「Dark Side Of The Moon」Pink Floyd
今日聴いた音楽。'73 年、英国製。ストーリーとしては、http://d.hatena.ne.jp/fractured/20070804/1186248273の続き。
NHK BS で押井守を大特集して1日3本も映画を流しまくってるのを今夜も観る。イノセンスがとても良すぎてびっくりした。それが本作の主題じゃないとしても人間の本質とはなんぞやと生と死とを考えさせられる作品は好きだ。そんなときにぴったりなアルバムが、こちら。
Pink Floyd - Dark Side of the Moon
本作はアメリカのビルボードチャート200位(The Billboard 200)以内に15年(741週間)に渡って、またビルボードのカタログチャート(発売2年を経過したアルバムのみのチャート)では28年以上(1530週以上)に渡って(2007年現在も記録更新中)ランクインするというロングセラーのギネス記録を打ち立てた歴史的なアルバムである。キャッシュボックスでは233週、UKオフィシャルチャートでも354週に渡ってランクインしている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8B%82%E6%B0%97_%28%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%A0%29
桁外れの数値がこのアルバムの魔力を物語る。あんまりオラが物語っても説得力ないなと思って数値を出してみました。なんか物語るとしたらどんな感じかなと箇条書きにしてみた。
- 絶妙なる死と狂気のスパイス。
- 会話、鼓動、時計のベル、レジスターなど現実音の巧みな使用。
- アラン・パーソンズによる音響。音響「派」とか派閥組んでお互いのペニーを舐めあう必要なんてない。
- 「当時」のシンセを随所に使った「当時」の音なのに不思議と古びていない。*1
- 「一人だけ妙に巧い」ギター。
- シド・バレットの影。
まあ、このあたりはてきとうにぐぐって(Google などで検索すること)くださいってこった。なにはともあれ、歌詞も音楽も脳の皺の一本一本まで染み入りて月の裏側に逝けちゃいます。だまされたと思って、ではなく、だまされるまで聴く音楽。本作に限らず、ピンクフロイドの諸作を嗜む上で座右にはぜひ「ピンクフロイド詩集」を。このアルバム以上の音楽に出会う余地を1点だけ残しておく。
お気に入り度:99点
音源
「time」
序盤の聴き所。冒頭の時計の音ラッシュは、知っていてもいつもびっくりさせられる。歌詞の味わい部かさが絶品。
刻々と退屈な一日の時が過ぎてゆく 無造作にけだるい時を過ごす おまえは若く、先は長い、そして時間はたっぷりある そしてある日突然10年が過ぎ去ったことに気づいた 誰も走り出す時を教えてくれなかった スタートの合図が聞こえなかった 走って走って太陽に追いつこうとしても、太陽は沈んで行く そして後ろから回ってきておまえに追いつくんだ 太陽は相対的に同じだが、おまえはそのぶん年とった きのうより息が切れて一日死に近づいた 年ごとに一年が短くなり、時もどんどん無くなってゆく 計画が無になったり、せいぜい半ページの書きなぐりで終わったり・・・ 静かに必死に耐えるのがイギリス人のやり方だ 時は過ぎ去り歌は終わってしまった もっと言いたいことがあったと思ったのに・・・http://ameblo.jp/risa3/entry-10021495117.html
「Brain Damage」〜「Eclipse」
クライマックス。ここを聴いているといつも、左半身がびりびりと痺れる。たとえ話じゃなくって現実に。
エンディングでは、Gerry O'Driscollによる「There is no dark side of the moon really. Matter of fact it's all dark(本当は月の暗い側なんて存在しないんだよ。何故なら、すべてが闇そのものだからね)」という台詞(つまり、実際は何もかもただ「明るい」のは「ただ太陽の光が当たっているだけ」で「暗い側」も「明るい側」もないということである。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8B%82%E6%B0%97_%28%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%A0%29