2016年5月に聴いた(1):Jack DeJohnette/Rainbow/Cuong Vu/Pat Metheny/相対性理論/fox capture plan/楠田亜衣奈/織田かおり/皆川太一カルテット/livetune/
ご無沙汰しております。ご無沙汰してしまったのは、ほん期間に聴いたアルバム群がこれといってぱっとしなくて、ブログ書くのがつらかったという事情によります。なので、アルバムに関するネタバレが嫌いな人も許容できる人もこの先をよまずにブラウザをアンインストールした上でご自宅を焼き払っていただければと思います。
- 【In Movement】 Jack DeJohnette • Ravi Coltrane • Matthew Garrison
- 【Boston 1981 (Live)】 Rainbow
- 【Cuong Vu Trio Meets Pat Metheny】 Cuong Vu
- 【The Unity Sessions】 Pat Metheny
- 【天声ジングル】 相対性理論
- 【透明色のクルージング - EP】 fox capture plan
- 【Next Brilliant Wave】 楠田亜衣奈
- 【Make it】 織田かおり
- 【MINOR BLUES】 皆川太一カルテット
- 【Sweet Clapper】 livetune
- 【青春は食べ物です】 petit milady
- 【STRANGER MOON】 真夜中の月劇場
- 【総天然色】 ミルキィホームズ
- 【The World Standard】 わーすた
第一印象点はだいたい1.0(そっとじ)、2.0(いまいち)、2.5(ふつう)、3.0(よい)、4.0(とてもよい)、4.5(傑作)みたいなフィーリングです。オススメ印はシェフが気まぐれているとお考えください。
【In Movement】 Jack DeJohnette • Ravi Coltrane • Matthew Garrison
Jazz。御大Jack DeJohnetteと、John Coltraneの息子Ravi、Jimmy Garrisonの息子MatthewとECMレーベルでトリオ作を吹き込むという、ロマンあふれる作品。中身はひっっっじょーに抽象的。John Coltrane、Miles Davis、Earth Wind & Fireの曲を取り上げているものの、そう言われないと気づかないほどに抽象的。
- Jack DeJohnette (ds,p,el-perc)
- Ravi Coltrane (ts,ss)
- Matthew Garrison (el-b,electronics)
こういう抽象的なのはスピーカーの前に正座してがっつり集中して聴いて噛み砕かないと旨味がえられず、社員の移動時間を主なリスニングに当ててる生活と相性が悪い的なあれです。あれですが、本作はひとあじ違う。ベースのギャリソンJrがとても冴えている。まずエレクトリック。これだけでウッドベースが多いこういう作品と差別化される。さらに、ルーパーとかエフェクターとかいろいろ駆使して様々な音色、音像、音響を演出する。これが冴えていて聴き応えがある。ただ、とても控えめ。ダブルトリオ編成King CrimsonのTrey Gunnよりさらに控えめ。なんでそんなに控えたしと叫ばずにはイられないほど控えめ。コルトレーンJrについては、特別な印象はなしであります。ギャリソンJrもコルトレーンJrくらい出るときは前に出て欲しかった。
→第一印象:3.6(5点満点)
https://itunes.apple.com/jp/album/in-movement/id1096407530?uo=4&at=10lqt2
【Boston 1981 (Live)】 Rainbow
HR/HM。おなじみRitchie Blackmore率いるRainbow(事実)の、アルバム名から察するに'81年、ボストンでのライブ(推理)。Joe Lynn Turner(vo)、Roger Glover(bs)と+2名(key, dr)編成だと思われる(思われる)。Joe Lynn Turner+Roger Glover期は、パフォーマーとしてはヨボヨボであまり好きじゃないんだけど(主観)、楽曲についてはいろいろおもしろいものがおおくそこそこ好きだったりします(主観)。プラマイややプラス(好評化)。Joe Lynn Turner+Roger Glover期の面白い曲を中心に、『Long Live Rock'n'roll』などむかしの鉄板曲やDeep Purple時代の曲も織り交ぜたセットリストは完璧(主観)。前に出たGraham Bonnet期ライブのちょっとアレな音質にくらればずっとよく(客観)、Joe Lynn Turner期の入門にこれ、という選択・推薦肢もありかも(断言して文句を言われるのもやだなあという気持ちからの控えな提案)。
→第一印象:3.8(5点満点)
【Cuong Vu Trio Meets Pat Metheny】 Cuong Vu
Jazz。Cuong Vu TrioにPat MethenyがMeetsしたカルテット編成のアルバム。
- Cuong Vu: trumpet;
- Stomu Takeishi: bass;
- Ted Poor: drums; Pat
- Metheny: guitar.
冒頭は太陽と戦慄クリムゾンを髣髴とさせるようなどろどろしたインプロから始まり、2曲めでグツグツのフリーJazzに展開して大満足。その後はのんびりした展開になってちょっと残念。
→第一印象:3.5(5点満点)
【The Unity Sessions】 Pat Metheny
Jazz。ギタリストPat Methenyのリーダー作。ライブ録音。
なんといってもアルバム【Kin】がたおやめぶりっこ(本ブログのタイトルです)的2015年ベストJazzアルバムに選出しただけあって、そのライブセッションときいちゃあムネのなんちゃらがなんとやらです。【Kin】の曲を中心としたナウいセットリスト。スタジオ音源は綿密に作りこまれているなあと再認識させられる、つまり、ちょっとラフな演奏で、ラフ・ライブならではの奔放なプレイというかそういうのもわたしにはちょっと感じられずでした。全然悪いシロモノではないのですが。
→第一印象:3.8(5点満点)
【天声ジングル】 相対性理論
J-Pop。相対性理論といえばダウナーかわいい系のシンガーとして当ブログでは地味な地位を占めているバンド。大森靖子さんが妙に神格化されげかも?みたいな印象を述べましたが、相対性理論も神格化とまで言わないまでも謎の一目が置かれガチ。楽曲個別評価式*1では点数付きになるようなインパクトの強い曲もないし、プログレっぽさも皆無だけど、ボーカリストの持つ独特のかわいさだけで心地よく聞けるアルバム。不思議。カワイイは正義。
→第一印象:3.5(5点満点)
【透明色のクルージング - EP】 fox capture plan
J-Pop。インスト系J-Pop、期待の星、だったのだけど、当ブログ的には迷走期に入ったfox capture planの最新EP。
当ブログ的なインスト系J-Popバンドがたどる最悪の展開は、
- デビュー当初はとんがってて刺激的
- 徐々に丸くなって架空のカラオケ化する
- じゃあボーカル入れればいいじゃないとボーカル入作品に手をつける(しかもいまいち)
- 再びインスト回帰するがボーカルが抜けただけのカラオケ感がますます強くなる
- つらみ。
第3段階目(ボーカル起用した企画盤)でがっかりするか化けるかが当ブログ的には分水嶺になる。本作や第3段階に入りかけと言える、ボーカル曲+インスト曲の構成。つらみ。よりによって男声とは!!!仮に女声だとしてもややクセのある系シンガーが採用されることが多くて、それもモヤモヤするのですが。かわいい系女声をつれてきてハジけちゃえばいいじゃない。南波志帆さん、いまこそ出番です。さて、たとえ男声でもアンサンブルにおけるボーカリストの存在感は大きく、後半インストになったときに抜けた穴が目立つようになってしまいがち。が、本作では本分を発揮してくれたので助かりました。
さんざんディスったっぽい内容ですが、過去作での高い実績と今後の復調・発展が期待できるので、ちょっと本作はタイプじゃなかった程度のトーンですエア弁明。
→第一印象:1.5(5点満点)
【Next Brilliant Wave】 楠田亜衣奈
J-Pop。はじめまして。声優で歌手である楠田亜衣奈さんのアルバム。彼女のキャラと推測されるカワイイ系でテクノな楽曲が続いたところで、中盤『Nameless Mind』でマイナー調シブ(渋谷ではない)系に転移してまた戻ってくるのは声優系ソロアルバムのテンプレに忠実。どっぷりしとしたベタなバラードがなかったのが意外。『群青シネマ』『My Yesterdays』にあたる曲がぐっとくればよかったなあと。その点、Sphereはミドル曲でがっちり抑えてくるのですごいなあと再認識。曲単位で点数付きにはならなかったものの、編曲の統一感がよい塩梅のテクノで全体の印象はとてもよい。(変なロック風に転じるのがもっともヤバい)
→第一印象:2.5(5点満点)
【Make it】 織田かおり
J-Pop。アニソン系シンガー織田かおりさんのアルバム。
脳内ブログに<前作>の良きところは維持され、それ以外は改善され、とてもよい感じに仕上がってきた、みたいなことを書いていたら、黒崎真音さんと混同していた疑惑が持ち上がりあちゃーとなっているナウ。誤った<前作>との比較はさておき、純粋に高速な曲は盛り上がり、低速な曲もダレない手堅い作品。
どこかで「変なロック調はヤバい(悪い意味で)」などと言っていた気がするのだけど、いわば本作のトーンが「変なロック調」で、もちろんこれはヤバい(良い意味で)というニュアンスを着払いでお届けいたします。<アニソン系と「変なロック調(良い/悪い意味で)」について>というテーマは長年(とはいえ90年台前半から)の因縁がありますが、また機会があればどこかのレビューに忍ばせて小出しにしたいと思います。
