Jazz をモヒカン的に聴きたいの会
とあるアルバムを聴く事前準備にエントリーの前書きを書いていたらそのままとりとめもなく暴走してしまったのドキュメンタリーほとんど推敲なし。
Jazz はカバーがいっぱい/幅広く知るべしという空気
例えば、山中千尋のアルバム「Abyss」収録曲の作者は、#1 は、キース・ジャレット、#3(の半分)はスウィングの有名曲、#4 #5 はスタンダード、#6 はジョン・コルトレーン、#8 はかつての同僚の曲。オリジナルは #2、#3(の半分)、#9、#10。というわけでオリジナルは半分。
ふむ。
かくも Jazz はカバーされるネタの原曲やそれのさまざまなバリエーションを知っていれば、それらとの対比を楽しめるという面がある。むしろ知ってこそ何ぼというか知らないで物を語るなどけしからんみたいな殺気がある。そんな blogosphere 的『界隈』の「Jazz 喫茶的ムラ社会」的よそ者/素人お断りな雰囲気も悪い意味で*1恐ろしい。とまあそんなところが Jazz に対する入門障壁になっているんじゃないかと思うことがある。
せっかくの web x.x がもったいないです><
カバーだけどあまり元を意識しなくてもいいんじゃない?
とはいっても、「Giant Steps」みたいに超個性的な曲は例外として、たいていは原曲のテーマやコード(or モード)進行などは拝借するものの、それをネタに好き放題アドリブプレイを繰り広げるための用途なので、あんまり元を気にしなくていいことが多い。それは、先日紹介した「Epistorophy」のモンク版とミシャ・メンゲルベルグ版*2でもお察しできよう。
もう一例。マイルス・デイビスの「So What」
'58 年、本人たちによる演奏。これはスタジオ録音されたアルバム「Kind of Blue」版にとても近い演奏。
つづいて、これは何年かな?30 年程度後の演奏です。 V.S.O.P カルテットによる「So What」。
テーマと、アドリブ中のモードだけ共通で、あとはぜんぜん別物です。そんな感じ。
投石しないでください
『いや、それは違う。どんなに共通点のないアドリブだろうと、紛れもなくこれは「So What」そのものだ。それが分からんような奴に Jazz を語る資格などない。聴く資格もない。おうちでおとなしくぱひゅーむでも聴いておれ!』というムラの民の気持ちもよく分かるので(そして説得力もある)、仕方ないからおうちでおとなしく『p』聴いてまたうっかり「テクノって」みたいなことを言おうものならこんどはテクノ村の住人から「キモオタは死ね」と石を投げつけられてしまう。
これはきりがない。もっとおおらかにいこうよ、たおやめぶりでいこうよ。あたたかく見守ってください、「これも聴いたらどう?」っていろいろ教えてください。ダフト・パンクのなにがしとか気に入るんじゃないかな、とか、ウェイン・ショーター在籍時のマイルスカルテットの「So What」を聴くと面白いよ、とか。
プログレ教にれっつ入信!
「プログレ」に触れると、偏狭で排他的な村意識から開放されてとてもおおらかになれます。村意識を持とうにも、本拠地となるジャンルが曖昧です。それは、プログレはジャンルではなく、各ジャンルでおかしなことをしている音楽に対して貼られるタグ(≒レッテル)だから。いわば国を持たなかったユダヤ人みたいな*3。各地に散った人の拠り所は信仰。音楽に対する信仰。さあ、みなさんもプログレに入信しましょう。とりあえず開運と厄除けのお守りを買ってください。なあに、簡単です、アフェリエイトのリンクから商品をひゃくまん個注文するだけです。さあ、Buy Now!
まあ、そんなわけでなるべく純粋(モヒカン的)に楽しめばいいですねってことで、当ブログでは、プログレッシブロック、ジャズ、ジャズ・ロック、クラシック、ミニマル、HR/HM、J-Pop、『ジェーポップ』、『ある種の音楽』などなどをざっくばらんに『プログレ』というタグを貼って聴いてみたいと存じます。
補足:例外的に原曲にあたりたいケース
ただし、Jazz を聴く上では、「Giant Steps」みたいな古今東西さまざまなミュージシャンが採り上げるような超有名曲の場合、カバーするほうも「これがワテ流の Giant Steps や!」と意気込んでくると思われるので、作り手の心意気に応えるために原曲を併せたいところ。幸いなことに、「Giant Steps」級の曲は Youtube などで気軽に聴けることが多いのでその場で確認できる。良い時代になったものです。