2017年6月に聴いた:岡崎体育/Roger Waters/Andrew McCormack/Elder/Fabian Almazan & Rhizome/Rebecca Trescher & ENSEMBLE 11/山中千尋/Re-Trick/Avi Avital & Omer Avital/福井ともみトリオ/J.A.M/Ambrose Akinmusire/Hanging Hearts/Enji/Brandon Seabrook/King Crimson/野崎良太 with GOODPEOPLE/Br
ぶんぶんはろーハテナブログ。げんざい2017/09/02。6月下旬に書かれたと思われるテキストは以下の通りである。
6月ぶんをちょこちょこ書いている現在、まだ3月ぶんも完成しておらず、6/10チェックぶんのJazz新婦がやたら豊作で、新婦が少ない週ならとりあえず採用しとくかレベルの作品も予選落ち(試聴段階でパス)を出さざるを得なかったのがつらみであります。
以上です。
8月分までほとんど書き上げてはいるのですよ聴いたその日に感想は書くってルーチンがいまのところシゴトが暇で継続できているので。アルバム1作ごとに1エントリーあげればほぼ毎日更新できるって話です。が、そこらへんをめぐるエトセトラはまた別の機会に。
- 【XXL】 岡崎体育
- 【Is This the Life We Really Want?】 Roger Waters
- 【Graviton】 Andrew McCormack ★オススメ★
- 【Reflections of a Floating World】 Elder ★オススメ★
- 【Alcanza】 Fabian Almazan & Rhizome ★オススメ★
- 【Floating Food】 Rebecca Trescher & ENSEMBLE 11 ★オススメ★
- 【モンク・スタディーズ】 山中千尋 ★オススメ★
- 【Epoch】 Re-Trick
- 【Avital Meets Avital】 Avi Avital & Omer Avital
- 【ライジング・ラヴ】 福井ともみトリオ
- 【Silent Notes】 J.A.M
- 【A Rift In Decorum: Live At the Village Vanguard】 Ambrose Akinmusire
- 【Into a Myth】 Hanging Hearts
- 【Mongolian Song (with Johannes Enders & Billy Hart)】 Enji
- 【Die Trommel Fatale】 Brandon Seabrook
- 【Heroes】 King Crimson
- 【GOODPEOPLE】 野崎良太 with GOODPEOPLE
- 【Coltrane Raga Tribute】 Brooklyn Raga Massive
- 【Common Ground】 B.J. Jansen
- 【Odalisque】 Spike Wilner Trio
- 【ノイズ】【アレグロ】【カナリヤ】 ニノ(CV.早見沙織)【FALLING SILENT】 深桜(CV.高垣彩陽)
- 【The Elements Of King Crimson: 2017 Tour Box】 King Crimson
- 【TVアニメ『けものフレンズ』オリジナルサウンドトラック】 立山秋航
- 【My LIVE】 沼倉愛美
- 【何度でも新しく生まれる】 MONDO GROSSO
凡例
- 第一印象点はだいたい1.0(そっとじ)、2.0(いまいち)、2.5(ふつう)、3.0(よい)、4.0(とてもよい)、4.5(傑作)みたいなフィーリングです。×20するとBurrn!誌の点数感覚に類似です。
- 文章中で突然個別楽曲に「点数」と言い出したら、10点:傑作、3点:かなりよい、1点:なかなかよい、0点:よい・ふつう・よくない・わるい・☓☓☓です。最近は「よい」を0.1点にしようかと思ってます便宜的に。
- オススメ印はシェフが気まぐれているとお考えください。
【XXL】 岡崎体育
https://itunes.apple.com/jp/album/xxl/id1235498272?at=10lqt2
J-Pop。岡崎スポーツ選手の新作。本ブログ的には2作目。
2曲め『感情のピクセル』(以下、カ)は、前アルバム収録の『ミュージック・ビデオ』に引き続いてインターネットの一部住民に話題になった作品。
「こういう曲」を「本業としているミュージシャン」のファンが怒ったり、「こういう曲」のアンチが「本業としているミュージシャン」に迷惑かけにいったりと、ちょっとした騒ぎになったとかならなかったとか。ことここにここがことって静観の姿勢であった体育氏も遺憾の意を示すなど、そこらへんは詳しく追っていないので以降はすべて妄想でお届けします。
『感情のピクセル』の関連動画として「こういう曲」を「本業としているミュージシャン」を推薦する Youtube の優秀ゆえの出来事かな?と思いつつ
システムが優秀なのか、この記事のように音楽に優秀な人間が「曲はたぶん、まんまこれ。」と連想しインターネットに表明したのを、Google/Youtubeシステムが拾い上げて関連付けたのか...やっぱりシステムが優秀だった。
か(んわきゅうだい)。「「こういう曲」を「本業としているミュージシャン」」などとコピペするのがだるーくなってきたので何か適切な表現はないのかしら。先に挙げた2つのエントリーでも、「こういう曲」を「エモ」だったり「メロコア」だったりで曖昧。「エモでメロでコアなJ-Pop」を略して「エ」とします。今後(正確には現時点で下記途中の3月号以降)、突然「エ」という文字が出てきたら「エモでメロでコアなJ-Pop」の略なのか「エロ漫画先生」の略なのか、ソレ以外なのか文脈から適切に判断するヨーニ!例題:「木村カエラ」と言ったときの「エ」は何を意味するでしょうか?
