怪奇骨董たおやめぶりっこ

ますらおぶりに憧れるブログ。涙がちょちょぎれちゃう。だって怪奇骨董たおやめぶりっこだもの。

「Uninvisible」Medeski, Martin & Wood

新入荷品。Jazz、かな、いちおう。2002年米製。ジョン・メデスキ、ビリ−・マーティン、クリス・ウッドによるトリオ。ブルーノートからの4枚目。第一印象★★★」。

Uninvisible

Uninvisible

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ジャムです。ひたすらジャム。いんぷろをじゃむじゃむじゃむった音源を編集加工してまとめあげたもの。

驚きなのは、今時の人のジャムが古今東西もろもろの音楽が闇鍋的に放り込まれどろどろに煮込まれている煮込まれ具合。ジャズらしいジャズも、ハードロックらしいロックも、テクノらしいテクノも、ヒップホップらしいリズムも、レゲエ/ダブっぽい構造・音響も、プログレッシブロックらしいプログレも、みんなえいやと畳み込まれて煮込まれている。

アフリカ、アジア、南アメリカの奥地にはまだ誰もしらない不思議で素晴しい動植物や、蛮人の未開文化があった
。個人の趣味でそれらを収集して自宅に「驚異の部屋」をつくるという素人による博物趣味が隆盛した。今日の学問的な博物学、博物館のの萌芽でもある。

http://chaosch.blog106.fc2.com/blog-entry-141.html

tumblrdashboard は他人の収集した物のカタログ&倉庫で、表に見える blog が「驚異の部屋」そのものなのだと思うのだの。ここで例示されているオタクが収集する物や分類する属性をそのまま音楽的な諸要素に置き換えれば、21世紀の先進的な音楽の様相が見えてくる。ようなきがする。

「驚異の部屋」的な音楽を現代的な意味で広義の「プログレ」と呼びたいわけ。で、メデスキ、マーティン&ウッドで聞ける「驚異の鍋」も準じるかたちでしかりだ。「驚異」を作り出す術に関しては、ジャズのミュージシャンに一日の長があるように感じる。また、昨今の日本のインディーズロックがさりげなく驚異の小宇宙と化している*1のはとても興味深い。

(-_-) 話の脱線、大好き!

さてさて本作ですが、個人的にはダブのかこーんかこーんかこーんというディレイが生理的に苦手です。スクラッチはドラムのおかずという観点で心地よいアクセントです。ファンクは感覚的に好きです。ハモンドオルガンはなんでこんなに魅惑的なんだろう。それよりなによりも、きりきりと悲鳴を上げるメロトロンが大好きです。まさに驚異の鍋ですね。

YouTube - Medeski Martin & Wood the letter

「Medeski Martin & Wood」で検索すると、ファンキーなジャムがこんもり見つかりますが、わたくしとしてはこいつのような、混沌→秩序→破壊みたいな相転移的音楽がお気に入りです。

YouTube - mmw Medeski Martin and Wood 9-26-01 encore

コンサートのアンコールで自由奔放な三人。高房筆を選ばず。

*1:そしてメジャーシーンをも着実に侵食している