怪奇骨董たおやめぶりっこ

ますらおぶりに憧れるブログ。涙がちょちょぎれちゃう。だって怪奇骨董たおやめぶりっこだもの。

2015年12月に聴いた:King Crimson/ゆるめるモ!/LEX SADLER'S RHYTHM & STEALTH/Ibrahim Maalouf/Mike Moreno/伊藤かな恵/sasakure.UK/内田真礼/Stanley Clarke/Kneebody & Daedelus/Kneebody & Daedelus/Pia-no-jaC/Phew/小南泰葉/藤田麻衣子/アーバンギャルド/篠崎愛/Nujabes/栗林すみれ/ゆゆん/タルトタタン/H△G/TRUE/小島麻由美/石川綾子/A

12月分はぜんぶまとめてドン。まとめてドンなので量が多くなってしまって、いま、文章を削る作業をしています。今年は後半からイカゲーが忙しすぎて、会を重ねるごとに内容が雑になってソーリー。

オススメ印はシェフが気まぐれているとお考えください。

  • 【The Elements 2015 Tour Box】 King Crimson
  • 【YOU ARE THE WORLD】 ゆるめるモ! ★オススメ★
  • 【Polytronic】 LEX SADLER'S RHYTHM & STEALTH ★オススメ★
  • 【Red & Black Light】 Ibrahim Maalouf ★オススメ★
  • 【Lotus】 Mike Moreno ★オススメ★
  • 【カサナルケシキ】 伊藤かな恵 ★オススメ★
  • 【不謌思戯モノユカシー】 sasakure.UK ★オススメ★
  • 【PENKI】 内田真礼
  • 【D-Stringz】 Stanley Clarke - Bireli Lagrène - Jean-Luc Ponty
  • 【Kneedelus】 Kneebody & Daedelus
  • 【BLOOD】 ->Pia-no-jaC<-
  • 【ニューワールド】 Phew
  • 【僕を救ってくれなかった君へ】 小南泰葉
  • 【恋愛小説】 藤田麻衣子
  • 【昭和九十年】 アーバンギャルド
  • 【EAT 'EM AND SMILE】 篠崎愛
  • Luv(sic) Hexalogy】 Nujabes feat. Shing02
  • 【TRAVELIN'】 栗林すみれトリオ
  • 【カーテンコール】 ゆゆん
  • 【シロ・デューサー】 タルトタタン
  • 【Everlasting Night of Teenage Girls】 H△G
  • 【Joy Heart】 TRUE
  • 【Cover Songs】 小島麻由美
  • 【ANIME CLASSIC】 石川綾子
  • 【CHRONICLE I】 AYASA
  • 【YARN】 The Bed Room Tape

第一印象点はだいたい1.0(そっとじ)、2.0(いまいち)、2.5(ふつう)、3.0(よい)、4.0(とてもよい)、4.5(傑作)みたいなフィーリングです。

【The Elements 2015 Tour Box】 King Crimson

プログレ。我らがKing Crimson(Elements)の2015ツアーに伴う企画盤。2014BOXと同じく、1969年からリリース年までの歴史を初CD化音源をてんこもりしながら振り返る2枚組。内容についてはディスクユニオンのページを参考にしていただければと。

http://diskunion.net/portal/ct/detail/1006868949

Crimsonの企画盤は、単純にいいものです。足掛け45年間の様々なシーンで記録された歴史を初出し含めて振り返るのはいいものです。70, 80, 90, 2000以降がらがらとスタイルを変えつつも一貫してKing Crimsonであることを再認識。忘れかけていた深紅の神への信仰心を呼び覚まされる、細木数子さんの定期刊行誌のようなものです。

→第一印象:わたしは信者(シアワセニナル)

【YOU ARE THE WORLD】 ゆるめるモ!