か。もし自分がエっぽい音楽を作ってみたいなあと、素直に(音楽的創作意欲として)射精したとします。まずは代表的なエっぽい曲をいろいろ聴いてみて、エっぽいサウンドとは、展開とは、コードやメロティとは、と分析して、「エっぽい様式」を抽象化します。その上で、様式に対し、どこまでベタで、どれくらい異物を混入させるかみたいなレシピを考え、具体的に詰めていきます。音楽性は固まった。さて歌詞はどうしよう。歌詞も音楽とは別にエっぽい様式を分析してみますか・・・ふむふむ・・・なるほど・・・(赤面)。まじで?こんなこと真面目に言うの?オデが?いやーむりむりそんな面の皮に勇気がないし超べりーむり着火コンタルコス。ゔぁーすはありそうでなさそうな程度のちょっとギャグ入った歌詞で、コーラスはエっぽい歌詞にありがちなシチュエーションを真逆にしていこう・・・。と、とてもシャイな理由でカが完成します。実物は、音楽はあくまでベタ一辺倒にして、混入する異物としての歌詞という趣。音楽性として異物を混入させるとき、エ本職のベタな音楽に対して、オデこんな要素も混ぜられるオデかっこいいベタ一辺倒なオマイラかっこわるい、みたいな批評性が生じてしまうから、そこらへんは避けておきたい。とか。というわけで、仮想カには、エっぽい音楽を作ってみたい性的衝動をシャイな歌詞で包んだ曲で、悪意とか批評性とか含んでないのに外野があれこれ騒ぎだして厄介迷惑という気持ちしかない。
か。私自身が、週末の新譜チェックタイムで「ふーんなにがしってミュージシャンのなにがしってアルバムが出たのね」とYoutubeで検索かけて出てきたPVがエっぽいやつだったら、左手の中指をぎんぎんにおっ立ててファックと叫び、右手の親指で地獄に落ちろと念じながらヴェルヴェットタッチ(ドラゴンのほう)でブラウザバックするでしょう。関連動画にされてしまったPVを見ても男声キモいという気持ちしかない。かわいい女声だったら真逆だったろうに、とか。正直、そういう生理反応的な心性は否定しようがなく、そこにカのようなパロディとも聞こえる音楽が現れたらこれみよがしに真面目にエしてる人への呪詛を吐いてしまう気持ちもわかる。
か。エ、ソ、ぱ、カ、ち、ひょ、りゃ。というわけ。
続いて『Natural Lips』
ダンス☆マンの自作自演地産地消。もちろん音楽はディスコティック。元ネタがあってそこに空耳をねじ込んでいくのではなく、地球(テラ)耳も宇宙(ソラ)耳も創造しなくちゃいけない自由さと引き換えの難易度よ。水素水を買えばいいですか*1。ベーシストが長身アフロヘアの男だったら効くofパンチなのだけど、だれか調べておいてください。ハードッコイ。
続いて『Horoscope』。コメディ。ふふってなるやつ。ふふっ。ふふってなった後の終盤の展開はネタバレのため言えないのですがそれがもっとあれでこうだったらもっとあれだったのになあと妄想しました。ギャグパートで滑ってもいいよおにコーラスパートではなんか良い事いってる風に対比させるのはコスいぞ体育。よい。言ってしまえば上のDANCE☆MAN『ドーム3個分ってどのくらい?』だってそうなんだんだ。ミラーボール星からやってきてミラーボーリズムシリーズでおなじみのだんすまんさんはモーニング娘。のダンス☆マン三部作『LOVEマシーン』『恋のダンスサイト』『ハッピーサマーウェディング』、続ダンス☆マン三部作『恋愛レボリューション21』『ザ☆ピ〜ス!』『そうだ! We're ALIVE』の編曲で脚光をあびて初期モーニング娘。の伝説を縁の下から迫り上がらせた英傑。
近年だと、こぶしファクトリー『桜ナイトフィーバー』が会心の出来栄えじゃないでしょうか。
と、全曲レビューは以下略とします。ある曲で「風の色が見えていた人」がある時から見えなくなったことが語られる一方、ある曲では「風はなにも教えちゃくれない」とあり、風の色は見えても風は語りかけてこないのかしら I talk to the wind ... Umai, Uma Sugiru。UMAじゃないよバンドだもん。
わーわーゆーてきましたが、ここまでわーわーゆーてきた歌詞的なものは、本ブログの第一印象点の減点/加点対象とはいっさいならないことを再確認させていただきます。
→第一印象:3.5(5点満点)
【Is This the Life We Really Want?】 Roger Waters
プログレ。元P ink Floyd の Roger Waters のソロ作品。
<歌詞は絶対聞かないマン>というキャラ設定でやっている本ブログですが、数少ない例外のひとつが Pink Floyd で、詩集まで買ってるほど。
ピンク・フロイドとは Roger Waters の歌詞×Rick Wrightのサウンドだ。歌詞は一度書かれれば作詞家の手を離れられるが、サウンドは本人しか生み出せない。というわけで、【The Wall】【The Final Cut】は非フロイド的であり(好き嫌いは別)、逆にリックのソロアルバム【Wet Dream】はめちゃフロイドなのでした。なのでしから、リック側が参加しているバンドがピンク・フロイドを名乗ると法的に決着するのも妥当なのでし。という史観はさておき。
<Roger Waters 目線での Pink Floyd>を誠実に表現したような曲、節だねえ。実に節だねえ。編曲、サウンドで、バーチャル(実質的な)David Gilmour がてってけてけてけ的に排除されているのも一興。散りばめられたサンコラ(サウンドコライゾン=サウンドコラージュ)に、ここではどんな偏執的なことを歌っているんだろうと興味津々想像妊娠。Apple Music で聴いているから英詩も対訳もないんだよなあ。
【Graviton】 Andrew McCormack ★オススメ★
https://itunes.apple.com/jp/album/graviton/id1239337048?at=10lqt2
Jazz。5拍子/5連符っぽい構造への終着。こんなん絶対うまいですやんでんねん。わたしが5拍子/5連符が好きなせいでそういうところがすこしでもあると高調されちゃうアレで、実際の拍子/連符はさまざま。様々であることが大切。4拍子/4連符ばかりのポイズネイションな世の中なんで。ミニマルな(ミニマル・ミュージック風な、とはちょっとニアンスがちがう)拍子/連符の進行/不進行にややMAGMAめいた(コバイア語ではない)ボーカルが纏い付くありがたき幸せな音楽。美味しそうなチーズカーキが実際美味しかったような喜び。文句なし。
ではあるが、望外な僥倖がおっとどっこい日本晴れな
→第一印象:4.4(5点満点)
【Reflections of a Floating World】 Elder ★オススメ★
https://itunes.apple.com/jp/album/reflections-of-a-floating-world/id1225547168?at=10lqt2
HR/HM。はじめまして。
じゃっかんのボーカルをはさみつつインストをナリワイとするスタイル。プログレみにあるメタルバンドがもっている、スピーディーなリフとか煌めくソロ的リードフレーズとか、そういう<キレ>みたいのが感じられず、寝起きのANEKDOTENかな?とヤジを飛ばしながらも、逆にアジになっている麺もある。
中尺曲『Blind』の終盤の展開なんかうっかり息を呑んだりしましたイカす。ネタバレになるので具体的には言いませんが。中尺曲というと King Crimson の『Starless』がマスターなピースすぎて、何を聴いてもスターレスには及ばない、みたいな気持ちがワイてしまうのを抑えられるかがキモ。ダメな新曲よりイカした古典、みたいな老害精神。本ブログの「新譜をひたすら聴く」という消費スタイルは老害化との戦いでもあります。アンチエイジング!!!!!
