2016年2月に聴いた(2):Delta Saxophone Quartet/Dan Weiss/Matt Ridley Quartet/Nolatet/Rhythm Future Quartet/United Vibrations/さユり/amazarashi/高木里代子/Snarky Puppy/David Gilmore/The Pop Group/Trident/MARC RIBOT/WEAVER/Lee Ayur/非常階段×あヴぁんだんど/Pink Floyd/ヒトリエ/山本精一
2月後半のポエマー。なるべく避けてはいますが、アルバムについてのネタバレが含まれるかもしれませんので、ネタバレを憎む人は速やかにパソコンを溶鉱炉に放り込むと同時に、政権批判に利用されないように気をつけてください。#ネタバレ嫌いなのは私だ
- 【Crimson! (feat. Gwilym Simcock)】 Delta Saxophone Quartet ★オススメ★
- 【Sixteen: Drummers Suite】 Dan Weiss ★オススメ★
- 【Mettã】 Matt Ridley Quartet
- 【Dogs】 Nolatet
- 【Travels】 Rhythm Future Quartet
- 【The Myth of the Golden Ratio】 United Vibrations ★オススメ★
- 【それは小さな光のような-special edition】 さユり
- 【世界収束二一一六】 amazarashi ★オススメ★
- 【The Debut】高木里代子
- 【Family Dinner, Vol. 2 (Deluxe)】 Snarky Puppy
- 【Energies of Change】 David Gilmore ★オススメ★
- 【For How Much Longer Do We Tolerate Mass Murder?】 The Pop Group
- 【BLUE】 Trident<イオナ(CV:渕上舞),タカオ(CV:沼倉愛美),ハルナ(CV:山村響)>
- 【Live In Tokyo】 MARC RIBOT & THE YOUNG PHILADELPHIANS
- 【Night Rainbow】 WEAVER
- 【Sou Vol.1】 Lee Ayur
- 【あヴぁ階段~恋のノイズ大作戦~】 非常階段×あヴぁんだんど
- 【Pink Floyd's Wish You Were Here Symphonic】 The London Orion Orchestra
- 【DEEPER】 ヒトリエ
- 【Palm】 山本精一
- 【PROGRESS】 Show-Ya
- 個人のたしなみ枠
第一印象点はだいたい1.0(そっとじ)、2.0(いまいち)、2.5(ふつう)、3.0(よい)、4.0(とてもよい)、4.5(傑作)みたいなフィーリングです。オススメ印はシェフが気まぐれているとお考えください。
【Crimson! (feat. Gwilym Simcock)】 Delta Saxophone Quartet ★オススメ★
Jazz/クラシック/プログレ。はじめまして。サックス四重奏+ピアノ構成によるKing Crimson曲集。
- A Kind of Red (Gwilym Simcock)
- VROOOM/Coda: Marine 475 (music by King Crimson) from THRAK 1995
- The Night Watch (Fripp, Wetton, Palmer-James) from Starless And Bible Black, 1974
- Dinosaur (music by King Crimson, words by Adrian Belew) from THRAK 1995
- Two Hands (music by King Crimson, words Adrian Belew) from Beat, 1982
- The Great Deceiver (Wetton Fripp, Palmer-James) from Starless And Bible Black, 1974
ロック・ポップスの歌曲を器楽に編曲したとき、歌手の楽器としての音色多様性が画一化されるためにメロディのしょぼさが全面に出て残念化する現象から本作も逃れられない面は否定出来ない。が、歌パートさえ我慢すれば、それ以外は補って余りある素晴らしい世界が待っていた。とにかく編曲・アンサンブル能力がずば抜けている(何に対してかは分からない)。
『VROOOM』はインスト曲ながらロック色が強すぎて室内楽編曲には向いていない。キレのあるピアノのアドリブパートが救い。
『The Night Watch』の幻想的なイントロは原典超えも過言ではない。一転思わず草も生えてしまうwwww*1くらいしょぼくなる歌パートを乗り越えるとフーガのようなスリリングなポリフォニー音楽を経てテナーのソロへ突き抜ける。プログレ意趣返し!
