2015年5月後半に聴いたやつ:DCPRG/amazarashi/OMSB/petit milady/クウチュウ戦/theCharmPark/David Cross & Robert Fripp/Ceui/ジェッジジョンソン/angela/チリヌルヲワカ/猫叉Master/V.A./Yosuke Yamashita Trio
5月後半のやつ。比較的不作だった前回から一変して幸せな2週間となりました。が、もうスーパーファミコン以来@@年ぶりに据え置きゲーム機WiiUを買ってスプラトゥーンにかけくれているので、ブログ更新どころじゃないわ!と雑なトーンでお送りいたします。
オススメ印はシェフが気まぐれているとお考えください。
- 【フランツ・カフカの南アメリカ】DCPRG ★おすすめ★
- 【あまざらし 千分の一夜物語 スターライト】amazarashi ★おすすめ★
- 【Think Good】OMSB
- 【cheri*cheri? milady!!】petit milady ★ややおすすめ★
- 【コンパクト】クウチュウ戦
- 【Reverse & Rebirth】theCharmPark ★ややおすすめ★
- 【Starless Starlight】David Cross & Robert Fripp
- 【パステルエデン】Ceui
- 【テクニカルブレイクス・ダウナー】ジェッジジョンソン
- 【ONE WAY】angela
- 【アヲアヲ】チリヌルヲワカ
- 【follow slowly】猫叉Master
- 【H-A-J-I-M-A-R-I-U-T-A-!!】V.A.
- 【Chiasma】Yosuke Yamashita Trio
【フランツ・カフカの南アメリカ】DCPRG
Jazz。菊地成孔さん率いる日本のJazzグループDCPRGあらためdCprGの最新作。
タイトル通り、これまでのアフリカから南アフリカにシフトした・・・?・・・のか?表面上、「南米の音楽」という言葉から想像される音楽は聞こえてこないので、何か内部的な・・・DCPRGなのでリズムの構造が南米的な何かを発展させているんだろう・・・なあ・・・と想像しかできません。リテラシー低くて悲しい。
何がどう南米なのかはわからないものの、音楽性が大幅に変化したことはわかります。「アフリカ時代」のDCPRGから内部構造は複雑化したように聞こえる。こっそり複雑なことをやっているけど表面的には自然に踊れる、からかなり複雑な様子だけど少し耳を澄ませばノれるような変化。一周回ってTipographicaっぽくもあり。
→第一印象:4.6(5点満点)
https://itunes.apple.com/jp/album/furantsu-kafukano-nanamerika/id989694758?uo=4&at=10lqt2【あまざらし 千分の一夜物語 スターライト】amazarashi
J-Pop。日本人シンガー・ソングライターamazarashiさんのアルバム。【今日信仰ヒガシズム】以来の二度目まして。
中二的なことを言います。前にもどこかに書いたけれど、わたくし、意識的/無意識的に歌の意味を解釈しません。「1音1音ねいろが変えられる表現力の高めの楽器」という位置づけ。ボーカルは、メロディと言葉の持つ音色の組み合わせが美しいか否かが鑑賞の焦点となり、それは日本語でも英語でもコバイア語でも平等だ。amazarashiさんの前作は、その点では珍しく骨太のシンガーだなあ、と強い印象を持ちつつも言葉の意味はいつもどおりスルーして・できていた。
しかしながらの本作よ!
