怪奇骨董たおやめぶりっこ

ますらおぶりに憧れるブログ。涙がちょちょぎれちゃう。だって怪奇骨董たおやめぶりっこだもの。

2015年10月に聴いた(1):Steve Coleman/挾間美帆/Matthew Halsall/Michael Janisch/下村陽子/坂本真綾/Gilad Hekselman/Michael Wollny/Olivier Bogé/mille baisers/Haco/牧野由依/米津玄師

遅れに遅れているブログでございます。止めどなく続くイカゲーブーム。

イカゲープレイリストはこちら:
B級イカ日記 - YouTube

  • 【Synovial Joints】 Steve Coleman & The Council of Balance ★傑作★
  • 【Time River】 挾間美帆 ★オススメ★
  • 【Into Forever】 Matthew Halsall & The Gondwana Orchestra Gondwana
  • 【Paradigm Shift】 Michael Janisch
  • 聖剣伝説 LEGEND OF MANA Arrangement Album -Promise-】 下村 陽子
  • 【FOLLOW ME UP】 坂本真綾
  • 【Homes】 Gilad Hekselman
  • 【Nachtfahrten (feat. Eric Schaefer & Christian Weber)】 Michael Wollny
  • 【Expanded Places】 Olivier Bogé
  • 【Le Berceau】 mille baisers ★オススメ★
  • 【Secret Garden】 Haco
  • 【タビノオト】 牧野由依 ★オススメ★
  • 【Bremen】 米津玄師
  • 【Noise Join Inn】 非常階段×大友良英

オススメ印はシェフが気まぐれているとお考えください。

第一印象点はだいたい1.0(そっとじ)、2.0(いまいち)、2.5(ふつう)、3.0(よい)、4.0(とてもよい)、4.5(傑作)みたいなフィーリングです。




【Synovial Joints】 Steve Coleman & The Council of Balance

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Jazz。サックス奏者Steve Colemanのリーダー作。

名前だけは知っていたのよ。「M-Base」というジャンルの中心的な存在だって。だけど、ずーっとM-Baseは、Tとジャングルでエッチするような卑猥な音楽の類だと思い込んでいて、きょうのきょうまで実際の音楽を聞いていなかった。そしてきいて驚いた。いままで、「TZADIK RECORDSから出ているなんかアヴァンギャルドなJazz」と認識していのはみんなSteve Colemanの仲間だったのだ!と。そして凡百のなんかアバンギャルドっぽいやつは本作の前に吹っ飛んで霞んでしまいそう。

で、M−Baseとは何かと調べると「Macro Basic Array of Structured Extemporization」の略だという。

ティーブ・コールマンの提唱するM-BASEのコンセプトは、以下のようなものだった。

  • 構造に基づく即興演奏であること
  • 現代の状況に呼応していること
  • 人生経験の反映された音楽表現であること
  • 創造的な成長と、精神的な広がりを有すること
  • 非西洋的なものを取り入れること
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n332623

う、うん。で、その「構造」とは具体的にどんな構造なのかっていうのが、譜面などで解説してくれてるサイトが見当たらなくて涙目。「構造」だと明言しているのにも関わらず。ハーモロディクス理論みたいなあれなのでしょうか。具体的に、具体的な構造をだれか教えて下さい><><><><><><>

さらに、なんかアヴァンギャルドっぽいと雑に分類してきた音楽でもひときわの「何か得体のしれない理論がおこっている感」がたまらない。弦楽タイヤコーラスを含んだアンサンブルもよい。でも、やっぱり具体的に知りたい。

2015年にdCprGの新作【フランツ・カフカのサウスアメリカ】とこれが聞ける僥倖。

www.youtube.com

www.youtube.com

→第一印象:4.6(5点満点)

https://itunes.apple.com/jp/album/synovial-joints/id980714259?uo=4&at=10lqt2

【Time River】 挾間美帆

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Jazz。はじめまして。ピアニスト・作曲家の挾間美帆さんのラージアンサンブル作品。

  • 挾間美帆(cond, p on 6 & 7)
  • ギル・ゴールドスタイン(acc, on 3)
  • ジョシュア・レッドマン(ss & ts, on 8)
  • キャム・コリンズ(as, cl)
  • 庵原良司(ts, ss, fl)
  • アンドリュー・グタウスカス(bs, b-cl)
  • マシュー・ジョドレル(tp, fl-h)
  • アダム・アンズワース(hrn)
  • ジョイス・ハマン、サラ・キャズウェル(vn)
  • ロイス・マーティン(va)
  • メーガン・バーク(vc)
  • ジェイムス・シップ(vib)
  • サム・ハリス、アレックス・ブラウン(p)
  • サム・アニング(b)
  • ジェイク・ゴールドバス(ds)