『Dinosaur』は比較的原作に忠実な編曲で、室内楽編曲と相性がよいのも納得。でも、ちょいちょい新鮮な、原曲にない節が挟み込まれていてハッとする。ほんとにハッとする。後半、テナーとピアノのデュオになるところは完全にオリジナル曲。それがリハーモナイズされた原典に基いていると気づいた途端に元に戻る展開が心にくい。
『Two Hands』は箸休めのバラード。
『The Great Deceiver』はイントロ、歌部ともに『VROOOM』の二の舞い気味。ジョン・ウェットンのベースフレーズの変態っぷりがまざまざとわかって面白い。ここも、後半ソロパートが聞き所。
で、あえて振れなかったオリジナル曲1曲目の『A Kind of Red』が本作トップの名曲名演。それがこれだ・・・!(短め)
もうクリムゾンとかいいから、この調子で全曲オリジナルで詰め込んでもらえたら昇天してしまうかも。ただ、クリムゾンじゃなければプログレ厨たるわたしが彼らと出会っていなかったと思うと、マジ(イカJ-Popっぽいフレーズ)
プログレ弦楽四重奏団モルゴーア・クァルテットも、黒田亜樹さん(pf)を加えてピアノ五重奏編成にしたらいいじゃないかな!カッコなしの提案。(提案)
→第一印象:4.5(5点満点)
【Sixteen: Drummers Suite】 Dan Weiss ★オススメ★
Jazz。はじめまして。アルバムタイトルから察するにドラマーであるDan Weissのリーダー作。
- Dan Weiss: compositions, drums, tabla, vocal percussion
- Thomas Morgan: acoustic bass
- Jacob Sacks: piano
- Matt Mitchell: keyboard, piano, glockenspiel, organ, vibraphone
- Miles Okazaki: guitars, vocal percussion
- Stephen Cellucci: percussion, vocal percussion
- Katie Andrews: harp
- Anna Webber: flute, alto flute
- David Binney: alto saxophone
- Miguel Zenon: alto saxophone
- Ohad Talmor: tenor saxophone
- Jacob Garchik: trombone, tuba
- Ben Gerstein: trombone
- Judith Berkson: voice
- Lana Is: voice
- Jen Shyu: voice.
という大掛かりな編成です。先を読ませない曲調、ひりひりする女声コーラス、ぐにゃぐにゃのリズム。まるでMAGMAがトラックにハネられて現代音楽とフリージャズがメジャー音楽になっている並行世界へ転生し、崩壊したコンタルコスをアンテリアからエメンテトレするようなハートフルストーリー。
→第一印象:4.3(5点満点)
【Mettã】 Matt Ridley Quartet
Jazz。ベース奏者Matt Ridleyのリーダー作。
- Matt Ridley (double bass),
- Jason Yarde (soprano saxophone),
- John Turville (piano),
- George Hart (drums)
作曲の細やかさもリズムの変化もアドリブの殺気も文句なしの一級品ななdけど、サックスがソプラノなのでやんわりした印象を受ける。ECM作品かな?と聞き違うほどに。テナーだったらバリバリブリブリふおーロケンロール!と暴れる君になっていたかも。
→第一印象:4.2(5点満点)
【Dogs】 Nolatet
Jazz。はじめまして。ビブラフォン奏者Mike Dillonらで結成されたNolatetのアルバム。
- Brian Haas: piano
- Mike Dillon: vibes, percussion
- James Singleton: double bass
- Johnny Vidacovich: drums
全体的には和やかなムードもただよいますが、プレイの節々からヒリヒリしたテンションが伝わってきます。やっぱりフリー/即興重視めにパラメータ振ったテイクが好き。
→第一印象:3.6(5点満点)
【Travels】 Rhythm Future Quartet
Jazz。アコースティックギター二人、ヴァイオリンとベースという編成のカルテット。
- Jason Anick: violin;
- Olli Soikkeli: guitar;
- Max O'Rourke: guitar;
- Greg Loughman: bass.