アイドルグループ、ゆるめるモ!の新作。はっちゃけてぶっちゃけてうっちゃってはちゃめちゃでハイ(メチャハイではない)全方位(約八方)美人でかわいくなんでもありで実際なんでもあるが謎の統一感も緊張感もあって、アイドルの音楽にもさまざまな系統がありますが(以下ブヒブヒ語る略)。いわゆるひとつの有頂天なホテル(きのこではないが煙(えん)ファミリーめいている)。乱筆錯乱。ももクロが契機なのかしら、アイドル音楽がこれだけ奇喜愛楽メチャでハイ(メチャハイではない)であってもよくなったのは。奇喜サイドのメチャでハイ(メチャハイではない)な展開に心躍らせ、愛楽サイドの流れるような展開に心震わせる。音楽的に何でもありな多様性をアイドル歌唱で縛り上げて爆縮して爆発した。メチャハイもがんばれ。

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→第一印象:4.5(5点満点) ★オススメ★

[asin:B015ZJ9SEO:detail]

【Polytronic】 LEX SADLER'S RHYTHM & STEALTH

itun.es

Jazz。はじめまして。キーボード・ベース奏者Lex Sadlerのリーダー作。さまざまなミュージシャンをゲストに迎えながらの作品のよう。こちらもロバート・グラスパーかフライング・ロータスかといわれれば断然に後者側の音楽。

超絶!!<世界最高峰の人力グルーヴ×エレクトロニクス>による衝撃のアクロバティック・ジャズ!コリー・ヘンリー(スナーキー・パピー)やニア・フェルダーなど超豪華プレイヤーが集結した新時代の<ジャズmeets エレクトロ>快作!マーク・ジュリアナなどJazz The New Chapter 系リスナーからクラブ・リスナーまで悶絶!

http://mora.jp/package/43000011/4538182597156_F/

わかる。Polytronicという名前から連想するとPOLYSICSをワールドワイドにトテツモナクスゴイ化した版とも言える。あの手のボーカルはいませんが。Jazzとヒップヒップが、生演奏/打ち込みどちらをベースにするかの違いだけで、ほとんど不可分になってるんだなあと実感。iTunesのJazzカテゴリーの新譜をこうやって毎週チェックしている観測範囲で。

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公式チャンネルの動画が現時点で「視聴回数 29 回」とは悲しすぎる。

→第一印象:4.4(5点満点) ★オススメ★

[asin:B018DO3F0Q:detail]

Polytronic

Polytronic

  • LEX SADLER'S RHYTHM & STEALTH
  • ジャズ
  • ¥1681


【Red & Black Light】 Ibrahim Maalouf

itun.es

Jazz。たぶんフランスのトランペット奏者Ibrahim Maaloufのリーダー作。

  • François Delporte : guitare
  • Stéphane Galland : batterie
  • Eric Legnini : clavier
  • Ibrahim Maalouf : trompette & piano

最初はちょっとイカしたフュージョンかなと思いつつ、2曲目『Essentielles』で認識一変。アニメ番組1話の最後に流れるタイプの変則オープニング(以降は冒頭に)としてGet Wildバリに演奏されたし!リズムはひと工夫として全編7767拍子になっている。7拍子のスピード感が3小節目でさらに半歩加速する。その上に乗るメロディ・ハーモニーともシンプルながらシンプルゆえにベタな高揚感に包まれる。Jazzフィールドでありそうでなかった曲。長さも3分ちょいと短めなので、アドリブパートを適当にカットして90秒のTVサイズにしてさ。終盤の『Improbable』もその路線の一曲。

また『Escape』では、中東風の怪しげなパートから、これはメタル的(または『Fracture』的)にどかーんと何かくるパターンや!!と期待して、そしてじっさいに来たのが@@@@かー!という驚きもあり。ナニが来たのかは言いません。ネタバレになってしまうので。だいたい、音楽のレビュー記事はネタバレに無頓着すぎですよね!初めて聞く人のことを考えたことあるんですか??????!!!!!!!!!wwwww

