「A Rainbow in Curved Air」Terry Riley
『p』の余波で hotentry な微熱を冷ますために、鼻糞をほじったようなエントリーを立て続けにポスト!さて、フィリップ・グラスに続いてはこちら。
'68 年、アメリカ製。ミニマル・ミュージックの大家、テリー・ライリー作。
収録曲 2 曲とも、オフィシャルサイトから抜粋視聴できます。(要RealPlayer)
「A Rainbow In Curved Air」は Youtube でちょっとだけ。
はい、そうですね。「風の谷のナウシカ」サントラの「腐海にて」のあれ。久石譲は隠れ、というか出身地というかはミニマルで、膨大なサントラのどさくさにまぎれてミニマル主体のソロアルバムを作ったりしている。映画「ソナチネ」の主題は、先日こそっと例示した Mike Oldfiled の「Tubular Bells 」をコンパクトに美味しく料理した趣。
▼sonatine 1 ̄act of violence
1 曲目「A Rainbow In Curved Air」は、とにもかくにもそんな感じで、オルガンの多重録音によるきらびやきらびやとした小魚の群。戦慄が、ぽりぽりっとした繰り返しの中から時にはきらきらと、時にはぬらぬらと現れては消え踊っては流れ去ってゆく様は、1984年、Manuel Gottsching による「E2-E4」でエレクトロ・ワールドに結実する。これ名盤。必聴。正直、テクノミュージックにはほとんど関心がないのだけど、これは感動する。
▼MANUEL GOTTSCHING "E2-E4" Live @ METAMORPHOSE
さて、2 曲目「Poppy Nogood and the Phantom Band」。ドローンとしたオルガンを背景に、サックスが不気味に波打つ水面を描き出すよう。この音響、この雰囲気は、この荒涼として息苦しい空気は「プログレの空気」だ。ぶっちゃけ憂鬱な Soft Machine だ。Henry Cow あるいは Popol Vuh かもしれない。Weather Report?そんなに清んじゃあいないかな。
でも、このアルバムから名づけられたバンド Curved Air はちょっと違う。フォークロック系。女声ボーカルが寂しい歌を歌ったかと思えば、走るところではとことん走ってテクニカルに変拍子をびしっと決めたりするのが、いかにもこの時代性が感じられて痺れる。「ファンタズマゴリア」が代表作*1。
▼Curved Air - Marie Antoinette
ミニマル中のミニマルでありながら、見回すとそこらじゅうプログレだらけ。ええと、要するにそんな感じの重要作です。
関連