「A Dramatic Turn Of Events」Dream Theater
プログレメタルの雄、ドリーム・シアターの最新作。2011年製。第一印象「★★★」
ジョン・ペトルーシと共にドリーム・シアターのツートップとして君臨してきたドラムのマイク・ポートノイが脱退し後任マイク・マンジーニ加入後のアルバムということで、いったいどうなってしまうのだろうとわくてかしていた作品。マイク・ポートノイが脱退したパワーダウンも、新メンバー加入による変化もあまり感じられない、よくいえばいつも通りの作品。
ドリーム・シアターは、アルバム『Scenes from a Memory』以来、真後ろを向いてずっと停滞している印象がある。
- ボーカルパートがおもしろくない。
- 頼みのインストも「Scene Seven: The Dance of Eternity」以来変わり映えしない。
- ギター/キーボードソロパートがごりごりしたリフの上でだらだら弾くみたいなパターンが多くてげんなり。
- 『Images And Words』の時みたいに、ソロっていうかバンド全体がソロっていうかもうなんかすごい!と錯乱してしまうような威力がない。
- イントロは新しい試みだけどメインリフが入ったらいつもの通りでがっかり多い。
- 個人的にジョーダン・ルーデスのキーボードサウンドが苦手。
という感じで。
そういう意味で言うと、後ろ向きに引っ張る強力な引力を持つメンバーが抜けて少し身軽になり、斜め後ろ向きくらいに前へ転じる予兆みたいな部分部分を垣間見られたところはよかった。
- ボーカルパート→あまりかわらず×
- インスト→「Outcry」や「Breaking All Illusions」は面白かった。○
- だらだらソロ→目立ったのは「Bridges In The Sky」の後半くらい!◎
- イントロがっかりパターン→あきらめます△
- ルーデス→そこのフレーズいいよいいよ!てシーンがちらほら○
という感じで。第一印象だけど、『Scenes from a Memory』以来ではいちばんよい具合かも。
一番お気に入りの曲は「Breaking All Illusions」です。
Rushもびっくりなすんごいポップだけど無理矢理変拍子をねじ込んでくるイントロで思わずフいてしまいぐっと心をつかまれる。動画5'02からインストパート。ここに交互に3回出てくるルーデスが古き良きプログレのエッセンスをにゅるっと出てきて鼻血が出そうになる。30秒足らずのここだけでアルバム買った元はとれる。丁寧なギターソロパートを挟んで、何度もりぴーとしながら つたたつたたつたつたつた つたたつたたつたつたた と数えずには居られない変拍子病発病者爆釣りのインストからエンディングへと流れ込んでゆく。いいね!
つきなみだけどイントロの感じは「limelight」で、
この7拍子を聴いて思い出すドリーム・シアターの曲は『[asin:B0026J8LHM:title]』の「The Best Of Times」で、「limelight」に並ぶポップな7拍子の傑作じゃないかと思っている。
1:10からいつものつまらないボーカルに入る2:17までの1分間は、ドリーム・シアター全作品の中でもかなり好きな部位。
という感じで。
次作に期待。
という感じで。