アビシャイ・コーエン(ベーシストの方)ほどの徹底的な禁欲・厳格性を追求せず、ほどよいポピュラー感で仕上げたバランス感覚に脱皮ん。

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→第一印象:4.4(5点満点) ★オススメ★

[asin:B018T39EHE:detail]
https://itunes.apple.com/jp/album/red-black-light/id1038941032?uo=4&at=10lqt2

【Lotus】 Mike Moreno

Jazz。ギタリストMile Morenoのリーダー作。

  • Mike Moreno:electric and acoustic guitars,
  • Aaron Parks: piano,
  • Doug Weiss: bass,
  • Eric Harland: drums.

ベーシストの方は名前を意識したことなかったのですが、いわゆる神バンドです。コンテンポラリーな、なんてヒトコトで片付けてしまう訳にはいかないEric Harlandのやり過ぎドラムと、浮遊系ギターと綺麗めだけど陰りの強いピアノ(と堅実っぽいベース)の細やかな細やかなプレイを楽しむタイプの音楽。ここの変拍子がうひょーとか外部構造的ではなく。に、してもEric Harlandが自由すぎて楽しい。

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→第一印象:4.3(5点満点)

[asin:B018SJU87O:detail]

Lotus

Lotus

  • Mike Moreno
  • ジャズ
  • ¥1681

【カサナルケシキ】 伊藤かな恵

J-Pop。声優で歌手の伊藤かな恵さんの最新作。AmazoniTunesで配信されていなかったのかな?リリースに気づかず今になってCD盤で購入。本作に収められているベタでシンプルで前向きな曲の数々は、幼いめで可愛げの個性にベストマッチしている。よい制作体制に恵まれているなあと嬉しくなるアルバム。

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→第一印象:4.1(5点満点) ★オススメ★

【不謌思戯モノユカシー】 sasakure.UK

J-Pop。ボカロP、sasakure.UKの新作。

ボカロ第n世代以降の音楽は好みのタイプではないのであまり聞かないのですが、数少ない例外がsasakure.UK氏です。リズムが作曲されているから。プログレ厨の好物、作曲されたリズムです。4拍子4連符がドグマであるJ-Pop世界において、メロディ・ハーモニーだけではなくリズムも作曲対象に含まれている安心感。ミクロ/マクロにリズムが作曲されているからこそ、4拍子4連符の曲もドグマによってそうなったのではなく、意図的に必然性があってそこに落ち着いたと解釈できる安心感。

無骨な5拍子でごりおししてくる『ウバワレタケモノ』はむしろ珍しい例で、細かい単位でリズム感・テンポ感が伸縮する。さすがにポリリズミックな泥臭さはなく清潔なリズムですが、泥いのは人間の演奏を主体としたJazz海外勢におまかせしましょう。FLAKOみたいなことになると、ボカロPとしてのファン層からの逸脱が過ぎると思われるし。ボカロP世代の音楽性とプログレ厨的楽しみのベターな結合がここにある。

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▼(参考)FLAKO - DWARF DANCE

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→第一印象:4.2(5点満点) ★オススメ★

https://itunes.apple.com/jp/album/fukashigi-monoyukasy/id1055631974?uo=4&at=10lqt2

【PENKI】 内田真礼

声優で歌手の内田真礼の1stソロアルバム。ちかごろ(認知したのはビビッドレッド・オペレーションの頃から)何やらようすがおかしい内田真礼さんの万やらなんやらを持して発表された本作は、今年最大級の目玉商品じゃあないでしょうおか。

シングル1作目『創傷イノセンス』でソウいうエグめのアレでクルの?ヤバぽよジャン!!と色めきだったが、それから幾年、完成したアルバムはビンビンになった期待や不安に対してやや無難な取りまとめとなった印象。先の1stシングルや、アイマイミーのキャラソンasparagus」が鮮烈すぎたのかもしれません。あいまいみーほどではないにしろ聞き所はたくさん。戸松遥さんを幾分か高めなトーンにしたような印象。そういう意味かそういう意味じゃないかは置いといて、本作収録の名曲『からっぽカプセル』を『motto☆派手にね!』と並べて聞くと趣深いものがあるかも。

