怪奇骨董たおやめぶりっこ

ますらおぶりに憧れるブログ。涙がちょちょぎれちゃう。だって怪奇骨董たおやめぶりっこだもの。

マジカルエキゾチックツアー2008/「夏祭り鮮やかに」中山うり

某日(http://d.hatena.ne.jp/fractured/20080112/1200257578)に観たミニインストアライブですっかり魅了されてしまったミュージシャン「中山うり」さんでございます。音楽ジャンルとしては、ジャズになるのかな?音楽コトよくわからないあるよ。

ジプシースウィング、ミュゼット、タンゴなど世界中のアコーディオン音楽を絶妙にブレンド、去年(2007)CDデビューしたにもかかわらず、フジロックサマーソニックライジングサンと夏フェスを席捲、PC配信で記録的なセールス達成。超満員のワンマンライヴはすでに21回を数え"アコーディオンを抱えたシンデレラ"と形容されるシンガーソングライター。ミラクルヴォイスと絶賛されている歌声、アコーディオン、作詞作曲、トランペットも演奏するなど飛びぬけた才能にもかかわらず、現在、美容師としても活躍、都市生活からのリアリティーあふれる作品群を生み出し続けている。

http://www.worldapart.co.jp/uri/prof.html

とオフィシャルサイトに書いてある。すごくそんな気がしてきた!

4/24 中山うりマジカルエキゾチックツアー2008@赤坂BLITZ

良いライブでしたよ。小見出しもつけず箇条書き的にやんや書きます。

まず座席があってよかった。開演までの待ち時間〜ライブ終了まで何時間も立ってるのかなり苦手なんですよ。ロックめな現場だと人と接触したりするし。それがいやでポピュラーミュージックのライブに行くのが億劫になっているのです。じっくり演奏に耳を傾け演奏者を観たいわけ。今回はそれが叶ってとても嬉しい。

逆に、ノリのよい音楽ながら座席だと立ってがんばるのが好きな人にはちょっと物足りないのかしらなどと思ったりもしたけど、そこはもう心配ご無用な素晴らしい構成・演奏で、終盤〜アンコールにかけてぐっと空気が変わっていっきに自然と観客の体が動き出すがごとく盛り上がってゆく様は圧巻。小島麻由美の「皆殺しのブルース」(だったかな)に似た、加速しながら楽器隊が激しく格闘する曲が最高潮。

ゲストにブラスアンサンブル4管(トランペット/トロンボーン/サックス/チューバ)とヴァイオリンを迎えた。おおざっぱに言うと1曲1曲は比較的類似しているものの、考え抜かれた適材適所にゲストとの競演がメリハリになって飽きさせない。ゲストの人たちと何曲かレコーディングしたということだったので、それも楽しみ。

主役の中山うりの魅力は相変わらず。そこらは前に述べた通りでございます。

下へ、右へ、下へ、左へと配られる視線とゆるやかにうつろう表情。歌を歌うときは聴衆に向かい、楽器を弾くときは内なる音楽と向かう。歌の合間にある一瞬のアコーディオンでさえ内部へ向かい、すぐさま歌い始めると外に向かう音楽。それに伴う視線と表情。「視線は楽器」。アイドルが歌いながらのダンスとともに、視線の送り方を猛特訓される様をテレビで見たことがある。そういうことだろうね。中山うりの場合は天性なのだろう。そんな視線の楽器がつむぐメロディに一番ぐっときた。これはライブでしか聴くことのできないメロディ。全員好きになるわこれ。

http://d.hatena.ne.jp/fractured/20080112/1200257578

アコーディオンもトランペットもかっこいい。貫禄すらある。4管の人たちがそれぞれソロを取る段取りの最後は「大将登場」といった趣。アドリブ主体のセッションをもとても聴いてみたい。

MC。ライブにおける MC のおもしろさがよく分かる MC。ミュージシャンは、ティーヴィーショウで活躍するトークのプロフェッショナルとは全然ちがうのです。曲間の MC は、本当に他愛もないこと些細なことをしゃべるのです。でも、「同じ空間で数百数千人が逸る気持ちで耳を澄ましている状況」が醸し出す独特な空気ってのがおもしろ可笑しいのです。ティーヴィーショウやライブショー*1の中で作られたキャラクターの話を聞くのと、ミュージシャンが素でなにかしゃべっているのは全然違ってよい。

そんなかんじ!

「夏祭り鮮やかに」中山うり

中山うり最新作 EP。第一印象★★★★

映画『あの空をおぼえてる』の挿入歌として、1stアルバム『DoReMiFa』収録の名曲と誉れ高い「月とラクダの夢を見た」「夏祭り鮮やかに」が映画のハイライトシーンで使用。これらオリジナルと映画のために新たにレコーディングした「月とラクダの夢を見た (Harp Ver.)」「夏祭り鮮やかに (Instrumental Ver.)」の4トラックに加え、サンバ・カリオカのリズムが軽快、途中セカンド・ライン・ビートも飛び出す中山うりならではの春の新曲「カーニバルの午後」と、高田渡「生活の柄」のカヴァーを収録した好企画なミニ・アルバム。

http://www.towerrecords.co.jp/sitemap/CSfCardMain.jsp?GOODS_NO=1764880&GOODS_SORT_CD=101

6曲30分弱。これくらいのサイズでさーっと流れてゆく音楽のなんと心地よいことよ。ボーカル+アコーディオンアコースティックギター、ベース、ドラム、パーカッションによる緩やかで暖かくも小気味よく跳ねる。絶妙に整理されている中でもたくさんの音が鳴っていて、その一瞬一瞬をいろいろな音に耳を傾けられるのが好き。

企画盤ならではの、「月とラクダの夢を見た harp ver.」と「夏祭り鮮やかに inst ver.」が聴き所。前者は、ハープがきれいなコードにさらりと乗っけるテンションの響きが美しすぎて卒倒しそうになる。後者は単なるカラオケじゃなくって、ボーカルの替わりにアコーディオン&トランペットによる演奏。原曲ではアコーディオンソロだったところからトランペットがやってくる。アコーディオンの息づかい(ふいご使い)に聞き入ってしまう。

ちょっとした時間にさっと聴くに最適。

YouTube - 中山うり 夏祭り鮮やかに

中山うりを見たのをきっかけにアコーディオンを買ってしまったことはここだけの話にしておいてください。

*1:MC込みのエンターテイナーとして洗練されている人