これはもう全員が名手です。ひたすら芸に聞こ惚れるタイプの音楽。
ジプシー・ジャズとな。なるほど。ロマサガのアレンジアルバム【ラ・ロマンス】をガチ方面に尖らせたやつだ。
→第一印象:3.9(5点満点)
【The Myth of the Golden Ratio】 United Vibrations ★オススメ★
Jazz。United Vibrationsというグループの作品。ぱっとググッて日本語の情報がゼロ件だったらさっさと諦めてしまうので、彼らが何者かは謎ですが、United Vibrationsというグループ名にふさわしい、人種のるつぼ的な無国籍で多国籍で都会的で土着的で電化/無電化のバランスに優れた作品。ジャズ・ロック的さとなんか世界が雄大な『Far Far Away』組曲が秀逸。
→第一印象:4.1(5点満点)
【それは小さな光のような-special edition】 さユり
J-Pop。はじめまして。シンガー、さユりによる、アニメ番組【僕だけがいない街】(原作読んでいるので期待して見ている。原作未読の人が見たら、冒頭1話からとんでもない物語が始まる予感に胸をときめかすんだろうなあと想像しながら。シュタインズゲートや未来日記みたいに、1話にでかい謎を提示して終盤に返ってくるスタイル。目の前に竜王の城が見えるドラクエ1方式。)のエンディング曲『それは小さな光のような』を含むミニアルバム。
当の番組エンディングでこれがながれたときは、冒頭から放たれる濃厚なドリアンの香りからして本編出演者である悠木碧氏による歌唱かしらと思ったら、違う人であり、また作曲が梶浦由記氏であったり二度おドロイ足し台。確かにサビに至る転調(?)感は梶浦氏のお家芸だ。この1曲は近年のFateやアルドノア・ゼロなど、梶浦氏の気合入った曲のごたぶんにもれない良曲なのでぜひご賞味あれ。
さて、2曲め以降は、ググっていないので分からないが、シンガーさユり氏自身の筆によるものなのだろうか、作風がガラリと変わる。アコギで華奢ながらささくれだったスタイルは近年減少傾向にあるのかもサウンド。曲作りに強烈なものを感じるということはなかったが、『ふうせん』(メルトの変奏のようなイントロも印象的)のサビの第二主題(?)んところのブレスの入れ方(?)フレーズの区切り方が新鮮。
→第一印象:3.3(5点満点)
【世界収束二一一六】 amazarashi ★オススメ★
J-Pop。amazarashiの新作アルバム。前作【あまざらし 千分の一夜物語 スターライト】では、歌詞を絶対聞かないマンの私が、固く閉ざした扉をこじ開けられ聞き入らされ結果4.7と高得点をたたき出しながら、半期・年季のベスト選出対象から外すという当て付けをすることになったamazarashiの新作。
前作が何かの縛りプレイなのか楽器隊が変化に乏しくシンプルで引っ込んだ編曲になっていたので、逆に歌声ねじりこみ力が強調されていた。本作はその点、編曲への力の入れ方が格段に高まった&前作で歌詞を絶対聞かないマンもレベルアップしたので、比較的歌詞に惑わされることなく音楽を楽しむことができました。そして、歌詞の意味はフィルタリングして認知しませんが、楽器としてのボーカルの力強さはあいも変わらずであり、楽曲を盛り上げる編曲も縛りプレイがなくなってド派手に超強力になり、これまた比類なき作品に云々
→第一印象:4.5(5点満点)
【The Debut】高木里代子
Jazz。ピアニスト高木里代子のリーダー作。
とても出来の良いインスト系J-Pop。予想外にも、固定メンバーをもたないインストポップな作風。堅実なキーボードワークで、いまいちなインスト系J-Popをぷいっと吹き飛ばす存在にはなれども、Jazzミュージシャンとしてのアピールポイントがなにか聞ければ嬉しかった。アコースティックでもエレクトリックでもボーナストラックでもよいので、ストレート系な曲のデモンストレーション、できれば『Footprints』を。Footprintsは中華料理店における麻婆豆腐みたいなものだから。
HZETTRIOの話ではありません。
→第一印象:2.9(5点満点)
【Family Dinner, Vol. 2 (Deluxe)】 Snarky Puppy
Jazz。はじめまして。
- Michael League(b,band leader)
- Mark Lettieri(g)
