怪奇骨董たおやめぶりっこ

ますらおぶりに憧れるブログ。涙がちょちょぎれちゃう。だって怪奇骨董たおやめぶりっこだもの。

「Fall」Evgeny Lebedev

新入荷。Jazz。2007年、ロシア製。モスクワ生まれ録音時二十歳のロシアっこのデビュー作品。第一印象★★★★

Fall

Fall

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  1. Wayne's Footprints(W.Shorter/E.Lebedev)
  2. You Don't Know What Love Is(Raye/Depaul)
  3. Intro
  4. 24th Of May(E.Lebedev) *
  5. Golden Sands(E.Lebedev)
  6. Journey For Two(K.Garrett)
  7. Russian Dance(E.Lebedev) *
  8. Fall(W.Shorter) *
  9. Above The Clouds(E.Lebedev/N.Moiseenko)
  • Evgeny Lebedev (piano
  • Anton Chumachenko (bass
  • Alexandr Zinger (drums

*:オフィシャルサイトでフル視聴&ダウンロード可能

オフィシャルサイトで聴けるやつ

#4「24th Of May」

イントロからびりびりと痺れますね。やるき満々の Jazz-Rock。Jazz-Rock ってタグもかなり定義があいまいな buzzword なんですけど、ここでは「ロックのビート構造に乗っかったジャズ」くらいにお茶を濁し呑みしておきます。ジャズドラマーが叩くロックのしなやかさ(イアン・ペイスみたい?)、ウッドベースがうねりあげるノリが、Jazz-Rock のたまらないところ。

#7「Russian Dance」

イントロの 6/4 + 5/4 リフはドリーム・シアターから俺はこんなもんじゃないまで、リズムに味付けをするのが好きなミュージシャン御用達。ワルツの循環と5拍子のスピード感を併せ持つお得なリズム。このリフできびきびしたりワルツで優雅に踊ったりいつのまにか5拍子になってたり、それが突き抜けて民謡的 SE で黄昏たり。なにわともあれ、「うんぱっぱ、うんぱっ」という5拍子の擬似ワルツのノリが大好きである。

#8「Fall」

ネフェルティティ+4

ウェイン・ショーター作。繰り返すメロディの合間を縫うように独自のフレーズを織り込む前半、そこから叙情的で抑揚の効いた印象派的なソロへ。すてきですね。

原曲は、マイルス・デイビスのアルバム「Nefertiti」。これはもう失神しそうな傑作ですのですのですよ。



その他かいつまんで

#1「Wayne's Footprints」

[asin:B00000DCH1:image]

ウェイン・ショーター作。ねじ伏せた。「Footprints」がこんなおしゃれになるなんて。冒頭から魅せ付けてくれます。

原曲は、マイルス・デイビスのアルバム「Miles Smiles」。これは失神はしないけど十分わっしょいできる好盤なのですよすよ。



YouTube - Miles Davis - Footprints - Complete Concert (2 of 4)

こちらがマイルス・デイビス・カルテットの演奏。

ごらんのように、元ネタはもんのすごい緊張感に包まれて聴いてるこっちが正気を失いそうになるネタなのですが、エヴジェニー・レベデフはこんてんぽらりーな感じに仕上げました。

#2「You Don't Know What Love Is」

これはみんなが思い描く「バーでかかってそうなジャズ・バラード」。ニコニコ動画に何かしらの曲がこういうアレンジで公開されるとすぐさまコメントが仮想バーに変容し、「自分の知っている酒の銘柄」で醜い優越感ゲームが繰り広げられる、罪な音楽。誰だ、「ジャズ」=「こういうバラード」という印象を世に広めたのは。ビルの野郎かこんにゃろめ。

#3「Intro」

「24th Of May」へつながるイントロ。「24th Of May」の冒頭にも表れる、ディレイのかかったピアノの和音にリズム隊がねちっこく絡みつく1分間。こういう言い方は間違ってるかもしんないけど、これはアコースティック&人力によるエレクトロニカF-Zero の BGM に似合う感じ。

余談ですけど、F-Zero GX のこの曲・・・

・・・がとてもお気に入りになんですけど、「こういう曲」をもっと楽しみたければ、ジャンルの誰をあたればよいですか?教えて!><

#5「Golden Sands」

技巧的なピアノソロ。左手による重いリフ、右手のスラブの香り、めまぐるしい曲の展開・・・完全にキース・エマーソンのソロです。「悪の経典#9 2nd impression」やライブ版で聴けるソロです。本当にありがとうございました。

YouTube - Karn Evil 9 2nd impression

動画の後半部分。

思えば、キース・エマーソンは自身のバンド EL&P で、ロシアの作曲家ムソルグスキー展覧会の絵」のアレンジをレパートリーにしていたわけだ。エヴジェニー・レベデフがキースを参照したっつうより、共通のルーツを持っているってことでおk?だとしたら、「キースの直前」にあたるミュージシャンは誰なんだろう? '60年代あたりに「こういうプレイ」を得意としていたピアニストがおるはずだ。誰?教えて!><

上原ひろみだって、典型的な「こういうプレイ」しとるし。どこかにみんなが参照している本流があるはず。

YouTube - HIROMI UEHARA "XYZ"

キースが元祖なんですってことはまさかなかろう・・・。

まとめ

よい。

ここいらがお好みの人におすすめ。もちろんEL&P ファンのあなたにも!

あと、本文中に太字で示した二つの質問に対する情報募集!たのんます><

出口: