《Hafa Adai》井口裕香/《好きっ》三森すずこ/《4 colors for you》sphere/《股関節脱臼》デッドボールP/《☆》佐藤聡美/《鬱くしい国》アーバンギャルド
性懲りもなくJ-POPを継続して聴いている2014年度でございます。
かつて
ファイル(物理)の中の存在
http://derutcarf.tumblr.com/post/92330644999
ファイルの中の存在
んだったわたくしが、そのまま十数年を経過した現在の姿がこちらになります。
- 《Hafa Adai》井口裕香 ★おすすめ
- 《好きっ》三森すずこ
- 《4 colors for you》sphere
- 《.htm》吉田仁美
- 《股関節脱臼》デッドボールP
- 《☆》佐藤聡美
- 《鬱くしい国》アーバンギャルド ★おすすめ
- 凡例
- 《アルバム名》
- 『曲名』
- 【アーティスト名】(敬称略)
- [番組名]
《Hafa Adai》井口裕香
- 声優家業【井口裕香】さん1stソロアルバム。
- とある店頭でふっと見つけてふわっと買ってみたやーつ。
- 1stシングル『Shining Star-☆-LOVE Letter』でなんじゃこれはと後方30度に仰け反ってずっこけかけ、2nd『Grow Slowly』であらいいじゃないこういうのまってたのよと前方20度前のめりになり、3rd『rainbow heart rainbow dream☆』で直立不動の真顔になった経緯を経て頭痛が痛めながらのアルバム。
- 結論を言えば、これはかなりのお気に入り盤。
- 冒頭3曲のリップサービスを経て佳曲『Grow Slowly』でしっとりした気分になったところの『rainbow heart rainbow dream☆』は組み合わせの妙で単独で聴くより映える。ベタなバラード『夕立セレナード』でまた真顔に戻ったところで『ポニーテール』に不意をつかれる。perfumeのアルバム《GAME》で『シークレット・シークレット』を聴いた時のあの感じ。
▼140709発売_井口裕香_1stアルバム「Hafa Adai」ポニーテール 試聴 - YouTube
- そしてアレンジし直された『Shining Star-☆-LOVE Letter (Summer ver.)』である。断然良いアレンジ。『Grow Slowly』を挟んだシングル曲が人つながりになった。昔から、シングル曲がアルバムで「リミックス」版となり、劣化させる手法にはうんざりし続けているだけに。
- でもって本アルバムのリードトラック『Open sesame!』サビの「おっぱっぴー」のリズムで「ファドファー」というメロディは何年ぶりに聴いただろう、記憶ないくらい。よいものですね。
▼140709発売_井口裕香_1stアルバム「Hafa Adai」Open Sesame! 試聴 - YouTube
- 3拍子の曲もなくっちゃねの『Twinkle Twinkle』はサビ末尾のコードが素敵。うっすらメロトロンの音色が聞こえますしね。もうすっかりアルバムが終わった気分でいたところでダメ押しの本命曲『キミのチカラ』の幸福感。日本の歌曲の歌詞を原則的にまったく「意味」として捉えない聞き方をしている(後述するデPでさえ歌詞について一切触れていないほど音楽において歌詞を意に介さない)アタクシがついに歌詞カードに手を伸ばさせられる。
▼140709発売_井口裕香_1stアルバム「キミのチカラ」試聴 - YouTube
- というわけで、声優家業の人が「アーティストデビュー」した最初のアルバム、では近年ベストなお気に入りになりました。音楽として1曲1曲がさほど強烈ではないにもかかわらず。
→第一印象 4.5/5.0
《好きっ》三森すずこ
- 声優家業の【三森すずこ】さんの1stソロアルバム。
- 三森すずこさんといえばアヴァンギャルドな怪作アニメ番組[ぐだぐだフェアリーズ]の「ピンク役」という認識でした。
- その三森さんが「アーティスト活動」開始ということで、1stシングル《会いたいよ...会いたいよ!》からマスターピースになるような名曲。2nd《約束してよ?一緒だよ!》もまたしかり。なにげに2枚とも初回版CDで買うという普通のファン活動をしていたものの、CDに付属しているちょっとした「ライトノベル」を全然読まないし、な……と3rdシングル《ユニバーページ》と本アルバムはAmazon MP3で買うに至りました。
