ミニマル3連荘のおまけ
ミニマルりながらいろいろネットをサーフィンしていて見つけたこれ。『p』からミニマル棒に飛び移って熱狂的にポールダンスしてみたら、景色が全部プログレでした、みたいな話。
フィリップ・グラス:「Two Pages(スティーブ・ライヒに捧ぐ)」
グラスはライヒのフォロワー的存在。映画音楽なんかも手がけてます。楽譜が面白い。これ演奏するのは至難の業ですね…。
いやあ、10 分間聞き入っちゃいました。聞き入らなかった人とはもうお付き合いできません!帰ってください!
50 秒あたりのこういうところが素敵です。5→4→3→2 とフレーズが短くなってゆくところ。一番低い音に注目すると加速してゆくように聞こえたり。5 + 4 + 5(3+2) みたいに注目すると、がっっがっがっっと、なんかリズム音痴に聞こえたり。後者が一種の「訛り」ってやつじゃないですか?と軽く自己感動した。
さて、ここでフレーズの長さが毎度変化するタイプの曲を思い出しました。
「dum dum」X-legged Sally
▼ X-LEGGED SALLY discography, MP3, videos and reviews
ここで聴ける「dum dum」って曲。一応、Youtube 版も用意しました。
しばしイントロに続いてあらわれるオルガンによるテーマがとてもいい。
たラララら、(6) たラララら、ら、(8) たラララら、ら、ら、(10) たラララら、(6) たラララら、ら、(8) たラララら、ら、ら、(10) たラララら、ら、ら、ら、ら、ら、(16)
全体としては 8 拍 2 小節におさまっているけど、中身の割り方が変拍子になっていて、ベースのリフやドラムと良いズレを生み出している。うっとり。
この「dum dum」が収録されている X-legged Sally の 2nd アルバム「Killed By Charity」および 1st アルバム「[asin:B00005B4FW:title]」(共にプロデュースはビル・ラズウェル)は必聴の名盤。見かけたら飛びついてでも入手する価値あり。どちらもお気に入り度90点。こまやかはこちら参照 → X-LEGGED SALLY
ベルギーのアヴァンギャルド・ロック・グループ「X-LEGGED SALLY」。 ピエール・ヴァーヴローセンとペーター・ヴァーメルシュらを中心に結成、90 年 Knitting Factory のライヴで注目を浴び、91 年アルバム・デビュー。 97 年解散。作品は六枚。絶叫型フリー・ジャズ、ファンク、ロックが合体したしなやかにして凶暴なサウンド。パワーとスピードを備える近未来型ヘヴィ・ジャズロックの急先鋒だ。
http://enjoy.pial.jp/~chipmunk/XleggedSally.html
ベルギーっつうと、日本国民の多数は UNIVERS ZERO みたいな暗黒チェンバーロックの印象が強くて恐れをなしがち*1ですが、X-legged Sally は彼らに比べてずっとさわやかですよ★
関連:http://d.hatena.ne.jp/fractured/20070218/1171814502
私事ですが、「Killed By Charity」を聴いたときにはかなりかっとなりました。『p』の例の曲でかっとなったときは分析&コピーしてしまいましたが、こっちでかっとなったときは「マルパクリ気味のオリジナル曲」を打ち込む始末。2001 年の出来事。
http://oriai.com/oriai/data/zp-1.mp3:sound
(-_-) ギター音がとても残念なことに・・・。自作曲の恥は掻き捨てってことで。
さて、ここでフレーズの長さが毎度変化するタイプの曲をもうひとつ思い出しました。
「Tale of Taliesin」soft machine
なんと Youtube にライブ映像があるじゃないですか!中盤の激しいパートがスタジオ版より大幅に短いあっさりしたテイクです。
その激しいパートを抜けた後のゆったりしたところ。5/4, 6/4, 7/4 なフレーズになります。生理的には 6 が「たららタララ」と自然なので、5 でつんのめって 7 でずっこける感じですね。エスカレーターにタイミングずらされてうまく乗り降りできない感じですね。
うっとり。
この曲が収録されているアルバム。'76 年、英国製。米国のフュージョン VS 英国のジャズ・ロックという対立軸における、英国側の最終進化系。カール・ジェンキンス節前回の曲作り&ジョン・エサリッジの超絶的なギターがたまらない。お気に入り度:85
こういう観点では初期 BLAND-X の諸作に話題を飛ばしたいのだがここはぐっと我慢で。
「Suspiria」Goblin
で、冒頭のグラスの「Two Pages」を検索してたらこんな情報が。
イタリアのゴブリンGoblinが「サスペリア」のサントラで、この曲をカバーしています。
http://compblue.hp.infoseek.co.jp/Artists/Glass/PGshort.htm#2pages
なんと。と思って埃をかぶっていた本作を取り出してくる。聴くの何年ぶりかしら。’77 年、イタリア製。
旧アナログの1面はメインテーマとホラー系効果音をフィーチャーした演奏。テーマは明らかにチューブラーベルズのパクリで、えらく雑な編集で構成され、一体どうしたの?
http://compblue.hp.infoseek.co.jp/Artists/Various/Italian.htm#goblin
そんなメインテーマ。
よいじゃないの。チューブラーベルズ風のオープニングテーマにはずれなしの法則ですよ。先日紹介した「ソナチネ」のテーマもしかり。
で、問題の、グラスのコピー「Markos」。いわれてみればグラスっぽいミニマルフレーズをループするシンセの上に、パーカッションや歪んだベース(これもシンセかな?)が即興的に絡む。ストリングス風の SE などが背景にゆらめきながら徐々に盛り上がる様は、グラスというより、エルドンを思い起こさせる。そうだ、このサイバー感はエルドンだ。→http://d.hatena.ne.jp/fractured/20061009/1160389891
「サスペリア」のまとめ。サントラとしておくのはもったいないアルバム。映画がホラーなので全体的に暗いのがよい。暗いだけじゃなく、「Black Forest」や「Blind Concert」などでは手堅くプログレ/ジャズ・ロックを披露する。ボーナストラックである「Susperia」「Markos」の別バージョンはまさにボーナス。
Goblin っつうと、アルバム「Roller」の印象が強かった。そっちは、NEW TROLLS の「UT」('72 年、イギリス製)とか ATOLL の「Tertio」('78 年フランス製)みたいな、ヨーロッパ大陸産の爽快なプログレッシブロック/ハードロック/ジャズロック/シンフォロック(このジャンル横断/不詳なところが「プログレ」たるゆえん)の好盤。「サスペリア」を聴いてちょっと印象変わった。シリアスなこともするんだ。お気に入り度:74点
・・・と書きながら聴いている ATOLL の「Tertio」が好すぎる。パリが萌えまくり。よし、次はこれを!・・・って連想を続けてくときりがないのでここで終わり。泣く泣くこちらをご覧ください。→はてなブログ
まとめ
まとめっつってもなあ。