キャッチーな曲で幕開けて、2曲目からいきなりみんなだいすきアイリッシュ風?3拍子をからバラードに展開して、King Crimsonの某曲っぽいギターリフが始まったりシてめまぐるしい。そこからシットリキリットぞーんに入って、待望の「ミドルテンポのよい曲」(残念ながら点数付きにはならず)やそれに準ずる展開がつづく。イケイケな曲はちょっと疲れるので、本さkの落ち着いたトーンはとてもよい感じです。
→第一印象:3.6(5点満点)
【MINOR BLUES】 皆川太一カルテット
Jazz。はじめまして。ギタリスト皆川太一のリーダー作。
- 皆川 太一 Taichi Minagawa (guitar)
- 杉本 匡教 Masanori Sugimoto (tenor saxophone)
- 清水 昭好 Akiyoshi Shimizu (bass)
- 横山 和明 Kazuaki Yokoyama (drums)
曲の構造はふるめかしいスタイルで困ってしまうのだけど、ゆったりめの曲でのSaxソロは味があってよいです。
→第一印象:2.5(5点満点)
【Sweet Clapper】 livetune
J-Pop。livetuneさんが固定のボーカリストを招いて作ったアルバム。VOCALOIDで名を上げたクリエイターの行く末、または末路、というものに思いを馳せます。livetuneさんに関して言えば、本業?のVACALOIDを採用した曲に比べて、シンガーを採用した場合のハマり具合はいまいちな印象。VOCALOIDがボーカルというよりひとつのシンセパートとしてアンサンブルに溶け込んでいるバランスが絶妙なもので。中島愛さんによる『Transfer』が例外か*2。本作もハマってないなあと思ってしまいました。
中田ヤスタカ氏がPerfumeで音声を強く加工したテクノポップを生産していた時期に、moreソレの需要に応えるべくなタイミングで登場し、中田ヤスタカ氏がそれに飽きた後もソレlossを埋める存在として長らく活動を続けることにより、演歌のような擬似伝統芸能になる日も近いと思います余談。
→第一印象:2.0(5点満点)
【青春は食べ物です】 petit milady
竹達彩奈と悠木碧(五十音順・敬称略)によるユニット、プチミレディのシングル。
青春は食物でです。それなしでは人は生きられませんが、とりかた次第では様々なリスクの元となります。青春は体内で消化され、体外へ排出されます。青春は金で買うことができます。または、設備と時間に投資することで、生産することもできます。青春には搾取・被搾取による階層または循環関係があり、これを青春連鎖といいます。この関係を、草食系、肉食系、はたまたロールキャベツなどに喩えられることがあります。青春は、裕福であるほど選択肢が増え、より豊かな青春を送ることができます。これに関して、役所が低所得の人は青春のバランスに問題があるので意識を高めてほしいと呼びかけて、低所得層はそれゆえに青春のバランスにコストをかけられないのに何を言っているんだと、一部ネットユーザーのひんしゅくを買ったことがあります。ままなりません。
そういう歌ではない。
[asin:B01EUD29II:detail]
https://itunes.apple.com/jp/album/seishunwa-tabemonodesu-ep/id1105159483?uo=4&at=10lqt2
【STRANGER MOON】 真夜中の月劇場
J-Pop。はじめまして。歌謡系バンド?雰囲気としては、音楽面で歌謡に特化したサンホラ(Sound Horizon)という感じでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=916VaSRj8Vw
→第一印象:2.0(5点満点)
【The World Standard】 わーすた
J-Pop。はじめまして。トリケラトプスまじ強い!1曲め『うるとらみらくるくるふぁいなるアルティメットチョコびーむ』のインパクトで全部持っていかれる感じ。
数十秒単位で組曲形式にめまぐるしく展開する曲を「ボヘミアン・ラプソディよろしく」と枕詞れるようにしてくれたQueenにマジ感謝。
→第一印象:2.0(5点満点)
最後まで読んでくださりありがちょうソンジャーアアアネ