怪奇骨董たおやめぶりっこ

ますらおぶりに憧れるブログ。涙がちょちょぎれちゃう。だって怪奇骨董たおやめぶりっこだもの。

「BLINDS & SHADES」Florian Ross Trio

新入荷。2003 年製品。「欧州でも栄誉のある賞の一つWDR JAZZPREIS 2006」を受賞した*1ドイツ人ピアニスト、フロリアン・ロスによるトリオ作品。スタンダード以外は全編オリジナル曲。第一印象★★★★


BLINDS & SHADES
アーティスト: Florian Ross Trio
出版社/メーカー: INTUITION
発売日: 2004年09月01日
メディア: CD 
http://ax.phobos.apple.com.edgesuite.net/images/badgeitunes61x15dark.gifFlorian Ross Trio - Blinds & Shades
  • Florian Ross (piano)
  • Remi Vignolo (acoustic bass)
  • John Hollenbeck (drums) on 1-6, 10
  • Martijn Vink (drums) on 7-9
  1. Toss And Turn
  2. Ev'ry Now And Then (Pause And Think Again)
  3. Getting There (Is Half The Fun)
  4. Grande Tristesse
  5. Farewell
  6. Bookend
  7. Julia
  8. Bye Bye Blackbird
  9. Goodbye

視聴:http://x-rec.com/SHOP/SPE-955.html / Musicline.de - Ross, Florian Trio: Blinds And Shades


欧州ジャズの秀作。軽快に『逸脱』したhttp://d.hatena.ne.jp/fractured/20071007/1191780085、うっすら『逸脱』をみせるhttp://d.hatena.ne.jp/fractured/20071008/1191860548に続いては、ヨーロピアンでコンテンポラリーな『範疇』ど真ん中の秀作。

ピアノは端正で、技巧で魅せるところも情緒で聴かせるところもとても上品。ゆるい演奏でお茶を濁されてげんなりみたいなこともなく、緩急ともに緊張感があってよい。片手でピアノに手を突っ込んで弦を直接鳴らして、もう片手で鍵盤を弾く(と推測)暴れっぷりも披露。紳士が一瞬ぎらつかせた目にむねきゅん。あとは、ジョン・ホーレンベックのドラムの押しや圧しが強いのが好み。

えとー。ええと。悲しいかなジャズ初心者のわたくしにはこれ以上なんか言うことができません。ジャズ上級者的な評論と対比させると、当ブログのお粗末さがあらわになってジギャク。

リーダーのピアノは,アブストラクトな右手のフレージングに,初期スタンダーズ好きを臆面もなくアピールする,硬いタッチとコード打ちのキース信奉者。いっぽうで,アルペジオに叙情性を絡めながらも,劇的な移調や,左手の充分に利いたメカニカルな変拍子など,作編曲面で当時代性を作っていく,メルドー・イデオロギーにどっぷり染まったスタイルが身上。なにぶんにも若いのでやや青臭いところもあるものの,技量は確か。キースからメルドー方向のベクトルを,グループ表現の精緻化から捉える視線は如何にも現代的で,単純なキース・フォロワーとは似て非なるもの。彼はナクソスにも,管弦楽を付帯したトリオ盤なんか作ってますし,フィリップ・ヴィレやスヴェンソン・トリオも充分に意識した上でのグループ本位なアルバム作りの姿勢は,明確な意志の上に成り立っていることを伺わせるものです。

http://www.geocities.co.jp/Hollywood/6421/shelf-93/jazzlibrary-93.htm

(´ι _`  ) あっそ!

レジェンド超人達のバップスタイルのジャズはどれを聴いても作編曲が紋きりであまり面白くないよ、という諸兄は、こういう現代的なところから入ると楽しめるんじゃないかしら*2。だから、こんな感じの次の一枚を教えて><!

以上、ムーディー自虐がお送りいたしました。

MySpace Video: Florian Ross Trio

*1:http://x-rec.com/SHOP/SPE-955.html

*2:もちろん、いきなり前衛方面に突入するほうがスリリング。