怪奇骨董たおやめぶりっこ

ますらおぶりに憧れるブログ。涙がちょちょぎれちゃう。だって怪奇骨董たおやめぶりっこだもの。

「神話と伝説 〜第四章〜」MAGMA

ハマタイ!はい遅ればせながらマグマです。'05年仏「LE TRITON」で行われたバンド結成35周年記念コンサートの第4弾。第一印象★★★★

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  1. Zess
  2. In A Dream
  3. The Night We Died
  4. Otis
  5. K,A
  6. Kobaia


長きにわたって小出しに出てきた MAGMA 生誕35年祭ライブをおさめた DVD シリーズ「神話と伝説」もこれでラスト。「第四章」は、やがて Offering へと活動をシフトする前である '80 年代の楽曲、そして現時点での最新作「K.A」が目玉商品。相変わらず MAGMA ファン必見で、MAGMA ファン以外は全然必見じゃないという、このエントリーを書く意味がはたしてあるのか甚だ疑問な作品。

各論

Zess

「未完の大作」などと嘯いてずるずると引っ張って大仰なコンセプトとともに信者の期待を煽り続けている大曲。

各パートが黙々と淡々と自分のリズムをひたすら反復し続け、アクセントとなるぐにゃっとしたリズムのブレイクを挟みつつ永遠とクレッシェンドしてゆく猛烈な楽曲。ドラムはボーカルの人。

本編に入ってしばらく、詩を朗読するクリスチャンは舞台袖で青白いライトに照らされた後ろ姿のみ映し出され、その様子はホラー映画のよう。次第に盛り上がりいろんなものが憑依してゆくクリスチャンのボーカルは、マイクを縦笛のように扱う仕草をみせたり、サックスのブロウそのもの見たいな声を上げたり。なるほど内なるコルトレーンの魂とここで合体しているのだなあ。

続いて、ギターに怨霊はのりうつり、霊媒師クリスチャンがそれを乱舞させる。ひとしきり燃やし尽くすと、コーラス隊が加わってさらに長いクライマックスへ。

実に30分超。活動し始めのバンドが、対バンのステージ持ち時間 30 分でこいつだけで押し通したらとてもクールでホットだ。

In a Dream

Fender Rhodes による小曲。ローズはいいねローズはと普通に思っとけばよい。

The Night We Died

全曲からつながってアルバム「Merci」より「The Night We Died」を、ローズ+コーラス隊で。やがてクリスチャンの歌がやさしく入ってきて、最後はアルバム「Merci」のラストに流れる「死の音」。

Otis

Otis Redding に捧げられた名曲「Otis」。イントロのフレーズは「Try A Little Tenderness」ですって。へえ。「Meci」の収録曲はどれもこれもとても美しい。異端のアルバムだけど EL&P の「ラブ・ビーチ」みたいな扱いはなきようお願い申し上げます。慈愛に満ちたまま終盤に加速してゆく様は圧巻。ちなみにここでもドラムはボーカルの人。

YouTube - MAGMA "Otis" final cut(←リンククリック推奨*1


KA

プログレ業界 2004 年度最大の問題作「コンタルコス・アンテリア」の全編。ようやくクリスチャンがドラムに座って、温存していた力を存分に発揮する。この曲のすばらしさについてはログ「http://d.hatena.ne.jp/fractured/20071110/1194723043」参照。文句のないステージなのだけど、ここまで1時間見続けてきたので、さらに KA 全編約 45 分はさすがに疲れた。第 2 楽章を間引いたようなダイジェスト版でもよかったかなあなどと思ってしまう。

Kobaia

コバイアです。締めくくりのスペシャルステージより。4週間20公演で登場したメンバー&ゲストがすし詰め状態でコバイア。アナーキーなブラス隊の騒音で '70 年にタイムスリップ。ムッシュ・ブラスキスがまた見られてうれしい。新旧ボーカリストでデュエットって、とても感動的なシーンのはずだけど「こばーぃあー♪」だと笑っちゃうよね。

*1:fmt=18による音質/画質向上