さて『Sonntag』はミニマルでサイケみもありハンマービーツをも彷彿とさせる良いテイク。
『Thousand Hands』続いて5拍子系のリフ音楽を経てボーカルパートに展開するさまは、ドラマティックメタルの教科書的流れでいいじゃないですかと感心したところで激しいパートへなだれ込んでいくのでたまらない。さっきはネタバレになるのでっていいながらこっちで盛大にネタバレていくー(実況者風の口調で)。思わずメロトロン風の音色を空耳してしまいます。感謝します。
前半は風邪気味のANEKDOTENかな?というダルさも、終盤の曲に目を見張るものがあるので、そこらへん手短にまとまったepだったらかなりよかったかも。数少なめのボーカルではありますが、Dream Theater にも増してイマイチというか、なんとなく鳴らしたシンセくらいの存在感しかないのは欠点。Dream Theater もラジオ向けっぽい曲は手堅く仕上げてくるというのに。
「こうなってればよりすこだ…wwwwwになれる」という前向きな物足りなさが出る点で、なんだかんだですこだ・・・・・・・wwwwwなやつ。
→第一印象:4.2(5点満点)
【Alcanza】 Fabian Almazan & Rhizome ★オススメ★
Jazz。はじめましてかしら。
- Fabian Almazan: piano and electronics;
- Camila Meza: voice and guitar;
- Linda Oh: bass; Henry Cole: drums;
- Megan Gould: violin I;
- Tomoko Omura: violin II;
- Karen Waltuch: viola;
- Noah Hoffeld: cello
現代化したレコメン系のようでもあり、暴走した狭間美帆さんのようでもあり、ミナスの濃縮果汁のようでもあり、OFFERING(MAGMA族)の成れ果てでもあるグレートなしろもの。綿密な作曲と派手な即興、めまぐるしい展開とモーダルなモード、重厚なアンサンブルと軽快なコンボの対比やうつろいが理想的なバランス。ポリ@@ティックなリズム感覚もズイショ。<1拍をの3分割だけど3発目がちょい短めなヤツ>を、1:1:1の感性的なゆらぎであろうか意図的な3:3:2または2:2:1であろうかとドギマギするのはとても心地よい。ちかごろ2:2:1派は増えつつある(ってZIPでいってた「ちまたで急増中、5連符系女子にチューモーク」って)もののまだ全体からすると少数派なので頑張って欲しい。
バ(ラード)調の曲で緊張感がいっきに弛緩してしまう場面があるのが唯一の欠点か。あらゆる音楽ジャンルに普遍的に一定数存在するバ。あたしゃバが大の苦手で。音楽をリ(ズム)・メ(ロディー)・ハ(ーモニー)の三要素とした場合でいうと98割リ重視なので、メ+ハにパ(ラメータ)が振られたバは価値が低い。また、歌ものの場合バは歌を聞かせる目的が強く、歌をメ・歌詞・歌唱の三要素とした場合でいうと歌詞にパがパナイので、<歌詞がぜったい聞かないマン>(実際はそんなにカタクナではなく、<音楽の良し悪し好き嫌いの評価に歌詞は含まない>程度のニュアンスだけど、インターネットはキャッチーなコピーで炎上を狙って消耗したほうが東京よりいいっていってたサムワンインマイブレインisノットミー)からすると価値が低い。まだバや演歌をたしなめるほど熟練してないの!かくいう当ブログも青二才なんでね。
→第一印象:4.4(5点満点)
【Floating Food】 Rebecca Trescher & ENSEMBLE 11 ★オススメ★
Jazz。はじめましてかしら。タイトルに「Flo」が含まれれば PHILIP GLASS の『Floe』を思い出すし、「Floating」なんつったら Soft Machine の『The Floating World』が思い浮かぶし、ENSEMBLE 11ときいて『Music for 18 musicians』を連想しない人はいないでしょう。とうぜん、音楽は『Floe』と『The Floating World』と『Music for 18 musicians』をかけ合わせたようなものになると期待しますよね。期待しましょう。本作はその期待にそこそこ応えてくれます。
- Rebecca Trescher: clarinet, bass clarinet, composition, management
- Agnes Lepp: voice
- Anton Mangold: harp
- Hironaru Saito: fl
- Florian Bischof: Cello
- Markus Harm: as
- Konstantin Herleinsberger: ts
- Volker Heuken: Vibraphone
- Andreas Feith: piano
- Max Leiß: double bass
- Silvio Morger: Drums
現代化したレコメン系のようでもあり、近現代音楽のの濃縮果汁のようでもあり、ミニマルの脱構築のようでもあり、MAGMA(OFFERING族)の成れ果てでもあるナイスなしろもの。綿密な作曲と派手な即興、重厚なアンサンブルと軽快なコンボの対比やうつろいがいいかんんじのバランス。と、(このテキストを書いている時点では)上に登場したFabian Almazan & Rhizomeのコピペになってしまいますが、楽器編成がだいぶちがうのでサウンドおよび作編曲上の性格がそれぞれなのでそれぞれ楽しい作品でございます。
→第一印象:4.3(5点満点)
【モンク・スタディーズ】 山中千尋 ★オススメ★
https://itunes.apple.com/jp/album/monk-studies/id1235583741?at=10lqt2
Jazz。山中千尋さんの最新作。セロニアス・モンクの生誕100年をタイミングしての作品。
「エクスペリメンタルジャズ」とかいう用語があるらしく、「ロバート・グラスパーとかみたいに、HIPHOP等のエレクトリック音楽のサウンドや構造や手法やなんやかんやを取り入れた雰囲気のジャズ」みたいなふわっとした貧弱でとらえていたジャズの戦闘潮流を言い表す用語だといいな、と期待してる。そんなエクスペリメンタル系のリズム隊を従えてのリーダ作であります。
