2015年7月前半に聴いた:Between the Buried and Me/PRISM/Noisycell/野田奈津実/寺村容子トリオ/John Zorn/Miles Davis/Daymé Arocena/Kenny Werner/fox capture plan/TOWA TEI/Charisma.com
マンメンミ。
オススメ印はシェフが気まぐれているとお考えください。
第一印象点はだいたい1.0(そっとじ)、2.0(いまいち)、2.5(ふつう)、3.0(よい)、4.0(とてもよい)、4.5(傑作)みたいなフィーリングです。
- 【Coma Ecliptic】 Between the Buried and Me
- 【In The Last Resort】 PRISM
- 【Sources】 Noisycell
- 【きいろい丘と砂のまち】 野田奈津実
- 【BLUE】 寺村容子トリオ
- 【Pellucidar】 John Zorn
- 【Harmon Gymnasium, University Of California, Berkeley CA, April 7th 1967 (Live FM Radio Broadcast Concert In Superb Fidelity)】 The Miles Davis Quintet
- 【Nueva Era】 Daymé Arocena
- 【The Melody (feat. Johannes Weidenmueller & Ari Hoenig)】 Kenny Werner
- 【COVERMIND】 fox capture plan
- 【CUTE】 TOWA TEI
- 【OLest】 Charisma.com
【Coma Ecliptic】 Between the Buried and Me
HR/HM。はじめまして。メタル/プログレ系バンドの7枚目だそうで。最近、メタル系はほとんどご無沙汰なのでちょっと気まぐれで聴いてみたところ。
メタルでプログレがかっているバンド/アルバムを聴くぞと思うとき、その評価基準となるのはDream Theaterの【Metropolis PT.2】('99年製)。【Metropolis PT.2】は、メタルっぽさプログレっぽさトータルコンセプトっぽさオープニングからエンディングの流れっぽさテクニカルっぽさボーカル/インストっぽさが、すべて「ちょうどいい」(「すごくいい」ではない絶妙なバランス)で、他の作品を聞くときの基準点にピッタリ。【Metropolis PT.2】を第一印象4.0点において相対評価できる。
では、本作は・・・じゃらじゃらじゃらじゃら~…ばん!
→第一印象:3.7(5点満点)
全体的には【Metropolis PT.2】を小ぶりにした印象だけど、シンセのシーケンスフレーズがサクサク鳴るところは加点。Heldon(仏のバンド)っぽいじゃん。
【In The Last Resort】 PRISM
Jazz。日本のフュージョングループPRISMの新作。【MODE : ODD】(2013年製)以来の2度目まして。前作の超絶プログレっぽさがだいぶ後退してキャッチーになった印象。(てースクエアなど一部を除いて)フュージョンってヘヴィメタルと同様アングラなジャンルだと認識しております、ので、とことんマニアック・オタキックに攻めてもいいんじゃないかしら。
→第一印象:3.6(5点満点)
【Sources】 Noisycell
J-Pop。日本のロックグループNoisycellの1stフルアルバム。イントロからごりごりテクニカルにメタルってデスって、サビで突然がらっと陽気なポップスになるのってJ-Pop特有の面白さがある。オンラインストアの試聴で前者部分を聴いてこれはごりごりテクニカルにメタルってデスった骨太のバンドか!と思ったらポップスだったというギャップ萌え。ちな、仮想的にヘビメタにポップスをくっつけた状態を経て、逆にポップスが全体を覆い尽くしたのがEllegardenの最終形態、比類なきキングオブポップスと化した、という音楽観。
→第一印象:2.7(5点満点)
【きいろい丘と砂のまち】 野田奈津実
はじめまして。日本のシンガーソングライター、野田奈津実さんの1stアルバム。ほんのちょっとチャットモンチーに似た節回しがあったり久石譲の頭頂部が見え隠れするピアノフレーズがあったり、なによりピアノの打鍵音が生々しくきこえるのがいい。
→第一印象:3.1(5点満点)
【BLUE】 寺村容子トリオ
Jazz。はじめまして。日本のジャズ・ピアニスト寺村容子さんの新作。トリオ作。あまり馴染みのない曲のカバーがメインの作品。編曲の技巧やアドリブのプレイは控えめに、メロディを聞かせるタイプでしょうか。オリジナル曲2曲もメロディック。何かのアルバムの何かの曲について12拍のかたまりを5+7で区切るのは珍しいと特筆しましたが、オリジナル曲『VIVID COLOR』がまさにそれ(テンポは1/2)で、もしかして比較的スタンダードなリズムパターンなのではと思いました。
→第一印象:3.7(5点満点)
【Pellucidar】 John Zorn
Jazz。John Zornさんの新作。Amazon MusicかiTunes Storeの「あんたのお気に入りアーティストの新作」みたいなレコメンドに上がってきたので。John Zornは携わるプロジェクト/音楽の幅が膨大広大すぎて、突然新譜出たよって言われましても文脈がさっぱり理解できないわけではありますが。ぐぐっても日本語の情報がいっさい出てこないのでそこらへんは謎のママにしておきます。
エレピとビブラフォンが主体となったキラキラした雰囲気を中心に、なんか個性的なエレキギターがちょっかいを出してくる展開。1,3,5曲目のようなミニマルな楽曲が好み。突然シリアスになる最終曲もそれに加えて。
→第一印象:3.6(5点満点)