- Cory Henry(key)
- Shaun Martin(key)
- Justin Stanton(key,tp)(vo)
- Mike Maher(tp)
- Chris Bullock(sax,fl)
- Marcelo Woloski(per)
- Robert “Sput” Searight(ds)
Guest Artists
- David Crosby (legendary singer, songwriter and guitarist)
- Michelle Willis (Toronto-based singer-songwriter and GroundUP recording artist)
- Jeff Coffin (sax player from the Dave Matthews Band, based in Nashville)
- Väsen (Swedish folk rock band)
- Carlos Malta (Brazilian flutist)
- Susana Baca (Peruvian singer-songwriter)
- Charlie Hunter (American jazz guitarist)
- Chris Turner (Oakland-born neo-soul/folk singer songwriter)
- Jacob Collier (British Jazz/Soul vocalist)
- Laura Mvula (British Soul singer-songwriter from Birmingham, UK)
- Becca Stevens (alt jazz/folk/pop singer and guitarist)
- Bernardo Aguiar (Brazilian percussionist)
- Salif Keita (Malian musician)
- Knower (EDM duo from LA)
- Ivan Neville (multi-instrumentalist and son of Aaron Neville of the Neville Bros.)
- Terence Blanchard (N.O. jazz trumpeter and bandleader)
- Jason Marsalis (N.O. jazz percussionist and brother of Wynton and Branford Marsalis)
- Nigel Hall (N.O. soul singer and keyboardist)
Jazz・・・なのか・・・?この大所帯による手仕事のステージングで演奏しうる音楽をおおよそ網羅している、かもしれない逸品。音楽性・ジャンルはひたすらにとっちらかり統一感も物語性もへったくれもない状態ながら、1曲1曲はそれぞれ名品に仕上がっている。全曲の中から、自分はこれとこれが好き、ワスはこれとこれとこれが好きだすほええと選曲すると、その人の趣味がよく分かるかもしれないショーケース。
ちなアタイの好みは、しっとりめから羽ばたくように展開する『I Asked』、どこにポリリズミックなズレが潜んでいるのかしらと耳をそばだてさせられるアフリカンな『Molino Molero』『Soro』、後半やっとこJazzの緊張感が出てくる『Don't You Know』、アメリカン・プログレ・ハードも脳裏をよびる『Be Still』、マグマから出てきてもおかしくないリフのゴリ押し『Somebody Home』、かわいいは正義だから正義はかわいいなパンクチューン『One Hope』。
プログレ厨的にはCentipedeのようなお祭り感があります。
→第一印象:4.0(5点満点)
【Energies of Change】 David Gilmore ★オススメ★
Jazz。ギタリストDavid Gilmoreのリーダー作。
David Gilmore: electric and acoustic guitars;
Marcus Strickland: alto, tenor, soprano saxophones, bass clarinet;
Luis Perdomo: piano;
Ben Williams: bass;