- 山中千尋 (p)
- Mark Kelley (b)
- Deantoni Parks (ds)
不勉強 is Meのため、モンクの曲については、カバー演奏を聴いて、ふむふむ原曲をこういじってきましたかふーむ!みたいな評論はいっさいできないことをお断り。漠然としたモンクの印象・先入観があるのみです。オスカー・ピーターソンのように派手でパワフルではなく、ビル・エヴァンスのように優雅で複雑ではないけれど、独特の音響感覚、リズム感覚を持つ不思議マン系ピアニスト。ソンナカンジー
さて本作は、モンクをネタにちょっと近代的な料理を仕立てましたというイージーな代物ではない。きがする。現在におけるモンク性とは何かみたいなやつ。モンクがかつてモードとかジャズの来るべきものの啓示を受けかけていたフシが在るというか、天啓を授ける側としてGODに選ばれかけたフシがあるというか。そういうモンク性がナウ現在に在るとすればそれはいったい何か。未知の来るべきものの形を手探るときエクスペリメンタルな人選は必定というわけか。山中さんなりのモンク性、来るべきモノの模索とはいったい何か!?それは本作を聴いてのお楽しみでありんす。
→第一印象:4.3(5点満点)
【Epoch】 Re-Trick
J-Pop。Re-Trick、なにかとても懐かしい気持ちになる名前・・・
なつかしみ。なつかしき思い出の中に仄めくアコースティックでプログレッシブなジャズが期待通りに期待を超過せず期待を未満せず(それ以上でもそれ以下でもない、とハテナでいうと警察に逮捕されますよ!気をつけて!)鳴り響いて、これは別に時代を感じさせるものではなく普遍的な音楽なので懐かしいとかじゃなく普通にナウな音楽としてありがたき幸せ。そういえば、その名もAPJ(Acoustic Progressive Jazz)というグループがなつかしみの頃にありましたが息災でしょうか。CENTIPEDEの【SEPTOBER ENERGY】をホウフツるコーラスのリフレインがあり、これは'71年作だから懐かしみを感じてもいいよね。
ジャンルをJ-Popとしたのは、主に昨年、過去の活躍が目立ち将来を期待したインスト系ミュージシャンがのきなみ当ブログ的に駄作を乱発した失望感(一方、すでに十分失望していたH ZETTRIOが起死回生したのはよかった)を癒やすため、JazzからJ-Popに編入することによって平均点をあげようとしう官僚的な心的防御機構が働いたためです。がんばれインストJ-Popper!
→第一印象:4.0(5点満点)
【Avital Meets Avital】 Avi Avital & Omer Avital
https://itunes.apple.com/jp/album/avital-meets-avital/id1228382404?at=10lqt2
Jazz。iTunesでは「クラシック・クロスオーバー」というジャンルになっていたけどナンノコッチャ!とJazzに変更したところ。イスラエルのベーシストの「ソフトなほう」Omer Avital とマンドリン奏者 Avi Avital のデュオ作品。「ハードなほう」は Avishai Cohen (トランペッターじゃないよ)。さいきんイスラエルの人は少数で内省的な気分なのかしら?Brad Mehldau もアンナチョーシ(今野杏南の新作タイトルにどうぞ)だし、Jazz界がそういうムード?いや、ムードもなにも常にそういう作品は一定数あるだろう。ごもっとも。ごもっともであります脳内様。ハハー。
と、諦め半分で聞き始めるとデュオ作品ではなく、ピアノ(アコーディオンなどに変化)、パーカッションを含むフルスタックなコンボで、サウンドも質素で派手。「非西洋」・・・・・・というと12平均律じゃない音律で、五線譜に採譜すると連符や特殊記法やまもりになるような音楽をイメージされるでしょうから・・・・・・「西洋周辺」くらいが妥当な言い方なのかしら。西洋周辺のメッカである中東・イスラエルの味付け濃厚な音楽。独特なスケール(楽器は12平均律に調律してるけど西洋の長調/単調じゃない)、独特なリズム(変拍子の範囲で記譜できる)が活き活き。生き生きした周辺西洋のアンサンブルにボッキがむくむくと沸き起こり、さあ、さあここから怒涛のインプロヴィゼーションパート、怒涛のジャズ・ロックパートがくるぞくるぞ!!といつでもシゴける状態なのにそのまま終わってしまうパターンの連続でショボポヨン。AREA脳。AREA脳の弊害。
ch(iなみに)、Omer Avital の前前作かしら?で一押しに推していた曲がここで周辺スタイルで、たぶんきっと本来の姿で再演されていて、お、おめえ、おらの好みわかてんじゃあねえか、と抜いた、いや抜けななかった刀を鞘に収め、いや抜けなかったので収まったままの刀ですが、え、ん?というわけでその名曲『Maroc』がこの編成で再録されているのはとてもうれしい。
→第一印象:3.8(5点満点)
【ライジング・ラヴ】 福井ともみトリオ
Jazz。はじめましてかしら?ピアニスト福井ともみさんのリーダー作。
- 福井ともみ(p)
- 俵山昌之(b)
- 藤井学(ds)
鋭いコンテンポラリーな感じ(作曲されたフレーズをピアノの左手とベースがユニゾンするやつ)から聞き覚えのある音が!?もしやキャラバン?とiPodを取り出したら曲名が『Caravan』で、なるほどなあ、これはイカすCaravanだなあとニッコリ。Jazzは曲名さえも重大なネタバレになるから、初聞きはメタ情報を伏せたほうが楽しみが大きいですよね。『My Favorite Things』も聴いたことのないアレンジでかなり興奮するテイク。素直に@@です。その他も全般的にメチャシコ!ってわかじゃないけど聞きやすく聞きどころもあって好印象。
→第一印象:3.7(5点満点)
【Silent Notes】 J.A.M
Jazz。はじめまして?じゃないかも?「JAM」ってありがちな名前なので、JAM Projectとか。
名前がJAMだからって、ぬるいジャムセッションみたいのだったら許さんからな!と聞く前から軽くイキんでみせる。火花散るインプロヴィゼーション/インタープレイは大好物だけど、ぬるい、なれあいの、キャッキャウフフなジャムセッションは爆発しろという純情な感情はジャムヘイト。