https://itunes.apple.com/jp/album/pellucidar/id1003422869?uo=4&at=10lqt2【Harmon Gymnasium, University Of California, Berkeley CA, April 7th 1967 (Live FM Radio Broadcast Concert In Superb Fidelity)】 The Miles Davis Quintet
Jazz。
古くはMEGA DISC盤『CABINET TAPES 1967』、近年はLEGENDARY盤『BERKELEY 1967』としてよく知られる1967年4月7日カリフォルニア大バークレー校におけるマイルス・デイヴィス・クインテットのライヴ音源。当時、本公演を放送した校内FM「KALX-FM」所有のマスターを採用していると思われ、音質は良好。ロン・カーターのトラでアルバート・スティンソン(b)が参加している資料的にも価値の高い一枚。
Miles Davis (tp)
http://www.hmv.co.jp/artist_Miles-Davis_000000000001032/item_Harmon-Gymnasium-University-Of-California-Berkeley-Ca-Apr-7-67_6102556
Wayne Shorter (ts)
Herbie Hancock (p)
Albert Stinson (b)
Tony Williams (ds)
Harmon Gymnasium, University of California, Berkeley CA April 7, 1967
ミミタコなはずの『So What』のベースがなんかいつもと違うと思ってはいたけれど、ベーシストが別人とまでは見破れなかったざんねん。「音質は良好」じゃありませんが、演奏のテンションはとても高くてよいです。Herbie Hancockは殺気とヨレヨレは紙一重のちょっと後者っぽくはありますが。
ベースはRon Carterで、だいたい同じ時期のライブ映像。
→第一印象:3.6(5点満点)
【Nueva Era】 Daymé Arocena
Jazz。はじめまして。キューバのボーカリストDaymé Arocenaの1stアルバム。いまググってキューバの人だとわかったところだけど、キューバ感(中南米感)はほとんどなくて、アフリカ系じゃないでしょうか。5拍子の曲も当たり前のように入っていてヨカッタヨカッタ。
ロンドンとハヴァナでレコーディングされたデビュー・アルバム『Nueva Era』は、彼女のエレガントな魅力ぶりが際立つ作品。人気ドラマー、リチャード・スぺイヴンとともにUKジャズを牽引する実力派ピアニスト、ロバート・ミッチェル、ダラータ諸作を筆頭にクロスオーバー・ジャズ界から重宝される名パーカッショニストのオリ・サヴィル、ベースには、ホセ・ジェイムズの初期作品を支えた名手ニール・チャールズを揃えた世界水準のミュージシャンから成るバックバンドに支えられ、ジャイルス・ピーターソンと、長年ジャイルスのプロダクション・パートナーを務めてきたシンバッド、そしてダイメ・アロセナ自身がプロデュースを手掛けている。
http://www.beatink.com/Labels/Brownswood/Dayme-Arocena/BRC-476/
質素ながら緊張感の高い楽器隊に力強く粘りに粘る粘り腰のボーカルが響き渡る快作。
ライブ映像があるのでぜひ。
→第一印象:4.1(5点満点)
【The Melody (feat. Johannes Weidenmueller & Ari Hoenig)】 Kenny Werner
Jazz。はじめまして。ピアニストKenny Wernerのトリオ作品。
- Kenny Werner: piano
- Johannes Weidenmueller: bass
- Ari Hoenig: drums
The Melodyなんというタイトルとそのタイトルに相応しいメロディックな1曲目から、そういう系のアルバムかな?と思いきや2曲目から電気時代のマイルス風の曲になり、イカ、ハイになりそうでならない抑制されたテンションで続いていく。5拍子の曲も当たり前のように入っていてヨカッタヨカッタ。
→第一印象:3.8(5点満点)
[asin:B00ZB1RSTE:detail]
https://itunes.apple.com/jp/album/melody-feat.-johannes-weidenmueller/id1003499028?uo=4&at=10lqt2
【COVERMIND】 fox capture plan
J-Pop。「現代版ジャズロックをコンセプトとしたピアノトリオ」ことfox capture planの、早くも今年『UNDERGROUND』(第一印象点:3・7 http://derutcarf.hateblo.jp/entry/2015/04/26/215142 )以来2度めの作品。
『covermind』は、1990年代ロックの名曲群をまとめあげた究極カヴァ―!アンダーワールド、グリーン・デイ、ファットボーイ・スリム、レッチリ、他 による強力なヒット曲群がどう生まれ変わるのか!?
どう生まれ変わったのでしょう。'90年代ロックについてぽっかり穴が空いているので、ほとんどの曲の原曲をチャント認識していなかったりしました。チャントってのは、原曲のアレンジレベルまで諳んじられ、なるほどこちらはこういうふうにアレンジしてきたのか、と分別できるレベル。なので、いっそのこと、というか実質的に新曲として鑑賞していた。カバーアルバムの加点であるところの原曲との変化がすっぽりぬけた分、純粋に減点となってしまいました不勉強でごめんなさい。特に、前作のブリブリした好印象から一転してしまう、メロディックな曲は単純に間抜けな印象しか持てなくて。オリジナル・フルアルバム待ってます。
→第一印象:3.0(5点満点)
【CUTE】 TOWA TEI
J-Pop。テイ・トウワの最新作。テイさんも電気さんとは違った独特のテクノ道を歩まれていて、新鮮さは感じないけど決して古びない面白さがあります。
→第一印象:3.4(5点満点)