- そんな快進撃を続けたシングルの勢いをそのままにアルバムができあがっていて好盤と言わずしてなんと言おうというやつです。マッチョな歌声(鼻濁音の使い分けや「を」の発音など)と彼女のキャラクターを全面に押し出した多幸感と失踪感に溢れた楽曲群には脳筋がアブクラッシュされて脳が6つに割れてしまいそうになる。特に《会いたいよ...会いたいよ!》はヘッドンホホやイヤホホを聴き比べる時のリファレンス音源の一つにしてしまうほど。
旧来のメイン、新入荷のサブ、新入荷のアウトドア用のフォンを聴き比べて楽しんでいるところ。リファレンス音源はMiles Davis「So What?」花澤香菜「flattery?」菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール「Voodoo / Fruits & Sharks」
— ふらくやん (@derutcarf) 2014年6月27日
あと三森すずこ「会いたいよ...会いたいよ!」
— ふらくやん (@derutcarf) 2014年6月27日
▼三森すずこ 1stSG「会いたいよ...会いたいよ!」ミュージックビデオ(short ver.) - YouTube
▼[三森すずこ 2nd single「約束してよ?一緒だよ!」ミュージックビデオ(ショートVer.) - YouTube
→第一印象 4.0/5.0
《4 colors for you》sphere
- 声優4人組ユニット【sphere】の4thアルバム。
- 4人組という特性を活かした、アップテンポでスピーデイな曲を、かわるがわるめくるめく歌いつないでいく連続攻撃が格闘ゲームのコンボのように決まる曲は本当によいものです。あまりにめくるめくすぎて、特別な声を持っている豊崎愛生さん以外は、瞬間的にぱっと誰がどの声か判別できないのだけれど。
- せっかく複数人数揃えているのに「ずっとユニゾン+ゆったりとしたバトンタッチのソロ」ではあまりにチームを組んでいる意味がないじゃない。コンボ攻撃じゃなくって、ハーモニーで攻めてくるのが【Kalafina】で、二台巨塔とよんで差し支えないでしょう。後者は、梶浦由記さんの曲にムラがあるのが弱点かしら。
- めくるめく度が高いのは2曲め『Sticking Places』。こいつはめくるめくぜ!と最初に絶頂したかつての『HIGH POWERED』に迫る良曲。
- シングル曲『GENESIS ARIA』はいままでにない曲調で「こういうこともできまっせ!」とそこらへんのニッチを食べていたアイドルユニットを蹴散らしていくかのよう。展開もてんこもりでとても贅沢な曲。
- 前作《Third Planet》の『虹色の約束』にあたるミドルテンポでぐっとくる曲が見つけられなかったのがちょっと残念か。
→第一印象 4.0/5.0
《.htm》吉田仁美
- プリキュアシリーズの主題歌などでお馴染みの歌手【吉田仁美】さんの1stアルバム。
- sphereのアルバムを聴いて正直ちょっと疲れてしまった状態で引き続きこのアルバムを聴いているところ。
- ふるきよき、といってよいのか分からないけど、ちら方面の、近年の超スピード超展開な音楽に慣れて染まった耳で聴くと、ゆったりとした時間ゆったりとした展開、そして吉田さんのノビハリのある丁寧な歌声のマッチングでとても気分が落ち着きます。
- コーラスワークとDメロの展開がよい『そばにいられるだけで』、昔懐かしい雰囲気の『ERASE』が印象的。
→第一印象 3.5/5.0
《股関節脱臼》デッドボールP
- ボカロP【デッドボールP】の2ndアルバム。1stは未入手なのでCDでははじめまして。
- ボーカロイドといえば、初音ミクのリリース当初まだほとんどパッケージ一枚絵のカバー曲動画が主題だった頃にプログレ歌わせてる人はいねーか?とチェックし始めたのをきっかけに、だいたい『サイハテ』が流行っていたころまで、ニコニコ動画の「音楽」カテゴリーを日々豆にチェックする程度にヘビーリスナーでした。その後、特別きっかけがあるわけでもなく自然に聞くのをやめてしまいました。今思えば、今ほどウケる曲のパターン化・収束する以前の明瞭期百花繚乱いちばん美味しいところをいただけたのではと思います。