イザ聞き始めると悪い予感の方に近いジャムサウンドで少々の失望がある。ドラムがシャキッとしてなくて、小節の先頭にバスドラを踏んだり、4拍子の2,4拍目にスネアを叩きがちだったりする。J-Popじゃああるまいし。メロディを作曲するとき、フレーズを小節の頭から入れるか前から入るかちょっと間をおくか、真剣に考えるでしょ。なのに、ドラマーときたらとりあえず小節の先頭にバスドラをふんどけとりあえず4拍子につくっておけとりあえず2,4拍目にはスネア打っとけみたいに怠惰なのかしら。和声や形式に特化して進化してきた西洋音楽の伝統、記譜法/フレームワークによる思考の制約などにグローバル化した21世紀にもなって縛られ続けるとは嘆かわしい。小節の先頭にバスドラを踏むのを禁止、4拍子の曲では2,4拍目にスネア打つのは禁止するだけで意識高い系ドラマーになれるのでは。J-Popはいいです。J-Popは女声がかわいければ他は望みませんから。などと書いている自分がわけのわからないキャラクター性が定まらないつつ、あと「小説の先頭でバスドラが踏まれがちで4拍子の2,4泊目にスネアが打たれがち」と難度もキーボードを叩くのがつらいので、今後はコピペさせていただきます!!あるいは「SSB/24S」(S小節の S先頭で Bバスドラ/2,4拍目にスネア)と以降のエントリーでは略させてもらいます!!!と書いている自分がわけのわからないキャラクター性が定まらないつつ、中盤とある曲ではロバ(ロバート・グラスパー風の味付けが聴いた和音?サウンド)っぽくもあり、小節の先頭にバスドラを踏んだり、4拍子の2,4拍目にスネアを叩きがちだったりしても、これならメイン素材Jazzの調理法JAMで味付けがロバっていう料理はアリッチャー・アリだなあとも思う。
終盤、突然伝統的なバップスタイルの曲があらわれ、ピアノも聴いたことある古典のフレーズっぽい引用を織り交ぜノリノリで、そうそう、これでいいじゃないと笑みってしまう。が、もし本当に最初から最後までこれだったら、「伝統的なスタイルなら古典の名演がいくらでもあるのでそっちきくわ。でも古典は当時の録音事情による音響がよくもわるくもなので、いま古典を再録する価値は無きにしもあらずかなあ。あと、よくもわるくもって人が言う時は良し:悪し=4:6くらいのニュアンスだよね。」という感想になっていたと思われる。これまでのすこし退屈なジャムがアクセントとなったのを@@べきか@@べきか。と、曲を聞きながらここまで脳内ブログを書いたところで、リズムがジャムスタイルのSSB/24Sに戻ったりして、そうそう、醤油うこと、と笑みってしまう。音楽的な意図をもって小説の先頭にバスドラ踏むし、意図を持って2,4拍めにスネアを叩く。それなら許す(まじ)。
そしてしばらくたったら古典スタイルが押し出されてきたので、なんかアルバム終盤にかけてタイムスリップする的な演出なのかしら?と念のためiPadを取り出して見たら、そのときプレイリスト上次に並んでいた【ライジング・ラヴ】 福井ともみトリオになっていたので、もしかするの前段の感心した曲も実はJAM製品じゃなかったりして?とヨギるが確認はしないでおく。
と、お察しの通り、「自宅で実際に音源を聞きながら/聴いた後に書いているテキスト」と「移動中に音源を聞きつつ脳内ブログに書いたのを後で思い出しながら(仕事中に)書いているテキスト」に大別される。大別だけど実際はあれこれだけど。この話、いまここでする必要ある?ないです。
→第一印象:3.4(5点満点)
【A Rift In Decorum: Live At the Village Vanguard】 Ambrose Akinmusire
https://itunes.apple.com/jp/album/a-rift-in-decorum-live-at-the-village-vanguard/id1232984262?at=10lqt2
jazz。はじめましてから。トランペッターAmbrose Akinmusireのリーダー作。ライブ録音。
- Ambrose Akinmusire (tp)
- Sam Harris (p)
- Harish Raghavan (b)
- Justin Brown (ds)
フリー寄りの抽象的あるいはアヴァンギャルドな雰囲気の作曲&即興がたっぷり。コスパを求めるあなたにぴったし。
→第一印象:3.8(5点満点)
【Into a Myth】 Hanging Hearts
https://itunes.apple.com/jp/album/into-a-myth/id1233808336?at=10lqt2
Jazz。たぶんサックス奏者Hanging Heartsさんのリーダー作。「たぶんサックス奏者Hanging Heartsさん」のは、もうずっとサックスのターンみたいにほとんどサックスが吹かれ続けているから。ツヨイさっくすおりてんてっどな構成で、背景はトラディッショナル、モダン、フリー、ロック、エレクトリックと変化するぱたーん。ここで「エレクトロ」とかテクノのサブジャンルを適切に言えたらかっこいいんだけど、うっかりエレクトロっていうとエレクトロじゃなかったときにエレクトロ警察に逮捕されかねないのでハテナ怖い。@@(ネタバレ防止のため曲名は伏せますよ!!)は、15拍の疑似4拍子の機械的な作曲からフリーキーなゾーンに突入してまた徐々にロックが割り込んでエレピが暴れる…おっとこれはAREAスタイル。AREAはいいぞ。AREAは神バンド。と興奮するトラック。そ(れはさておき)、いまさらいうのもなんなんなんだんだけど、やっぱりサックスはサックス味が強すぎてトラディッショナル、モダン、フリーまでは馴染んでも、ロック、エレクトリクだと浮きがすごい。浮力超つおい。そこがわたし世界におけるサックスの限界性を感じるofポインツ。トランペッターはマイルス先生のお許しを得てエフェクター等の利用が解禁されている反面。
というわけで、「たぶんサックス奏者Hanging Heartsさん」の答え合わせをググります。
- Chris Weller - tenor saxophone
- Cole DeGenova - keyboards
- Devin Drobka - drums
- Dave King - tambourine on track 2.