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▼【戸松遥motto☆派手にね!
www.nicovideo.jp

→第一印象:3.6(5点満点)

[asin:B0184T4R16:detail]

PENKI

PENKI

【D-Stringz】 Stanley Clarke - Bireli Lagrène - Jean-Luc Ponty

itun.es

Jazz。ベーシストStanley Clarkeのリーダー作。

  • Stanley Clarke(double-bass)
  • Bireli Lagrene(g)
  • Jean-Luc Ponty(vln)

という面白い編成のトリオです。本作はとにかくギターのBireli Lagreneが神業の連発で、ちょっとしたシーケンスのちょっとした装飾フレーズにまで妖精が宿っている。ヴァイオリンも負けじとドライでシャープで繊細なインタープレイで魅了してくれる。ベーシストはリーダーとしてグループを組織化し活性化し支え助け、ときどきちょっと失礼しますよと前に出てきて渋いソロを聞かせてくれたりもする。ワザマエ。音楽は俯瞰するとフュージョン世代のベテランらしいトーンで低刺激弱酸性でお肌に優しい系なのですが、個人プレイの聞き所だけで満足できるいっぴん。

余談ですが、本エントリーのドコかで登場している(はずの)ヴァイオリニスト石川綾子さん、AYASAさんの音源と比べて、ヴァイオリンに対する日本人/外人、あるいはクラシック/Jazz的な音作りのスタンスの違いみたいなものを考えさせられます。

→第一印象:4.3(5点満点)

https://itunes.apple.com/jp/album/d-stringz/id1067249545?uo=4&at=10lqt2

【Kneedelus】 Kneebody & Daedelus

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Jazz。JazzグループKneebodyと、音楽プロデューサー?Daedelusの連名作品。

  • Ben Wendel - alto sax
  • Shane Endsley - trumpet
  • Kaveh Rastegar - bass
  • Adam Benjamin - fender rhodes
  • Nate Wood - drums

The Bad Plusとか、あと、はとくに思い浮かばないけど、Jazzでメンバーを固定して「バンド名」を名乗るグループは個性的でおもしろいですね。Jazzカテゴリーになっていますが、ロックというかヒップホップというか、ロバート・グラスパーかフライング・ロータスかといえばフライング・ロータス側の音楽。ひとことでいうと、誰がこんな音楽聞きたがるんだ?という褒め言葉。

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→第一印象:4.1(5点満点)

[asin:B017Z2JT84:detail]

Kneedelus

Kneedelus

【BLOOD】 ->Pia-no-jaC<-

J-POP。ピアノとカホンのデュオユニット、ピアノジャックの新作。ファイナルファンタジーのトリビュートアルバムに曲を提供した(【Love SQ】収録『ビッグブリッヂの死闘妖星乱舞片翼の天使』:)所以も納得の本作。

全曲が架空のファイナルファンタジー楽曲のハイテンションなアレンジだと思って間違いない。と、前作と同じ感想です。まれにEL&P風の展開を見せるのも、EL&P風の展開でお馴染み妖星乱舞(もっともLove SQ版では肝心のEL&P展開部分は省略されていますが)からの間接技と解釈いたします。と、前作と同じ感想です。安定のクオリティ。本年のJ-Popインスト部門の新作は明暗きっぱりわかれがちですが、本作は明らかに明。

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→Pia-no-jaC←/Love SQ: ビッグブリッヂの死闘妖星乱舞片翼の天使
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→第一印象:4.0(5点満点)

