2014年3月近辺のやーつ(Annabel/伊藤賢治/Omodaka/石川綾子/about tess/WITNESS)
いよいよ簡単に感想を書く企画も本格的に3月に入りました!あとちょっと。(2013/5~2014/1なんてなかった)。第一印象でひとこと、ひとことと言い聞かせながら。しかしついついあれこれ。今回に至っては参考音源を自作しだすしまつ。さて、3月分を消化するのに、あと、2回くらいですか、ね・・・。
- 《TALK》Annabel ★今回のオススメ★
- 《Re:Birth II -閃- SaGa Battle Arrange》伊藤賢治
- 《Bridge Song》Omodaka
- 《VOCALO CLASSIC》石川綾子
- 《Shining》about tess
- 《FACT》WITNESS
- 凡例
- 《アルバム名》
- 『曲名』
- 【アーティスト名】(敬称略)
- [番組名]
《TALK》Annabel
- Annabelさんの2ndアルバム。
- 『混線と対話』のショートバージョンがインターネットから聞こえてきたとき、思わず錯乱してしまいました。
Annabel 「混線と対話」。「Himitsu Girl's Top Secret」(2005年)以来のインパクトじゃないでしょうか。これ。ひょ。
— ふらくやん (@derutcarf) 2014年3月12日
推定14/16(7)拍子?
— ふらくやん (@derutcarf) 2014年3月12日
▼Annabel 「混線と対話」Music Clip(Short Ver.) - YouTube
▼Zazen Boys - Himitsu Girl's Top Secret - YouTube
なぜ錯乱してしまったかと言えば、私にリズムに対する16分の分解能がないため、『混線と対話』のリズムを正確に把握できなかったというわけ。で、何となく7連(1小節に対して7分割)で指折ってみたらしっくりきたので、「推定14/16(7)拍子?」などと言っていたわけです。それがどういう感覚なのか言葉では伝わりにくいかと思いましたので、音源をこしらえてみました。
- 0:03 :7拍
- 「ちーち・ち・ち・つ・ち・ち・」最初聞いた当時はこんなふうに聞こえた。客観的に聞き直してみると元音源に対して揺れている。
- 0:17 :8拍
- 「ちーち・ち・ち・つ・ち・ち・ち・」7拍よりは馴染んでいる気がしますが、単に速くなって区別が曖昧になったともとれる。
- 0:31 :6拍
- 「ちーち・ち・つ・ち・ち・」じゃあゆっくりしてみよう、と6拍。これはかなり揺れて聞こえ、ポリリズム感の心地よさに酔っ払ってしまいそう。人によっては悪酔いしてしまうかも?
- 0:45 :5拍
- 「ちーち・ち・ち・ち・」間を取って5拍。これはしっくりくる。原曲は5拍子系なんだろうと分かります。
- 0:59 :20拍
- 10/8拍子にして16分単位のリズムをちきちき入れます。ピアノのフレーズに注目すると、「じゃーん(7)、じゃーん(7)、ん(3)じゃーん(3)」と20拍を7+7+6分割している。さっきの6拍を3分割(をさらに2分割)とすれば、20拍を6.7+6.7+6.7している。
この図の、上段が6.7+6.7+6.7で下段が7+7+6。オリジナルの7+7+6に対してずれが徐々に大きくなってゆく。なので、さっきの「6拍」部分は、後半にかけて加速とも減速とも言えない奇妙な感覚になって聞こえるんじゃないかしら。さてはて。
タイトルを聞いて「プログレですか?」って聞きましたね(笑)。「時間と言葉」(YESのアルバム)とか 「太陽と戦慄」(KING CRIMSONのアルバム)みたいな感じかな、と。でも僕の曲はノイズを入れたり、変拍子だったりもするので、ハマる言葉もあると思うんです。
http://www.lisani.jp/interview-report/web-original/id80343
やっぱりプログレじゃないですかヤダー。
- その他、ひとひねり入れないと気が済まない曲がたくさん並んでいて大変よろしゅうございました。上で違うリズムを被せることで生まれた複数リズムが混成する揺れが実際に行われている『カラのなか』、今度こそ7拍子『青に融ける』、サビに入る直前付点8分のクロスリズム感が効く『スプリンタートリップ』など。アネクドテン、とまでいわないまでも、比較的ダークでダウーンな雰囲気が支配的だったのがラスト『スモルワールドロップ』の、痛み止めが効いてきた感は異常。
▼opening red data girl small worldrop Annabel - YouTube
→第一印象 4.3/5.0
《Re:Birth II -閃- SaGa Battle Arrange》伊藤賢治
- アルバム名通り、伊藤賢治さんによるSaGaシリーズのバトル曲アレンジ盤。
- 上坂すみれさんの時か別な脳内ブログかで申し上げたとおり、私、バトル曲というカテゴリーでは伊藤賢治さんの音楽はさほど好みじゃなかったりします。旋律的すぎて。その分、ゆったりした曲では真価を発揮しているんじゃないかという派です。
- ロマンシグ・サガシリーズは、1と2をスーファミでプレイしました。1は、「魔の島」に突然やってきたけれど準備不足だったから一旦エリアから出たら二度と入れなくなった(かつセーブしてしまった)思い出、2は、施設の建造計画をあやまって最終皇帝時点で完成が間に合わなかった思い出が蘇ります。まざまざ。
- アレンジ版としては、Re;birthシリーズの前作《@@@@》同様、弱アレンジ品*1で、特別な驚きや新鮮さはないけれど、当時の思い出で補正しながら楽しみましょう。
▼[SFC]ロマンシング サ・ガ - バトル2 - YouTube
やはり『バトル2』はいいものである。冒頭のベースフレーズは最後の1拍を削って7拍だったらなおよかったのにと惜しみつつも。惜しむだけではなんなので、雑に作ってみた。
一拍減らすだけでつんのめり感がでてとてもよいですね。
→第一印象 3.0/5.0
《Bridge Song》Omodaka
- 初めまして。
テクノ民謡の"Omodaka"が2年半振りにお届けするヌーベル民謡チップ料理のフルコース!