はい。
→第一印象:3.3(5点満点)
【Mongolian Song (with Johannes Enders & Billy Hart)】 Enji
Jazz。シンガーEnjiのリーダー作。メガストラクチャーにうっかり触って駆除系が湧いて出たみたいな怖いジャケットですが、音楽は怖くないよ!
海外勢のJazzボーカル作品のいいところは、背景の楽器隊がガチなところ。ボーカルリーダーでありながら、フロントマンの一人であるとろ。ポリコレの人に「フロントパーソンだろクソジャップが!」と棒で怒られてしまいそうなところ。純西欧中央ならず周辺感を漂わせるメロディ・ボーカルの存在感がグンバツなのは当然ながら、ピアノ・サックスの主張力も負けず劣らずベースは常に暴れドラムは堅実。ボーカルの存在感と楽器隊の堅調さがテーマ/インプロ/テーマのJazz基本構成、ボーカル/インスト/ボーカルのプログレ基本構成のコントラストを際立たせてここちよい。@@のような定番の5拍子ワルツは定番の嬉しさもある。
→第一印象:4.1(5点満点)
【Die Trommel Fatale】 Brandon Seabrook
Jazz。作曲だとしたらジョン・ゾーンばりに神経質な曲芸的楽曲であり(勝負に出る前に飲んどけ)、即興だとしたらジョン・ゾーンばりにメチャでハイ(青山ではない)であり、ハイブリッドでインタラクティブなヤツならジョン・ゾーンばりにコブラ(バーチカルバーチカルプレッシャーバルーナー)な、いずれにしてもジャンルを横断&撹乱ギッタギタに切り刻む様はジョン・ゾーンめいたアヴァンギャルド作品。みなさん好きですよね、こういうの(美白洗顔)
- Brandon Seabrook - Guitar
- Chuck Bettis - Throat/Electronics
- Dave Treut - Drums
- Sam Ospovat - Drums
- Markia Hughes - Cello
- Eivind Opsvik- Bass
→第一印象:4.2(5点満点)
【Heroes】 King Crimson
https://itunes.apple.com/jp/album/heroes-%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B4-ep/id1241916216?uo=4&at=10lqt2
- 1.Heroes (ベルリン/2016年9月12日)
- ぽーーーーーっとフリップ師のギターが鳴り響く。すてき。
- 2.Starless (Edit Version)(ウィーン/2016年12月1日)
- ボーカルパートのみのショートバージョン。おい。
- 3.Easy Money (パリ/2016年12月3日)
- 中間部のインプロパートでございますか、ホットになっていくまでの引っ張りがちょっと長すぎでホットな時間が短すぎじゃあないでしょうか。シャキッとしてくださいシャッキと。レビおじはこの時期の曲やるときは在りし日のウェットンばりに爆音にしてもいいのよ。
- 4.Peace (東京/2015年12月16日)※日本盤のみの収録
- このテイクがリリースされたのはこれで3回めである。何度聴いても悪いテイクじゃない。
- 5.The Hell Hounds Of Krim (ウィーン/2016年12月1日)
- ダブルトリオ(ドラム二人)時代からいろいろ試みられているドラムアンサンブル曲のひとつ。いまのところ、この次の曲にどばーっと入るためのイントロとしての役割を脱していないのでがんばってほしい。
- 6.Heroes (Radio Edit) (ベルリン/2016年9月12日)
- ショートバージョン。
→第一印象:3.3(5点満点)
【GOODPEOPLE】 野崎良太 with GOODPEOPLE
J-Pop。インスト。はじめましてかしら。
- Pf:野崎良太
- Ba:木村将之
- Vl:伊藤彩
- Vc:古川淑恵
- Accordion:田ノ岡三郎
サウンド麺でいうと、Vl(ヴァイオリン)、Vc(チェロ)がちょっとウェット過ぎるかなあという印象。ほかはよいのだけどヴァイオリン属は気になる。反響の大きなホールでエア録音した天然の残響はきらいじゃないけど、ドライに録音してからかけるリバーブは薄めがいい。アコースティックで小編成は音の少なさをリバーブで補強しがち。特にヴァイオリン奏者がロック/ポップするときの強烈なリバーブはかなり苦手なんだよなあ(なんかはやりの言い回しなんだよなああああ)小人数でもカラっとしたほうがすきよ。
てなマイナス点を除けばテクノで雰囲気ブルな音楽をやっているイニシャルD氏の音楽のいまいち煮え切らないところをしっかり煮詰めてアコースティック料理に昇華させたすてきな作風で好印象。と思いきやめっちゃ印象派クラシカルな曲までこなして器用さもグンバツ。※↑ここまでのテキストを書いてから約@@日後、本エントリーを仕上げようとしているいま、曲名というネタバレを解禁したところ、めっちゃ印象派というかラヴェルそのものだったのでハズカシー><
→第一印象:3.7(5点満点)
【Coltrane Raga Tribute】 Brooklyn Raga Massive
Jazz。
エスニックでスピリチュアルでときにドラッギーでドラキーで時折「太陽と戦慄」型クリムゾンの雰囲気の表情も覗かせるヤツ。高速ハイテンションではなくスローペースだけどぐつぐつ煮立っててダレることない。3つの部隊=(1)平均律に束縛された楽器ピアノ/ハープ組、(2)基本平均律だけど自由に音程を揺らがせるそれ以外の楽器隊、(3)打楽器隊の配合バランスポートフォリオが刻々と変化するダイナミズム。なんかすごくローファイなのもアジとしてよい。