編曲がシンプルになりボーカルが強調されたことにより、ぐいぐい言葉が入ってくる。ただ音響的に聞き取りやすいだけではなく、興味をそそられる言葉が散りばめられている。一度言葉の意味を解釈し始めてしまえば、それは読み始めた漫画のようだ。漫画として作られたものを、普段は画集として鑑賞していたのが、ついうっかりストーリーに引き込まれてしまった状態。本作は藤子・F・不二雄異色短編集に出会い、読み、読み終わったような読後感・聴後感。
惜しむらくは、本作を配信でダウンロード購入したため、歌詞カードが手元にないこと。言葉が聞き取れないことはほとんどないのだけど、ここはカッコ「」つきなのだろうか、この一節の区切りはどこだろうか、末尾は疑問符なのか、判断に窮する場面がでること。【恋しちゃたんだ/たぶん気づいてないでしょう】と【恋しちゃたんだたぶん/気づいてないでしょう】では「たぶん」がどっちにかかるかでニュアンスが違う。そういうやつ。でもそれは、情報の欠落によって意図せず発生する文学性、ということにして歌詞をぐぐったりしないで楽しんでいる。
音楽も悪くない。
→第一印象:4.7(5点満点)
https://itunes.apple.com/jp/album/amazarashi-qian-fenno-yi-ye/id985950955?uo=4&at=10lqt2【Think Good】OMSB
J-POP。Hip HopグループSIMI LABのメンバーOMSBのソロアルバム。
上で、音楽を聞くときに歌詞の言葉を解釈しないと申し上げました。ラップの場合、ボーカルからメロディが欠損するため、それはほとんど打楽器になります。打楽器なのでまずは打点が命。
かつて(なぜか)Dragon Ashが煽る形でJ-Pop界隈に第@次Hip Hopブームが到来していた時、多くのラップの打点が、4拍子のトラック上に、2連符/4連符にびっちびちにクオンタイズされた単調な打点で退屈さMAXでした。その中でm-floのラップだけは打点に独特のまるでJazzのような節回しがあって例外的に好物でした。
それから何世代も時は流れて日本流も英語流もさまざまなスタイルを通過して現在のOMSBであります。打点にひたすら集中して聞くわけです。するとネバネバに粘った曲もあれば、ウンコを投げつけたくなるようなクオンタイズな曲もあり、なかなか一筋縄ではいかないものでした。むしろ、古臭くてダサくて思わず手に握りしめたうんこを投げつけたくなるような打点を演出としてやっているんじゃないかと思ったりもする。
ビードも連符もぐちゃぎちゃに歪んで打楽器演奏として採譜不可能なほど驚異的な打点の数々を見せつけてくる『Words from Hi'Spec』が最強の楽曲。
→第一印象:2.9(5点満点)
【cheri*cheri? milady!!】petit milady
J-Pop/アニソン系。声優で歌手の悠木碧さんと竹達彩奈さんによるユニットプチミレディの2ndアルバム。
ちょうどプレイリストの並びがOMSBの後で、その落差に痺れます。ハッピー。大ハッピー。OMSBを聞きながら眉間にしわを寄せて手にはクソを握りしめていつ投げつけてやろうかと虎視眈々ササクレだった気持ちが浄化されるハッピー。大ハッピー。脳内ブログに繰り返し書きましたが、悠木碧さんにおかれましてはシンフォギアのキャラソンみたいに声を張った歌声が好みでありまして、プチミレディさまさまです。その時に相棒の竹達彩奈さんと声のキャラがかぶってしまい、いつなんどき聴いてもどっちがどっちかわからないのは痛恨の極み。どちらにしてもハッピーなのだから。アップテンポな曲はSphere以上にめくるめくしていてハッピー。蟻プロジェクトそのものである『緋ノ糸輪廻ノGEMINI』は例外として、『つうこんのイチナノメートルorz』『恋はみるくてぃ』といったキャラチェンねらった曲は若干すべった感もご愛嬌。
→第一印象:3.6(5点満点)
[asin:B00WI275D8:detail]
https://itunes.apple.com/jp/album/cheri*cheri-milady!!-tong/id988305960?uo=4&at=10lqt2
【コンパクト】クウチュウ戦
J-Pop。はじめまして。日本のロックバンド、クウチュウ戦のアルバム。音楽を聴くときの評価軸のひとつとして、「プログレッポイ」と「パンクカモ」という対立項を置きます。プログレッシブとかパンクネスとか既存の言葉を使ってしまうと望まぬ突っ込みを招く危険があるので造語としています。それぞれが何を表すかはお察しくださいで省略しますが、とにもかくにも本作はプログレッポイとパンクカモを高度に行き来共存している印象であります。1曲目『追跡されてる』のようなラッシュが効いた曲の割合がもっと高ければよいのになあ。
→第一印象:3.4(5点満点)
【Reverse & Rebirth】theCharmPark
J-Pop。はじめまして。ぐぐっても誰だか分からなかったけどどうやら日本のミュージシャンらしいtheCharmParkの最新作。