Antonio Sanchez: drums;
Kofo Wanda: talking drum (3)
デイビッド・ギルモアはデイビッド・ギルモアはでもPink Floydのデイビッド・ギルモアではない模様(たぶん)。なぜならば全然プレイスタイルが違うから。いまどきの複雑な構成、コリに凝って緊張感の高いリズム(ドラマーがイカしてる)と演奏を、コンテンポラリーな雰囲気も維持しつつ実現してる好盤。
→第一印象:4.2(5点満点)
【For How Much Longer Do We Tolerate Mass Murder?】 The Pop Group
Rock。ポストパンクの伝説的グループThe Pop Groupの2ndアルバム、1980年作品。
iTunesのニューリリースに突然あがってきたので再発かなにかでしょう。プログレ直系の文脈では語られることはないものの、プログレを基礎にしつつ従来の系統樹を忘れて純粋にプログレッシブな音楽を嗜もう、みたいな何かで語られていたのをどこかで目にしたような耳にしたような気のせいのような。まず、パンク(ここではロンドン・パンク)とは・・・長いジャンル語りがイカ続く・・・こういうハチャメチャな音楽について語る言葉を持っていないのが残念ですが、よいものです。たまには。とても。メチャハイもがんばれ。
→第一印象:3.9(5点満点)
【BLUE】 Trident<イオナ(CV:渕上舞),タカオ(CV:沼倉愛美),ハルナ(CV:山村響)>
J-Pop。沼倉愛美/渕上舞/山村響さんによるユニットTridentのラストアルバム。
いつもの
新春ブログ第3弾としてベストソングを物色しているがベタ情報量皆無になりそうなので取りやめつつ四天王は東山奈央/種田梨沙/早見沙織/沼倉愛美さんで決まりだなと思いつつじゃあJazz部門に着手しますかね。
— ふらくやん (@derutcarf) 2015年1月3日
沼倉愛美さんの歌手活動が好きすぎてたまらなくなると同時に、内田彩さんのコンセプト作を引き合いに出す・・・のはやめて、アニソン×テクノ音楽のある完成形・到達点なのだであると小飼弾言で候。これがラストアルバムになってしまうのは残念なあいもかわらずの好盤。1作に1曲は男子たちの曲が入っているのはなんなんですか!
→第一印象:4.0(5点満点)
【Live In Tokyo】 MARC RIBOT & THE YOUNG PHILADELPHIANS
Jazz。ギタリストMARC RIBOTの、タイトルから察するに・・・これは・・・来日公演!?
- Artwork – Ashura Benimaru Itoh
- Bass – Jamaaladeen Tacuma
- Cello – China Azuma
- Design – Gold Unlimited
- Drums – G. Calvin Weston*
- Engineer [Live] – Seigen Ono
- Guitar – Marc Ribot, Mary Halvorson
- Mastered By – Joseph Branciforte*
- Mixed By – Francois Lardeau
- Photography By – Hiroki Nishioka
- Viola – Takako Siba
- Violin – Yoshie Kajiwara
フリー・ジャズめなマーク・リボーしか聴いたことなかったので、この大人数でファンキーなジャムセッション音源は新鮮。新鮮だけど新鮮なだけ。ハッピーなジャムのなか、彼のトチ狂ったフレーズがあらわれるとほっと安心する。ハッピーなだけなジャムはこころが不安になる。音楽のハッピーさとわたしの心情は逆相でありんす。
→第一印象:2.5(5点満点)
【Night Rainbow】 WEAVER
J-Pop。はじめまして、WEAVERというバンドの最新作。『くちづけDiamond』のちょっとした後半インスト部分がtrueさんの『Story of Lucifer』とおなじく6×4のクロスリズムになっていて好感。
▼EAVER "くちづけDiamond" Music Video
www.youtube.com
2:14あたり〜
と
▼『Story of Lucifer』 / TRUE
www.youtube.com
のイントロ。ね?
構造的に面白いのはこれくらいだけど、その他、だいたい他の曲も同じタイミングで小ぶりなインストパートがあって聞き所になっている。ここ10年間でこのタイミングでギターソロでする曲がすっかり減った気がしますがいかがでしょうか。後半はバラード系の曲が増えてつらたん。
→第一印象:2.5(5点満点)
【Sou Vol.1】 Lee Ayur
J-Pop。 テクノ。
3+3+3+3+2+2の癒し系擬似変拍子から始まったとおもったら次は英詞のラップソングだったり3曲目に元のテクノに戻ったり4曲目はまたこんどはのんびりめの日本詞ラップだったり5、6曲目もラップで最終曲はしっとりとしたピアノソロでしめくくられ。あれれ。多数決的にテクノじゃなかったラップのミュージシャンであらせられましたか。私としてはこのミニアルバムのテクノトラックだけ拡大して全曲とおしていただければハッピーでした。
→第一印象:2.3(5点満点)
【あヴぁ階段~恋のノイズ大作戦~】 非常階段×あヴぁんだんど
J-Pop。ノイズ。初音階段、BiS階段などに続く異色階段シリーズ(戸川階段は同色階段)。ピアピアもしくはピュアピュアな音楽をノイズが陵辱する記録を聴くのは一種のぺけぺけイズム(サディなのかマゾヒなのかは己をどちらの投影するかによる)が刺激されてよいものですね。陵辱のしかたが手の込んだことをせず、単に素材にノイズをまぶしました的な雑な感じがいい。手の込んだことをしたらそれは秩序だから。雑こそノイズ。
→第一印象:ノイズ(5点満点)
【Pink Floyd's Wish You Were Here Symphonic】 The London Orion Orchestra
プログレ。
レコーディングはオリジナルと同じくアビー・ロード・スタジオで行われており、ロック側からはアリス・クーパー(Alice Cooper)やリック・ウェイクマン(Rick Wakeman)、そしてフロイドのトリビュート・バンドAustralian Pink Floyd Showのメンバーらが参加。演奏はロンドン・オリオン・オーケストラで、指揮とアレンジはピーター・スコールズが担当しています
http://amass.jp/67820/
- Wish You Were Here
- The Orchestra Tunes
- Shine On You Crazy Diamond (Parts I V)
- Welcome to the Machine
- Have a Cigar
- Wish You Were Here
- Shine On You Crazy Diamond (Parts VI IX)
- Eclipse (from the upcoming symphonic Dark Side Of The Moon)
とのこと。オーケストラの名を冠しながら、しょっぱな『Wish You Were Here』はボーカル、アコギ、ピアノの最小限構成でちょっとびっくり。いや、いいことです。編成にこだわらず、その曲に最適な編曲をするということは。
クレイジーダイヤモンドの長いインストパートは元から好きになれないシロモノだったので(でもMoonchild*2のあれはあるとき突然しっくりくる瞬間がきたので、そういうものなのかも)管弦楽になっても然り。
『Have a Cigar』『Welcome to the Machine』は原曲も好きな佳曲なので、編成が変わっても問題なし。シンセが弦楽隊に置き換わってもほとんど雰囲気が変わらないのがおもしろい。終曲『Eclipse』は逆に爽やかなRPGのエンディングみたいにセピア色そんな二人のなんたらかんたら。(はてなブログでは危険な行為)
おもしろみはありますがマストな品物ではない代物。
→第一印象:3.0(5点満点)
【DEEPER】 ヒトリエ
J-Pop。本ブログ的には【ルームシック・ガールズエスケープ/non-fiction four e.p.】以来の二作目。あいも変わらず過剰なの嫌いじゃないです。凛として時雨をボーカロイド感覚で料理して聴きやすく過剰な味付けで仕上げたかんじ、嫌いじゃないです。
→第一印象:3.0(5点満点)
【Palm】 山本精一
J-Pop。ギタリスト山本精一のソロ。アコギ一本で、オーバーダブもしくはルーパーかなにかの類を使用した一発録音された渋い作品集。露骨にミニマルミュージックする『Physrum』、ピースがフルな表題曲『Palm』がお気に理。
→第一印象:3.4(5点満点)