などとツーキン中に聴きながら脳内ブログを書いたのを、働きたくないでござるの午前中の社員にテキストに書き起こしてdropboxの下書きテキストファイルにコピペしようとしたらまさかのタイトル【Coltrane Raga Tribute】である。コルトレーン(ルとレは巻き舌で)である。ねたばれやめーや!!!もう残りをタイキン中に聴くときコルトレーン(ルとレは巻き舌で)トリビュートなんだあと先入観が入っちゃうじゃないですか!!・・・と形式的に避難しておく。あくまで形式的に。ここを書いている時点の「今週のプレイリスト」(≒Dropboxの下書きテキストに予め書いといたアルバム・タイトルの登場順)のみっつ下にはその名も【モンク・スタディーズ】というアルバムが控えているけど、そっちはもう「モンク」だっていう先入観前提で脳内ブログしようとヨテイしているからだ。ハテナーはそういうこまかいダブルスタンダード的なやつをつついてはマウント心を満たす卑しい奴らだからな!!レビュー本文の2倍位を予防線に費やすのがはてな文学。
→第一印象:3.8(5点満点)
【Common Ground】 B.J. Jansen
Jazz。サックス奏者 B.J. Jansenのリーダー作。
- B.J. Jansen, saxophonist
- Delfeayo Marsalis, trombonist
- Duane Eubanks, trumpeter
- Ralph Peterson, renowned drummer
- Dezron Douglas , bassist
- Zaccai Curtis, pianist
社員路の移動中に聴きながら、はて、あたいはこの作品のどこに惹かれて今週のプレイリストに入れたのかしら?と疑問符りすびーな、一種「なんのへんてつもない」モダンジャズで困っていたら、突然コルトレーン(ルとレは巻き舌で。巻き舌の長さはノリで自由にしていいんやで、は、ぽん)風の熱い曲になってYATTA^^と盛り上がった次の習慣にはまたなんのへんてつもないに戻ってこちらも真顔DA, CHU、NO。
→第一印象:3.3(5点満点)
【Odalisque】 Spike Wilner Trio
https://itunes.apple.com/jp/album/odalisque/id1218927019?at=10lqt2
Jazz。はじめましてかしら。、ピアニスト Spike Wilner のリーダー作。
- Spike Wilner (p)
- Tyler Mitchell (b)
- Anthony Pinciotti (ds)
Jazzのサブジャンルまたはタグとして「モダン・ジャズ」と「コンテンポラリー・ジャズ」という区分があるんだけど、一般的・具体的にどのような音楽的特徴で区分けされているのか、あの日見た花の名前バリに知らない僕なりに、コンテンポラリー・ジャズは「ベースとピアノの低音がユニゾンしがちなジャズ」だ。古典的なモダンジャズではフロントメン2人とかがテーマをユニゾンぎみに提示するところをベースとピアノの低音に置き換わり手の品が変わる。
社員路の移動中に聴きながら、はて、あたいはこの作品のどこに惹かれて今週のプレイリストに入れたのかしら?と疑問符りすびーな、一種「なんのへんてつもない」モダンジャズが続いてゆくよどこまでも、ずん、ずんずんずんどこ、くぱぱあ。
→第一印象:3.3(5点満点)
【ノイズ】【アレグロ】【カナリヤ】 ニノ(CV.早見沙織)【FALLING SILENT】 深桜(CV.高垣彩陽)
2017年4,5,6四半期に放送中(これを書いてる時点では)のTVアニメ[覆面系ノイズ]の劇中歌。ニノ所属のバンドはin No hurry to shoutはBLACK STONES、深桜所属のSILENT BLACK KITTYはTRAPNESTみたいなあれ。NANAでいうと。
原作未読でアニメ版を見てる勢です。ハチミツとクローバーでも君に届けでもとなりの怪物くんでもよいけれど少女漫画(?)系の独特の間合い、ユーモア/ギャグのセンスはたまらないものがある。少年漫画的な「主人公男性とそれを取り巻くチョロインたちの高感度メーター」とは異なる少女漫画的な「さまざまな登場順物の関係が引斥交差循環」みたいな世界観もよい。精神的負荷は後者のほうが高いので、単にモエモエしたいときは前者も悪くない。[覆面系ノイズ]という題名もなんか独特で、「高級言語の多態性(ポリモーフィズム)」とか「コバイア星人の俺が異世界でメカニックコマンドーしました」みたいな題名隆盛の昨今では異質。当ブログのキャラクター的にも音楽をネタにしたフィクションは贔屓目に好きである。冬目景先生の「空電ノイズの姫君」も(なんか題名似てる)も楽しいし。シンフォギアのまた続編が始まるっつうけど、こちらは音楽ネタというかなんというか、でも劇中歌シリーズは毎作楽しみで、1作2作目はクリス、3作目は切歌が作者に祝福され、最新作はどうなるかしらと楽しみデース。
で、in No hurry to shout(イノハリ)名義で歌うはニノ(CV.早見沙織)さん。艷やかで伸びのあるさすおに方面で定評のある早見さんが(グラスリップのはなしはここではしません)サウンド面/歌手面で荒ぶっていた頃のCoccoに至るようなオルタナ/暴走系の音楽・キャラクターでの登場とは意外性で話題性。[覆面系ノイズ]の「タイトル回収」となった『ノイズ』は曲/編曲/歌唱の三者が異常に噛み合っていないようで個別暴走が癖になる名曲。10点あげたい。
逆に、噛み合うとこんな感じ。
はー10点じゃたりない名曲。[覆面系ノイズ]のアレにも近い雰囲kいありますね。
逆に【FALLING SILENT】深桜(CV.高垣彩陽)は三者三様ががっつり噛み合っていて対照的。こちらも凛としてアスファルトを切りつける佳曲。3点あげたい。
商業的にはいわゆる「爆死」してしまいそうな本作ですが、あたいの心にはしかと刻み込まれました。少なくてもアルバムレビューのエントリーにこうやって紛れ込ます程度には。
【TVアニメ『けものフレンズ』オリジナルサウンドトラック】 立山秋航
Soundtrack。TVアニメ『けものフレンズ』みてましたか?わたしはみてました。1話から毎週Google+に濃厚な感想を圧縮してポストした気がするんですが、Google+先生得意の間引きかな?全部埋まりませんでした。
7話?
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サーバルはひとくわない
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8話?
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9話?