Love SQ

Love SQ

【ニューワールド】 Phew

J-Pop。先月のHacoさんに続いて、伝説的ポジションのPhewさんが新作を出しました。なんど20年ぶり。アンダーグラウンド!聴くものをひたすら不安にさせる電子トラックに不穏なるボーカルが折り重なって。MAGMAの『De Futura』が降臨して地面に激突して飛び散ったようなアルバム。よく聴くとMAGMAっぽいフレーズや音色が聞こえなくもないし。

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▼Magma - De Futura (high quality)
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関連:
www.ele-king.net


→第一印象:3.9(5点満点)

[asin:B0183LXPE0:detail]

【僕を救ってくれなかった君へ】 小南泰葉

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J-Pop。シンガーソングライター、小南泰葉さんの2ndアルバム。

椎名林檎以降うんたらかんたら、なんていう紹介枕詞口上出囃子を避けられない個性派な小南泰葉さんの新作。本作を効き始めると小南泰葉さんのトレードマーク的な絶叫のような裏声歌唱はかなり控えめで、アルバムの折り返し『傷』でようやく顕になり、『3355411』でついに全開になる。もっともこれは既発の曲でまだ絶叫していた頃の音源という事情。身体に負担がかかるためか意図的な変化を狙ったのか知る由もないけれど、通常技から決め技のようになった。前作から何かを期待して聴くと面白い。

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→第一印象:3.6(5点満点)

[asin:B017Z7ALX6:detail]
https://itunes.apple.com/jp/album/bokuo-sukuttekurenakatta-kimie/id1057900883?uo=4&at=10lqt2

【恋愛小説】 藤田麻衣子

J-Pop。あいたかったりあいたくなかったり系(その結果震える人と震えない人)シンガーソングライターの2大巨塔といえば、陽の西野カナさんと陰の藤田麻衣子さんであります。シンガーとしての個性、作曲っぷり、編曲っぷりともに好対照であり陽の西の、影の藤田といわんばかりな藤田麻衣子さんの新作。あるいはそのグラデーションの中間に奥華子さんや川嶋あいさん(例えが古くて申し訳ない)を置いてもいいまおしれません。『あなたに恋して』のような明るめの曲でも、登場人物はそのあと死に別れそうな影がさし、瞬く星さえ死兆星に見えるのが魅力的。


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→第一印象:3.8(5点満点)

【昭和九十年】 アーバンギャルド

J-Pop。前作『鬱くしい国』もなかなかよい印象だったテクノ系?ミュージシャン、アーバンギャルドの2ndアルバム。誤解を招く言い方をすれば『地獄の沙汰も君次第地獄の沙汰オールスターズ(アニメ番組[鬼灯の冷徹]のOP曲)のわちゃわちゃノリが前編に渡っている印象。あるいは、上坂すみれさんを取り巻く音楽世界を、一般的なマーケットに向けてパッケージ化したような。「上坂マーケット」と、「アーバンギャルドを選択する層」では前者のほうが大きいんじゃないか疑惑もありけり。鬼灯の冷徹上坂すみれと言うのなら、音楽とたぶん歌詞も大槻ケンヂサブカルチックな文脈でああだこうだしたほうがよいかと思いますがそっちほうめんはよくわからないので。カジュアルなサブカルチックな沼への入り口、サブカルチックなアレコレの再定義、そういう感じで熱く語っていただきたい。誰かに。

音楽は、ピコピコしすぎない程度の調度良いテクノ・ミュージックで変化にも富んでいいて楽しい。ふつう男女ツインボーカルを聞くと男はすっこんでろよボケナスがと苛立つものでありますが、本作はそんなことはあまり思わせない加減がよいです。

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→第一印象:3.6(5点満点)

【EAT 'EM AND SMILE】 篠崎愛

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アイドルで歌手の篠崎愛さんのソロアルバム。富士山の人とまではいかなくとも、吉川友さん(の『花』)に匹敵する何かはかましてくるにちがいない・・・たのしみだなあ!と視聴もせず聞いてみたら普通に上手な歌手が普通に高品質なポップスを歌っていて、というか移動中のiPodから普通に上手な歌手が普通に高品質なポップスを歌っている曲が流れてきて、いや、こういうたぐいの音楽はフィルタリングしているはず!?と驚いて確認したら本作だったというね。アイドルの音楽にもさまざまな系統がありますが(以下ブヒブヒ語る略)。竹達彩奈さんはダイエット*1してもカロリーキャラなのに!

