクラシカルで流麗なピアノも絶品。10分を超える大曲での「静」と「動」がダイナミックに対比した構成も見事だし、ワールドワイドなクオリティを持つヴァイオリン・プログレの傑作!
[>『PTF / WHAT IS CONSTANT』 (MP3221)|プログレ&世界のオールド・ロックCD通販カケハシ・レコード>]
ワオ。相変わらずカケハシさんは大げさにモノを言う!「ヴァイオリン・プログレ」なるサブジャンルは初耳。
BONDAGE FRUITにしてもROVOにしても、電気ヴァイオリンの音は物足りない。生でいいじゃない。電気ならではの電気でしかできない魅力が今のところ聞き出せないから。
それはさておき、全体的に平坦な印象はあるものの、長尺、変拍子、演奏技巧とプログレがプログレたる三拍子はしっかりと取り揃えておられます。
→第一印象:3.5(5点満点)
『Blue Snow』Trident
アニメ番組「蒼き鋼のアルペジオ」の演者(イオナ(CV:渕上 舞),タカオ(CV:沼倉 愛美),ハルナ(CV:山村 響))によるユニットTridentの2作目。前作『Purest Blue』に引き続いて「なんか好きでたまらない」のがこれ。テクノアレンジで中性的(短調/長調的な意味で)な音楽はよいものです。歌手も。特に沼倉さん!
[asin:B00RZX9GEG:detail]→第一印象:3.7(5点満点)
『Fantastic Voyage』金元寿子
発売は2014年。2014年とは思えない絶妙な古臭さというかここちよいダサさというか三重野瞳さんの頃といいますか、癖になる音楽。
→第一印象:3.9(5点満点)
『TRUST (Type-A)』TRUSTRICK
今や一流芸能人の仲間入りを果たしたと言っていい神田沙也加さんのユニットTRUSTRICKのアルバム。
神田沙也加は紅白であんな感じで歌を歌い、パレードにも出ているのに次にリリースするのはガチのアニソン。声優としても参加。完全に親の庇護から抜け出した感を感じると同時に、間違いなくタレントとしての格は上がってるのに、そんなことお構いなしに深夜アニメ界隈を主戦場にしようという心意気、こいつ本当にそこが好きなんだなあ、という気持ちにもなる。自力でそういうポジションを掴み取った彼女に心からのリスペクトを。
2015-01-23
ほんとそう。(以上であります)
→第一印象:3.1(5点満点)
『UTUTU』東京カランコロン
はじめまして。多彩な曲調、サウンド、ポップさ、伝統的なJ-Popさからボカロ曲っぽさまで幅広く高い品質で取り揃えておられます。男子が歌ってる曲があるけど、ぜんぜん不快じゃないし。
→第一印象:2.7(5点満点)
『松下が二次元に恋する15の理由』松下
初めまして。ニコニコ動画の「歌い手」松下さんのアルバム。おいたん、もうなかなかついていくの大変なというかぜんぜんついてゆけないジャンルになりつつあるけど、あえて、がんばって食いついていくのも老(害)化防止になるんじゃないかとちょいちょいトライしておりますこの界隈。さて、本作では、ぼやーっと聞いていてひときわ耳を奪われた「渋谷801」が良かったです。
→第一印象:2.3(5点満点)
『平野公崇 ミーツ クリヤ マコト ジュラシック』平野公崇/クリヤ・マコト
初めまして。クラシック寄りのサックス奏者である平野公崇さんと、ジャズ・ピアノストのクリヤ・マコトさんによる。クラシックとジャズのいいとこどり、というほどの融合は果たせずそれぞれ持ち寄ったネタにそれぞれ寄り添ったといった印象。ここらへん難しいと思います。どういうスタンスで聴いていいのか、という此方側の問題として。
→第一印象:2.2(5点満点)
『Violetta Operetta』ALI PROJECT
蟻プロが全然ピコピコしてない!と思ったら、petit miladyのシングルがいつもの蟻プロだったので、バランスってやつですか。
あれですね、万人にわかりやすく例えるとPOPOL VUHにおける『Hosianna Mantra』みたいな位置づけですね。プログレばんにん。
→第一印象:2.7(5点満点)
その他もろもろ
『Best of Tornado』凛として時雨
凛として時雨、そしてTKさんのソロ作については一貫して好意的に評価して聴いてきました、などと思って、もはや8年前『#4』を聴いた時のエントリーを見返したら以外に辛口でおどろいたり。
記憶は書き換えられるものですなあ。ははーん。
『6 on 224』和泉宏隆 & 須藤満 HIROMITSU
日本を代表するフュージョン・グループThe SQUARE〜T-SQUAREの全盛期を共に支えた、和泉宏隆と須藤満によるスーパーデュオ。須藤満は6弦ベースに特化した多彩でメロディアスなベース演奏で和泉のピアノとからみあい、優しく広がりのあるサウンドを創出。「ひろみつ」として長年ライブ活動を経て、満を持して遂にCDデビュー。
SHIGEKI、SHIGEKI、刺激がほしくてたまらんの。のに癒し系でした。
『The Pale Emperor』Marilyn Manson
Marilyn Manson氏の最新作。『Antichrist Superstar』('96年)でお目にかかって以来、微かに密かに確かに聴き続けているマンソン氏。音楽的な面白みを感じられなくなってしまったので、もうマンソン氏が如何に老いてゆくかという点のみが残された興味です。
https://itunes.apple.com/jp/album/the-pale-emperor-deluxe/id935546130?uo=4&at=10lqt2
『謎のオープンワールド』the band apart
初めまして。坂本真綾さんの曲『Be Mine!』がとてもよく、その曲を提供したthe band apartというバンドがあるらしいと知って、ではそのバンドを聞いてみようきっと良いものだからと聴いてみたところ、そうでもなかったです。
そんなんじゃあああねええ。