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10話
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11話
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最終回
plus.google.com
12.1話
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いろいろな場面がいろいろと蘇るサントラ。番組見ていた補正思い出補正が補正ってれべるじゃねーぞで効いているので公平を期すためにこれ以上は触れないでおきます。フレテー。敢えて触れるとすれば冒頭1曲目のスケールがあれがあれで7音平均律があれであれって、まったく同じ話を別のだれかのレビューでしたきがする(もしかすると未来分かも。現時点で8月第1週ぶんまでちょこちょこテキストは書いているので)のでのでそれを読んどいてください。
→第一印象:4.2(5点満点)
【My LIVE】 沼倉愛美
J-Pop。声優で歌手の沼倉愛美さんのアルバム。
いつもの(2015年冒頭頃のツイート)
新春ブログ第3弾としてベストソングを物色しているがベタ情報量皆無になりそうなので取りやめつつ四天王は東山奈央/種田梨沙/早見沙織/沼倉愛美さんで決まりだなと思いつつじゃあJazz部門に着手しますかね。
— ふらくやん (@derutcarf) 2015年1月3日
まいど、過去ログを「いつもの」で検索してみつけてくるのだけど、そろそろ「いつもの」以外の目印を付けておきたいところ。
冒頭2曲で「ソロアーティスト」としてのぬ(まくら)さんを象徴・印象付ける曲で、なるほどこういうパワー系でいくわけねフムフム!と思ったところで雲行きがピコピコしてきてがっつりテクノ化(今やちょっと懐かしさもあるEDMチューンを含む)してアレアレ最初のプレゼンはどこへいったのかと涙目である。ぬさん×テクノといえば、ぬさんを含むユニット Trident のリリースを当ブログは高めに評価していたので、それはそれでありかなと思いつつも、Trident 的なメリットは特に感じられずじまいではありもうした。そこから怒涛のバ(ラード)ゾーン。てことは、これ最後にまた盛り上がって終わるマティンですよね!?ホラヤッパリー!!みたいな顛末。ごめんぬさい完全にネタバレてしまいました。
ロック調、テクノ、バラードといった目玉商品より、その合間合間のてぬ…息抜き的な小品のほうが、ぬさんのシンガーとしての魅力がよく堪能できてよかったです。ボーカロイドプロデューサー
(VOCALOIDという歌詞を歌わせられる音源ソフトウェアを使用したボーカル曲を制作する人。なぜ「P=プロデューサー」なのか?それは音楽プロデューサーという存在が注目を浴び、だれだれプロデュース、produced by だれだれみたいに商品価値を持つようになったTK時代に遡る。で、なんだかんだあって、アイドルをプロデュースするプロデューサーという存在もうんぬんかんぬん。そこにVOCALOIDの音色セット「初音ミク」がバーチャルアイドルみたいな流行り方をしたので、音楽プロデューサーとアイドルのプロデューサーがちょめちょめしたすえ、ボーカロイドプロデューサーと呼ばれることになったと推測しています。が、ググってないのでただの妄想です。略して、以下、ボカロP)
がボーカルパートを打ち込むとき、どの音程にどの言葉を当てはめるのがベストか、そのときの各種パラメーター(声の強さ、明るさ、いろいろ動的/静的に設定できる)を設定するか、いちおんいちおん、そしてフレーズの流れの中で微調整を繰り返し、ベストなところを探していくことでしょう。そうして公開された音源が好意的に受け止められたとき「神調教」と評価を得る。私が女声に求めるのもまさに神調教だ。いちおんいちおん、そしてフレーズに象られた表現表情にどれだけ惹き込まれるか。男声はおよびではないしね。
そういういみで、息抜き的な曲ではぬさんの、声帯の振動1ヘルツ、口腔の開き方1シーシー、ピッチの揺れ1セント、声量の変化1ホーン、録音スタジオの気圧1ミリバール、頭蓋の振動パラメータ1なんとかまで、さまざまなみりょくが溢れている。キモっ。3月か4月か5月か6月かの月刊ブログでバは好きじゃないんだようなあと書いた気がします。苦手なバラードでさえも、ぬさんの歌があればぜんぜんへーき。きもっ。さす(が)四天王。
という感じで、ぬさん個人のシンガーとしての評価は最高潮に達するわけですが、楽曲観点ではなんとか符が払拭できません。点数付きの「良い曲」はなし。さっこんアニソンの制作現場は慢性的な予算不足なのか、楽曲クソ野郎は顧客じゃないのかのマイナス面が出ている。ここではピンポイントの話をしますが、チープな弦楽パートが耳障りな場面がちょいちょいある。オーケストラてぃっくな弦楽アレンジを意図しているのに、生身の弦楽アンサンブルを採用できないつらみ、とはいえ Native Instruments かなのか分からないけれどリアル系の音源でわれわれ素人は十分欺けるのだからそういうところが……ライブで鍵盤奏者が手弾きすることを想定して、みたいな理由があれば致し方なしですが……。いや致し方なくなくない。音源は音源、公演は公演。人によっていろいろこだわりがあるかと思いますが、私はどうしても弦楽パートがきになってしかたなしいたしかたなし。諸事情で演奏家を雇えない/リアル系の音源・作り込みもできないのであれば、いま使える手駒(電子音のシンセとかギターとか。)に最適化するよう編曲を見直してもらってもいいのよ。そこらへんは、作編曲演奏までとことん作り込まれたマクロスフロンティアの曲集が当ブログの「アニソン評価基準」を押し上げまくった罪深きアルヨ。
→第一印象:3.3(5点満点)
【何度でも新しく生まれる】 MONDO GROSSO
J-Pop。何十年ぶりに聴いたようなきがするMONDO GROSSO。そして何十年前の記憶から召喚せし地獄のミサワかく肩リキ「MONDO GROSSOってこんなかるカタカナぁああ?」という印象。たぶん当時の当時なりに「ちゃらい」音楽に対するアンチ勢の需要をいい感じで満たすハードボイルドなポジションだったうっすら記憶でわあはほねぶとなあどぼいるどだあと思ったきをくがうっすらありますので本作も今なりのあれがあれなのかなと思いつつ現代のわたしにはマッチングしなかったということで流しておきます。そのでは@@が、LEO今井選手を彷彿する意識が高いテイクでちょっとタイプでした。
→第一印象:1.9(5点満点)
ソンジャーネ