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[asin:B0183HGP96:detail]


→第一印象:2.1(5点満点)

[asin:B01806SNUE:detail]

Luv(sic) Hexalogy】 Nujabes feat. Shing02

J-Pop。Nujabesさんの新作?故人だったはず。とおもってググると・・・・

この作品はNujabesShing02のコンビが2000年から制作し続け、2010年にNujabesが急逝してからも引き続き「Part4」「Part5」「Grand Finale」の3曲が発表された「Luv(sic)」シリーズ6部作を1枚にまとめたもの。

http://natalie.mu/music/news/168660

Nujabesといえば愛聴盤サムライチャンプルーのサントラシリーズの楽曲提供に名を連ねているクリエイターの一人としてこっそりお馴染みの人。このエントリーのどこかで誰かのアルバムに対して「2000年代の地味系ヒッピホップっぽい」みたいなことを言っているはずだけど、本作がまさにそれ。古いスタイルながらも懐かしさがある。歌詞が英語なので、スタイルの古さ(歌詞を打楽器としてとらえた時の打点の取り方)が目立たないっていう利点もある。

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→第一印象:3.2(5点満点)

[asin:B0177S1AJW:detail]

【TRAVELIN'】 栗林すみれトリオ

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Jazz。はじめまして。ピアニスト栗林すみれのリーダー作。

  • 栗林すみれ(p)
  • 金澤英明(b)
  • 木村紘(ds-5,6,7,9out)
  • 石若駿(ds-6,7)

どこをググっても「ジャズ・ピアノのロマン派」という形容詞が出てくるので、そうなのか、それが彼女の二つ名なのか、とひとまず飲み込んで。この場合、「ロマン派」はどういう位置づけなのかきになります。

  • バロック/古典と近現代の中間に位置するように、Jazz史の何かと何かの中間に位置づけられる。
  • 構造的な技巧を拡大しつつも、感情的・詩的表現を重視する。
  • 曲調がロマンチックだから。

たぶん3番目かな?

ロマンちっくなJazzって聴くの難しい。ロマンチックさに耳を奪われてしまうと、ああなんか甘い音楽だったなーと曖昧な感想だけ残って、リピートする動機にはならない。音楽はカラっとしていて、構造や技巧が目立ったほうが記憶に残りやすい。本作では構造的で技巧的な『ダ・ダ・ダ』なども聞き逃してしまうリスキー。見かけの甘さに惑わされずしっかり細部に耳をこらせる人におすすめ。

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→第一印象:3.7(5点満点)

[asin:B0183M2O82:detail]

TRAVELIN'

TRAVELIN'

  • 栗林すみれトリオ
  • ジャズ
  • ¥1681


【カーテンコール】 ゆゆん

itun.es

J-Pop。はじめまして。女子バンドゆゆんのアルバム。

「ポストチャットモンチー」は、当のチャットモンチーが復調の兆しを見せているので、以前ほど血眼チダルマになって追い求めなくてもよくなったが、まだ油断はできない。女子バンド(ボーカルが女声であれば他のメンバーは問わない*2)を「アート/ロック/ポップ」の三類型に分けた時、「アート」部門です。

'60, '70年代から派生して'80,'90年代を迂回して21世紀に合流したような荒々しさがあります。あと、こんなおもしい曲があってね、と思っていたのはプレイリストの続きに入れていたタルトタタンの作品でした残念。

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→第一印象:2.9(5点満点)