この機会に是非お楽しみ下さい。「大!天才てれびくん 2012」と「ギャラクシー刑事」のセルフカバー・バージョンも収録!
Amazon | Bridge Song | Omodaka | ミュージック | ミュージック
- これはいいピコピコですね。Lo-fiチップサウンドな、Hi-fiなピコピコ、エレクトリック、アコースティック、本邦の伝統芸能、西洋のクラシック、それらをどんな配分で料理すればおいしい音楽ができるかというレシピ集。
▼Hietsuki Bushi (Full Version)
→第一印象 3.5/5.0
《VOCALO CLASSIC》石川綾子
- はじめまして。「全豪ナンバーワン」というリアクションに困る文句で紹介されることが多いヴァイオリニスト【石川綾子】さんによる、「ボカロ曲」演奏集。
- それこそ中二の中二病のころによく考えていた「ボーカル曲を単純にインストにしたときに劣化する問題」。中二なりに考えた原因は以下の2点。
- ボーカルは言葉があることにより「一音一音、音色を変えられる楽器」だ。それを「単一音色の楽器」で奏でたときに、一音一音の変化がごっそり消失する。焼失分を補うだけの演奏は困難。
- それに加えて、ボーカルには「言葉の意味」があり、非音楽的な処理に意識が持って行かれる。インスト化し言葉から解放され、純粋に音楽の主旋律として歌メロを聞いたときに、相性が良くないとつらい。
- さて、この《VOCALO CLASSIC》は、どうだろう。アルバムを手にしておきながら言うのもなんだけれど、事前に原曲を知っていたのは『初音ミクの消失』『千本桜』『マトリョシカ』で、それ以外はこちらのインスト版が初見であり、これを書いている時点で原曲をまだ聴いていない。という前提で、これはよいインスト曲、そうでもない曲を(◎、○、△、×)の4段階で第一印象ってみます。
- 『初音ミクの消失』◎:原曲の早口なところを(クラシックギターの)トレモロで演奏するというインパクトが強烈。そのほかのメロディもよい。
- 『脳漿炸裂ガール』×:『初音ミクの消失』と違って、短音メロディ、単純な反復がしんどい。
- 『千本桜』△:メロディアスな曲なので問題ないけれど、歌詞の変化がなくなるため2コーラス目に入るとさっきと同じことが繰り返されているだけなので飽きる。
- 『桜ノ雨』△:イージーリスニング・・・ぐう。やっぱり2コーラス目カットで大サビ、そのままエンドなら寝なくてすんだかも。
- 『右肩の蝶』△:イージーリスニング・・・ぐう。サビから入ってそのままビバップ(アドリブ)してくれたら寝なくてすんだかも。ということを妄想させるピアノパートがあったから。
- 『六兆年と一夜物語』○:音域の変化がよく効いていて聞き惚れた。サビだけはどうにもならんけれど。
- 『マトリョシカ』×:正直しんどい。編曲者もはやりしんどかったからか、生声で入れられたセリフパートがかわいい。
- と、ひとしきり聴いたところで原曲に挑戦してみた。はい。
▼ボカロ「初音ミクの消失」を、ヴァイオリンで演奏してみた
▼高音質 「初音ミクの消失」 CD ver
→第一印象 2.0/5.0
《Shining》about tess
- はじめまして。
ツインドラム+ツインギター+ツインベースという特異な6人編成インストバンドabout tessの新作は、前作「1曲100分」の超大作『Song of the Bird』から一転、「10曲50分」という超絶にポップなアルバムです。
『shining』 | JUNGLE☆LIFE
- という煽り文句から妄想されるrovoのめくるめく感(リズムの多相性)はなく、トリオに比べれば同時になっている音がいくぶんか多いにしか感じられなかったのが残念><ちょっとばかしでもポストロック的なひねりがあればアタイ好みだったのだけれども。
▼about tess - shine (MUSIC VIDEO) from "shining" - YouTube
→第一印象 1.5/5.0
about tessと同じ「ツインドラム+ツインギター+ツインベースという特異な6人編成」な、'90年代クリムゾンをおすすめ。
▼King Crimson - The Talking Drum / Larks' Tongues In Aspic Part 2 - YouTube
《FACT》WITNESS
- 初めまして。
ステレオの限界地点を垣間見たよな錯覚を植え付けるスペーシーな横乗りサウンドと、
Amazon | WITNESS | FACT | J-POP | ミュージック
完全トリップ仕様に研がれたスラッシュ&ハード・コアな高速デッドヒート、
そこに、所狭しと散りばめられた伸びやかなヴォーカルと、粘着質のスクリームのコントラスト。
まさに、静と動を駆使した彼らの音楽は、もはや、ロックとダンス・ミュージックの
垣根を取り払った全くの新種珍獣、突然変異のサウンドラッグとしか表現のしようがない。
打たず、飲まず、吸わず、コイツはヘルシーにキマる。
- 『ape』の冒頭に一瞬、ホーミーが登場するので倍音フェチの方はぜひ。
- 『I hope I'm wrong』に一瞬、7拍子のインストパートがありましたので変拍子フェチのかたはぜひ。
- こちらからは以上です。
▼fact-witness (2014)
→第一印象 1.5/5.0
sosososoそんじゃーね。
*1:原曲を高い割合で踏襲し、主に音色のグレードを上げるアレンジ