- と、そんな明瞭期の中で、ひときわな異彩を放っていたのがこの【デッドボールP】でした。テクニカルなフュージョンにEL&Pとケンソーをブレンドしたような、プログレとはちょっとちがうプログレッシブな曲調にたいそうしびれたものでした。と、いうのは1曲め『LOVEDOLL OF NOBODY』についてのピンポイントな印象だったかもしれません。
▼初音ミクのオリジナル曲 LOVEDOLL OF NOBODY -Full ver.- - ニコニコ動画
▼Kenso Sacred Dream Japanese Progressive Rock - YouTube
- そんな思い出補正で強化しつくされた往年の楽曲群と比較すると「おとなしめ」なアルバム。アイディア一発勝負、1分未満の小品をたくさん挟み込むスタイルは贅沢であり羨ましくもあり。
→第一印象 3.5/5.0
[asin:B00L51LTXK:detail]
https://itunes.apple.com/jp/album/gu-guan-jie-tuo-jiu-loves/id885708251?uo=4&at=10lqt2
《☆》佐藤聡美
- 声優家業の【佐藤聡美】さんの1stソロアルバム。
- 佐藤聡美さんといえば、アニメ[氷菓]のヒロイン役という認識でした([けいおん]シリーズも見ていたけれど、当時は演者について関心がなかったため)。ので、1stシングル『ミライナイト』を聴いた時は、その先入観とのギャップにえらく驚いたものでした。
- バンドサウンドを中核にアレンジされていて、少し懐かしい香りがするのは2000年初頭の日本のオルタナ系バンドを思い出すからか。汚れた感じのギターの音がところどころで聞こえるのが声優家業の人のアルバムには珍しい。『さよならギャラクシー』や『魔法のようなもの』
- 『You Know』のイントロを聴いた懐かしさは、ゲーム「F-Zero GX」の『プリンシアのテーマ』を思い出したから。
▼-36- Princia Ramode F-Zero GX|AX Pilot Themes (HQ)
- 最終曲は『ミライナイト』のスタジオライブ版。良い意味で雑なバンド演奏に、意外にしっかりとしたボーカル。シングル盤『ミライナイト』を最初に聴いた時は、ぎりぎり危うさの美しさみたいなのを感じていたのだけど、実際は危ういどころか安定感抜群でした。願わくば、シングル版はシングル版でアルバムに収録して頂いて、ボーナストラック的にスタジオライブ版であればと。『魔法のようなもの』が中間フック、最後に『ミライナイト』で収まりがよかったなあと思いました。
▼佐藤聡美 ミライナイト Short ver - YouTube
→第一印象 2.5/5.0
《鬱くしい国》アーバンギャルド
- はじめまして。3rdアルバムだそうで。
- 鬱くしい歌を歌うバンドの歌を聞くと思い出すのが【キューソネコカミ】。で、そんなとき常々思ってしまうのが「キューソネコカミの歌は窮鼠に届くのか、キューソネコカミの音楽を消費しているのは猫じゃないか問題」というやつ。これは、窮鼠を救済しようなんて思ってないし!と言われてしまえばそれまでなのでこれ以上は考えないでおく。同様に、アーバンギャルドが鬱くしい人に何かを届けようとしているのか知らないのでやはり思考を停止しておく。
- キューソさんと比較して、まず、ボーカルが女子!これで決定的にアーバンさん加点。正直、日本人男子の歌なんて聞きたくないですしソッチのケないですし。だから『戦争を知りたい子供たち』で男子がメインで歌い出した時はコロすぞと思いかけたけど、曲が良かったのでプラマイゼロ。加えて、バンド編成だけどバンド編曲にこだわらず、ピコピコもロボロボもワッブルワッブルもワッフルワッフルも散りばめられてよいです。
- 【Queen】の『Bohemian Rhapsody』を模した小刻みに曲調が変化する『R.I.P.スティック』が白眉。後半のピコピコはすわ、【Heldon】が始まったか!とひととき興奮してしまった。組曲風に構成した時に、Queenに聞こえるかGenesisに聞こえるかの違いはなんだろうなあ、と思いを馳せながら。パートを倍に増やして25分に拡大したらGenesisになるかな?
▼[MV]アーバンギャルド「さくらメメント」(6/18発売「鬱くしい国」より) - YouTube
→第一印象 4.0/5.0
最近のJ-POPはほとんど全部Amazon MusicかiTunesなどからダウンロードしているなか、今回は珍しくCD現物で手に入れたのが多かったので記念写真的な。
そんじゃーねええ!!