ペペ・トルメント・アスカラール諸作ほどでもないなりの技巧とエロさ、Chris Potter Underground Orchestraほどでないなりのエレガントさを兼ね備え、高度な作編曲を凝らしながらも【Wide Angles】 Michael Breckerのように偏執的にならないポップさ。曲ごとあるいは曲中ラージアンサンブル<-->スモールコンボ、オーケストラ<-->室内楽をダイナミックに行き来する大と小をミックスが醍醐味なんだい。久石譲もびっくりな近代的な室内楽『Introduction』から、『Introduction』を相似拡大した構造にフーガの技法を持ち込んだその名も『Huga』にはバッハもびっくりしたシーンがハイライト。

www.youtube.com

→第一印象:4.5(5点満点)

[asin:B0161ETWBQ:detail]
https://itunes.apple.com/jp/album/time-river/id1036065941?uo=4&at=10lqt2


【Into Forever】 Matthew Halsall & The Gondwana Orchestra Gondwana

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Jazz。はじめまして。英国のトランペット奏者Matthew Halsallによるリーダー作。

  • Matthew Halsall trumpet,
  • Lisa Mallett flute,
  • Rachael Gladwin harp,
  • Keiko Kitamura koto,
  • Taz Modi piano,
  • Gavin Barras bass,
  • Luke Flowers drums,
  • Sam Bell percussion,
  • Chris Cruiks percussion (track 7 and additional percussion tracks 4 and 6)
https://matthewhalsall.bandcamp.com/album/into-forever

シャープなアドリブや複雑な展開で圧倒するタイプではなく、ベースが淡々としたリフで縁の下を支えながらミドルテンポでじっくり聴かせるタイプ。ハープと琴が織りなす神秘的な空気がよい。

www.youtube.com

→第一印象:3.7(5点満点)

[asin:B014Z8NQ26:detail]
https://itunes.apple.com/jp/album/into-forever/id1037579333?uo=4&at=10lqt2


【Paradigm Shift】 Michael Janisch

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Jazz。はじめまして。英国のベーシストMichael Janischが率いるバンドの作品。なんか大ボリュームだなあと思ったらCDだと2枚組だとか。

  • Michael Janisch – double and electric basses, percussion, live & post production electronics and effects
  • Paul Booth – tenor saxophone, flutes, bass clarinets, didgeridoo, percussion, hand claps
  • Jason Palmer – trumpet
  • Leonardo Genovese – piano, keys/synths, effects
  • Colin Stranahan – drums
  • Alex Bonney – live & post production electronics and effects

あれこれてんこ盛りな出だしだなあとおもって聞いていると『Movement II - Celestial Dictator』でわあなんだかDCPRGっぽいとびっくり。たぶん両者と共通の先祖があるんだろうなあ。そんなフレーズがテーマの一連の組曲が終わった後は、かなり即興性の強い演奏が続く。終盤、バップ味がもどってくると思った矢先のアドリブの入りがGiant Stepsだったりしたりしなかったりな『Crash』。ちょっとした即興小品を挟んで最終曲『Awakening』へ。Awakeの名を冠した曲は佳曲揃いの法則(Yesの『Awaken』しか頭にないけど)。単一モード(?)上でウワモノが立ち代わりつつジワジワと様相を変える盛り上がってくパティーン。最後だけ平和で大団円しとけばいいって魂胆か?全体として、即興てんこもりの中盤でちょっとダレるCD2マン組はちょっと冗長感あります。

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→第一印象:4.0(5点満点)

[asin:B014K03YDU:detail]

Paradigm Shift

Paradigm Shift

  • Michael Janisch
  • コンテンポラリー・ジャズ
  • ¥1681

聖剣伝説 LEGEND OF MANA Arrangement Album -Promise-】 下村 陽子

サウンドトラック。ゲームタイトル[聖剣伝説 LEGEND OF MANA]のアレンジアルバム。何も知らずに買って何も知らずに聴いたら1曲も知っている曲がなくていまさらどういうことかとググっている。あ、ああ。てっきり、[聖剣伝説2]かと思ったら、実際は'99年製のプレイステーション版だったという。どおりで。あっちはSescretでこっちはLegendでした。ゲームアレンジアルバム史上まれに見る奇作【Sescret of Mana】にイカにして挑んでくるのか!!と戦々恐々したのは勘違い。てへてへてへてへてへてへてへぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろ。