エレクトロ系のバンドってことでよろしいでしょうか。がつがつヒット曲風にがっつかない曲作りが好印象。イントロから聴かせどころまで流れるように展開するのが好印象。ハイAメロ、転じてBメロ、ちょっとフックを挟んで転調しながらサビ、と1分間で3曲聞かされるようなめまぐるしいJ-Popはそれはそれで芸術的なのだけど長く当てられると胸焼けがしがちなので。十分にポップでキャッチーなのにそういうキツイ喉越しが感じられないのが好印象。
→第一印象:3.7(5点満点)
[asin:B00WRYT2TM:detail]
https://itunes.apple.com/jp/album/reverse-rebirth/id990070188?uo=4&at=10lqt2
【Starless Starlight】David Cross & Robert Fripp
プログレ。想像はしていたけれど・・・。フリップ師のサウンドスケープの海に、時々クロスのヴァイオリンがStarlessのテーマをほのめかす。・・・だけのアンビエント・ミュージック。
→第一印象:2.0(5点満点)
【パステルエデン】Ceui
J-Pop。アニソン系シンガーソングライター、Ceuiの最新作。
前作『パンドラ・コード』×2、前前作『First Eden』で「謎のプログレ女子」と位置づけていたCeuiさんですが、ここにきて180度くるりと回った作品を出してきました。ジャケットとタイトルの爽やかさから想像されるとおり、キラキラ系のポップで充填。いったい彼女は何者なんだとクエスチョンマークが終始飛び交い夜パッラッテきました。驚きなのは2曲目で、どこかで聴いたことのあるボカロ曲みたいなのが来たぞなんだなんだとiPadを取り出して曲名を見たら『Melty Moment』で、なるほど確信犯的パロディなのか恐ろしい子……!曲、編曲は原曲『Melt』の完全下位互換ながら、ボーカルがシンセから生身の人間になった大幅加点でプラマイゼロ。なかなかに攻撃的な試みこと!
→第一印象:3.5(5点満点)
【テクニカルブレイクス・ダウナー】ジェッジジョンソン
J-Pop。初めまして。iTunesの「オルタナティブ」カテゴリを試聴して回った時に、ジャゲ買いしました。ダウンロード配信でもあるんですねえジャケ買い。ジャケットが鶴田謙二のイラストだったので。鶴田謙二のイラストがジャケットのアルバムに駄作なしの法則です。鶴田謙二がジャケットのイラストを描いたアルバムを聴くのはこれが初めてかもしれないけれど。
序盤はただがーっとた音楽で刺激が足りずちょっと失敗だったかなあと思ったものの、中盤『My Arsenals』 から突然のプログレ展開で、そこでハッと目を覚まされてそこから先は一見脈絡もない(そして聞き直してもやっぱり脈絡はない)曲調の変化の連続で楽しませていただきました。
→第一印象:3.6(5点満点)
【ONE WAY】angela
J-Pop。アニソン系ユニットangelaの最新作。angelaのアルバムを聴くのは2006年【PRHYTHM】以来、だいぶお久しぶり。2006年当時【PRHYTHM】を買って聴いてあまりピンとこなかったので長らくスルーし続けていたのでした。が、近年アニメ番組[シドニアの騎士]の主題歌『SIDONIA』『騎士行進曲』を聴いて、なかなかふむふむ面白いと見なおしていたところの本作。
本作の魅力は、ふつう思いついてもちょっと恥ずかしいようなことを、極端に堂々と全力でやっているのが面白さを通り越してリスペクトめいた気持ちになってくるところ。『騎士行進曲』はアルバム版でへんてこなEDMまじりのリミックス。いにしえのJ-Popで頻発していた、シングル曲の価値を上げるために、アルバムでダサダサRemixされる事件を思い出して、むしろ微笑ましい。シングルの2曲目以降にダサダサRemixが何曲も入れられていたのは、担当するミュージシャンへの利益供与だと解釈して納得していた思い出。ちなみに、本作のRemixはへんてこですが決して悪くないということを補足させていただきます。
→第一印象:3.4(5点満点)
【アヲアヲ】チリヌルヲワカ
J-Pop。元GOGO!7188の中島優美を中心としたバンドの最新アルバム。前前作あたりには少しプログレっぽさもあったけれど、前作、本作はなりをひそめていて寂しい。
→第一印象:2.4(5点満点)
【follow slowly】猫叉Master
Soundtrack。ゲーム音楽作曲家、佐藤直之さんによる猫叉Master名義のアルバム最新作。やっぱりテクノ音楽は可愛い歌声の女子が歌うか、ゲーム音楽に限ります。こちらは後者。耳が幸せになるアルバム。
→第一印象:3.4(5点満点)
【H-A-J-I-M-A-R-I-U-T-A-!!】V.A.
J-Pop。ゲームTOKYO 7th sistersのキャラクターソング集。やっぱりテクノ音楽は可愛い歌声の女子が歌うか、ゲーム音楽に限ります。こちらは前者。耳が幸せになるアルバム。
→第一印象:3.6(5点満点)