カーテンコール

カーテンコール

  • redrec / sputniklab inc.
Amazon
Curtain Call

Curtain Call

  • ゆゆん
  • ロック
  • ¥1681

【シロ・デューサー】 タルトタタン

J-Pop。昨年の問題作*3【ガールズ・レテル・トーク】を発表したナンバタタンの「タタンのほう」、タルトタタンの新作。タルトタタンの単独作を聴くのはこれが初めてで、ナンバタタンの「問題」部分はナンバではなくタタンだったのかと納得の認識をする。圧倒的正義(かわいさ)担当のナンバ成分を欠いてだいじょうぶだろうかという心配は無駄でした。

柔らかくカワイイロックなんだけど、何かと耳に心に引っかかってくる。「女子がひたすら数字を読み上げる曲」(3776にも似た)『テテテテテン』、ボーカルAをセリフBがひたすら拒絶する『ザ・外泊』の2連発がハイライト。

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→第一印象:3.5(5点満点)

[asin:B011O6J8FQ:detail]

【Everlasting Night of Teenage Girls】 H△G

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J-Pop。日本のミュージシャンH△Gのアルバム。(もはやググりもしない雑さよ)

いい曲ずくめ。ボカロの総集編を聴いているかのような力作ずくめ。ボカロ曲の三過剰*4のうちひとつを欠いているのでバランスがよいポップです。本ブログ的には、この路線のいい曲ずくめジャンルでは、fhánaという目下独走中のトップランナーがおって、ずっと後ろをnano.RIPEが追随しているポジション。いい曲ずくめの本作ですが、fhánaに食らいつくような1曲があれば一目置かれる存在になるかと思いました。なんだこの上から目線。

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→第一印象:3.3(5点満点)

[asin:B0186D6YUW:detail]

【Joy Heart】 TRUE

J-Pop。アニソン系シンガー、TRUEの1stアルバム。元唐沢美帆さんだときいて驚いた記憶がございます。『ライヴ』などいい曲ですよね。

f:id:fractured:20151231135401p:plain

露骨に世界ふしぎ発見で知ったクチで、最後の再生日2009年は・・・?なんだろう。

唐沢美帆(Karasawa Miho) - ライヴ PV
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さて、アニソン系シンガーとして華麗に復活したTRUEさんの

『Story of Lucifer』はイントロからハッとする。6拍4連のクロスリズム(3拍子×2小節の塊と、その塊を4等分した拍が同時に鳴っている)だから。よい。この1曲でプログレ厨爆釣でございます。

▼TVアニメ「コメット・ルシファー」ミュージックビデオ『Story of Lucifer』 / TRUE
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コメット・ルシファーといえば、H△Gのところで引き合いに出した目下独走中のfhánaにより曲もあり、

▼fhána「コメットルシファー 〜The Seed and the Sower〜」MUSIC VIDEO
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このぶっちぎり感。これが過剰ってやつよ!

アッパー(AND/OR)ファンタジーなアニソン的な曲から、バラード『ailes』、さわやかな『DREAM SOLISTER』まで起用かつ巧みに歌い綴られた曲集。10年前より若返っているようなフレッシュとエネルギッシュ。

→第一印象:3.6(5点満点)

Joy Heart

Joy Heart

  • TRUE
  • アニメ
  • ¥2139


【Cover Songs】 小島麻由美

J-Pop。小島麻由美さんの過去のカバー曲集+新カバー曲数曲をまとめたアルバム。小島麻由美については、1stアルバムからじみーに追い続け、珍しくライブにも言って、閉場の時間間際までグッツが売れ残った売り子の人がいたたまれなくなってトートバックとサイン色紙を買ってみたりが良い思い出。それ以上は言いますまい。

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→第一印象:3.6(5点満点)

[asin:B015HQJ71Y:detail]