さて、本作は【Sescret of Mana】のような奇作ではないものの、ロマンシングサガのアレンジアルバム【ラ・ロマンス】のような良策。このブログのどこかでアレンジの強弱の話をしたと思いますが(どこかは分からないし、してないかもしれない)、原曲を知らないのでたぶんですが「強」に近いアレンジ。Jazzを基調にした誠実な編曲でとても好印象。Jazzであれば、ただJazz風にするだけじゃなく、しっかりJazzになっている。

→第一印象:3.9(5点満点)

https://itunes.apple.com/jp/album/sheng-jian-chuan-shuo-legend/id1040785971?uo=4&at=10lqt2


※ラロマンス
[asin:B00066W4KM:detail]



【FOLLOW ME UP】 坂本真綾

声優で歌手の坂本真綾さんの最新作。なにげに1stアルバムからリアルタイムで(地味に)追っかけている古参ぶりたいお年ごろですが、しょせんは「(地味に)」なのです。ポスト菅野よう子時代*1のさらなるポストを幕開けるよい作品。豊崎愛生さんや花澤香菜さんのような、いろんな音楽/ミュージシャンを媒介&増幅する神がかり的なイタコポジションに寄った感じなので。シンガーとしての魅力を介して音楽博覧会のようなアレ。

とあるとても良い曲を提供した人の関連作をさぞかしよいもんだろうと期待して聞いてみたらとんでもないクソアルバムだったのもいいおもいで。共同作業のなかで個人の才能が平均化されて駄作が生産されたのかしら、と。

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→第一印象:3.9(5点満点)

[asin:B015HR2HWY:detail]


【Homes】 Gilad Hekselman

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Jazz。はじめまして。ギタリストGilad Hekselmanのトリオ作。

  • Gilad Hekselman (g)
  • Joe Martin (b)
  • Marcus Gilmore (ds)

『Keedee』など今っぽいリズムのキレも聞こえますが、全体的には浮遊気味のコンテンポラリーなやーつ。アニメ番組[ジョジョの奇妙な冒険](第3部)のエンディングになってチメイドがうなぎのぼりな、パット・メセニーの名曲『Last Train Home』のカバーはおもしろい。どうおもしろいかはネタバレになっちゃうからいいませんが!

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→第一印象:3.7(5点満点)

Homes

Homes

  • Jazz Village
Amazon
Homes

Homes

  • ギラッド・ヘクセルマン
  • ジャズ
  • ¥1681


【Nachtfahrten (feat. Eric Schaefer & Christian Weber)】 Michael Wollny

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Jazz。はじめまして。ドイツ人(にん)ピアニストMichael Wollnyのトリオ作。

  • Michael Wollny / piano
  • Christian Weber / bass
  • Eric Schaefer / drums

作曲性の高い曲は甘さベースに現代音楽的なヒネリを加えた感じで、即興性の高い曲は邪悪さを孕んでいる対比がきれい。Jazzアルバムで1曲1曲が2,3分代とかなりコンパクトなのは珍しい。『Motette No 1』のような、ファンタジーさと緊張感のあるアドリブが合体するテイクさえもあっちゅうまに終わってしまうのは残念。


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→第一印象:3.8(5点満点)


【Expanded Places】 Olivier Bogé

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Jazz。はじめまして。フランスのマルチ楽器奏者、Olivier Bogéのリーダー作。

  • Olivier Bogé : Piano,Saxophone, Guitars, Fender Rhodes & Vocals
  • Nicolas Moreaux : Bass
  • Karl Jannuska : Drums
  • Guests : Manon Ponsot : Cello
  • Guillaume Bégni : French Horn
http://www.olivierboge.com/Listen/

フランス人んですがアルメニアの香りがほのかにします。叙情的だけどメロディックではなく、なんといいますかハービー・ハンコックの『処女航海』を高度に発展させたような。さりげないあくまでもさりげなくリズムの面白さもてんこ盛りで、まさに今現在を象徴するようなやーつ。爽やかな7拍子『Beyond the Valley of Fears』がお気に入り。

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→第一印象:4.0(5点満点)

[asin:B011WL9ET8:detail]
https://itunes.apple.com/jp/album/expanded-places/id1021620216?uo=4&at=10lqt2


【Le Berceau】 mille baisers

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J-Pop。はじめまして。

mille baisers(ミルベゼ)は、2013年に結成された横山千晶(ヴァイオリン)と小久保徳道(ギター)のデュオ。

http://www.j-sv.com/chiaki/mbprofile.html

ってぐぐって驚き。Amazon MusiciTunesのたしかJazzカテゴリーのニューリリースでみかけて買った気がするけど、実際聞いてみたらJazzさはかなり薄くて、もしかして気まぐれでワールドカテゴリーを回った時の産物かな?このヨーロッパ・ワールド・ミュージック風なのは、と思いながら聞いていたけれど、まさかのJ-Pop。

ジャンル語りはさておき。ロマサガのアレンジアルバム【ラ・ロマンス】を思い出すサウンド。架空のファンタジー系J-RPGゲームの本格派西洋民族音楽アレンジアルバムだと思うとしっくりくる。さりげなく愛聴盤。オンラインストアのJazzカテゴリーに入っていたよかった。


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→第一印象:4.4(5点満点)

Le berceau

Le berceau

  • mille baisers
  • ジャズ
  • ¥1833

【Secret Garden】 Haco

J-Pop。前衛方面の音楽家Hacoの最新作。Hacoさんは、'81年の【Glass Tube】After Dinner以来、断片的断続的にチェックしています。After Dinnerのインパクトが強すぎて、近年の作品はあまりぐっとこない印象。ディスイズアングラ、Too。

www.youtube.com

→第一印象:3.3(5点満点)

[asin:B00SYCRMMU:detail]

【タビノオト】 牧野由依

J-Pop。声優で歌手の牧野由依さんの最新作。アルバムを聴くのは【天球の音楽】(2006年)以来になります。悠木碧さんのようなアクと、丹下桜さんのようなコクを併せ持つ素敵なシンガーなんだなあと再認識して・・・と感涙ぐみました。曲も、ポップス、スローバラード、ファンタジー系と各種取り揃えられています。ダメ押しとして、豊崎愛生さんの『Dill』、悠木碧さんの『アールデコラージュ ラミラージュ』みたいなプログレ厨御用達の名曲が生まれれま完璧だったのにオシムラキー。

www.youtube.com

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豊崎愛生 Aki Toyosaki - Dill

www.youtube.com

悠木碧 アールデコラージュ ラミラージュ

www.youtube.com

→第一印象:3.9(5点満点)

[asin:B011YT9GR8:detail]

【Bremen】 米津玄師

J-POP。シンガーソングライター米津玄師の最新作。前作@@@@は、シンプルなアコースティック編成ゆえに普段歌詞を聞かない(メロディは聴いている)私に強引とも言える言葉の力でその歌詞世界に引きずり込まれた怪作でした。さて本作は打って変わって洗練されたJ-Pop。編曲もボーカルもしっかりJ-Popになっていて、そのぶん、いつものようにいつものようなポップスを聞いている意識状態になるので歌詞はいっさい頭に入ってこない。あまりに歌詞が入ってこないのであえて耳を澄ませてみてもこれといってぐっとくることは何一つ言っていない。歌詞がねじり込まれてこなければ本作はただの「ミスチルのような、なかなかよいポップス」にすぎない、フハハハハ米津玄師やぶれたりふは、ふは、ふははははは。

ここまで書いてブログの過去ログを検索してはて?あれ?と思う。amazarashiさんと勘違いしてました。はははははははははははは。

www.youtube.com

→第一印象:2.5(5点満点)

https://itunes.apple.com/jp/album/bremen/id1040960188?uo=4&at=10lqt2


【Noise Join Inn】 非常階段×大友良英

こんばんわ、月間ノイズのお時間です。ノイズについてはノイズを聴いたタイミングで、2,3回音楽哲学的なことを言ってしまったらもう何も書くことがなくなるます。だってどれもこれもノイズだし。ノイズ間の色の違い(ホワイトノイズかピンクノイズか/音楽的な要素の有無や構成)をあれこれレポートしても、ノイズはノイズなのでノイズに貴賎も優劣もないし。@@@@。ノイズガタリ3回め終わり。

→第一印象:ノイズ

[asin:B011PK8R94:detail]

Noise Join Inn

Noise Join Inn


【Nearness Of You-The Ballad Book】 Michael Brecker

itun.es

https://itunes.apple.com/jp/album/nearness-you-ballad-book/id14199087?uo=4&at=10lqt2

【いのちのかたち】 plenty

いのちのかたち

いのちのかたち

  • plenty
  • ロック
  • ¥2444


イカ、ソンジャーネ!

*1:小室哲哉プロデュースを離れた以降のhitomi」と類似のケースと思っていただければ