【ANIME CLASSIC】 石川綾子

itun.es

J-Pop。ヴァイオリニスト、石川綾子さんの新作は、前作のボカロカバーに続くアニソンカバー集。歌曲をインストアレンジしたときに歌詞=一音一音の音色変化が失われることによるエトセトラについては前作で。単一音程の連続や単純な上下運動のような、楽器化したときに劣化する部分も、音をぬいたり大げさ目に抑揚をつけたりと表現により抑えている。あんなに印象的な曲も言葉の音色変化に救われていたんだなあ、逆にこっちは言葉がなくてもよい旋律だったんだなあと再認識。

アレンジはカラオケクオリティでなにがあった。あれか、予算か、予算がないのか。編曲に力を入れたとして、それによる売上上昇が見込めないのか。なぜ見込めないのか。あれか、歌ってみたか。本作は歌ってみたの延長線上にあり、同じオケを共有した上で腕や個性を競い合うフィギュアスケートみたいなスポーツなのか。ならば、編曲に力を入れることはいわば金に物を言わせた不正である。不正はいけない。不正はなかった。フェア。スポーツとしてのヴァイオリンを聞かねばならぬのか。私が間違っておりました。

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▼原曲
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→第一印象:2.8(5点満点)

ANIME CLASSIC(CD+DVD)

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ANIME CLASSIC

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  • 石川 綾子
  • クラシック
  • ¥2241

【CHRONICLE I】 AYASA

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J-Pop。ヴァイオリニストAYASAによるPops作品。作風はファンタジーで、シンフォニックかというとそれほどでもなく、あくまでヴァイオリンのソロ演奏を強調した内容。石川綾子さんのとはこちなり、こちらはインストとして作曲された曲(たぶん)なので、歌詞があるからこそ成り立っていたメロディを楽器化することによる劣化感がなくてよい。

でもやっぱりバックトラックがしょぼくて涙目になる。ヴァイオリンを強調するあまりしょぼく聞こえるのか実際しょぼいのかは判断しかねるが、仮に後者だとして、なぜ、なぜ、よ、予算か、予算がたりないのか?葉加瀬太郎のクライズラー&カンパニーは駆け出しの頃からしょぼくなかったのは、バンドだからか、編曲・演奏を外注ではなく内製できるからか。じゃあ、Popsフィールドで活動するヴァイオリニストもレギュラーバンドを雇えば・・・よ、よさんか!よさんがたりないのか・・・。まるでオイルショック不況でメンバーを維持できなくなったプログレバンドみたいだよ・・・アベノミクス超がんばれ。

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→第一印象:2.9(5点満点)

[asin:B018GBTZXC:detail]
https://itunes.apple.com/jp/album/chronicle-i-ep/id1061835444?uo=4&at=10lqt2

【YARN】 The Bed Room Tape

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J-Pop。日本のミュージシャンThe Bed Room Tapeのミニアルバム。全体的に、2000年代(もう10年前!)のヒッピホップインスト曲のような懐かしみがあります。

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→第一印象:2.7(5点満点)

[asin:B017YVB1SM:detail]

YARN - EP

YARN - EP

  • THE BED ROOM TAPE
  • J-Pop
  • ¥1069

【Momentum】 Bill Evans, Eddie Gomez, Marty Morell

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【優しい皮膜】 The Brownies

https://itun.es/jp/rVCz_itun.es

よいおとしンジャーネ

*1:https://twitter.com/ayana_take/status/658282824164732928?lang=ja

*2:なんならバンドじゃなくてもいい、E-Girlsとか南波志帆さんとか

*3:主に『コミュニケーション過剰です』https://youtu.be/UmC48VzfdI4?t=251

*4:が、何かは過去に言ったような言ってないような。し、定義もまだあんまり確立してないような。仮に、過剰なテンポ、過剰な和風(ペンタトニック)、過剰な舞台設定、過剰なバンドサウンドとすると、本作では、過剰な和風(ペンタトニック)が欠けているので、ボカロ曲の過剰すぎてつらいわーという感情が生じない。ええ、ここでいきなり四過剰になってるくらい定義がゆれています。