中田ヤスタカ関連「Complete Best」Perfume/「Sugarless GiRL」capsule/「LAIR GAME」
ミーハーなわたくしですから。東でチャットモンチーが変拍子だと聞けば店頭で買い、西で ELLEGARDEN がイカしていると聴けば Amazon で注文し、北で柴田淳がライブをすると聞けば駆けつけましたから、今、南で中田ヤスタカがピコピコしてるときいちゃ(見知らぬ電波を受信)ほっとけないっ!わけなのであります。
というわけで 3 枚ほど緊急気味に入手しました。
以下、第一印象つらり。
「Perfume 〜 Complete Best」Perfume
中田ヤスタカプロデュースによるテクノポップアイドルユニット、Perfume の 1st にしていきなりベストアルバム。第一印象「★★★★★」。
サウンド
(-_-) やった、これはすごい。
最初 4 曲がいきなり力作ずらりで KO 必至。特に「コンピューターシティ」「エレクトロ・ワールド」の描き出す壮大な世界観は、EL&P の「悪の経典 #9」を 21 世紀のテクノロジーで地獄の底から蘇らせたかのよう。
「悪の経典」は下品で筋骨隆々な外人男トリオでジャケットはギーガーの恐ろしいドクロあるのに対し、こちらは儚い日本人アイドルトリオでジャケットは人間である。勝敗は明らかである。
昨今の Caplule のようなハードなクラブ音楽でもなく、昔の Capsule のようなポップスでもなく、ゆるいボーカルによるテクノポップ。ある界隈における HALCALI に対する需要を、相似形を成してテクノ界隈でまるごとかっさらうんじゃないっすかぁ〜?(なげやり)。
さて、『界隈』では、中田ヤスタカを追うテクノ族(音楽性:渋谷)、古参のアイドル族(タレント性:秋葉原)、そいでもってアイマス MAD 経由でやってきた新参勢力(話題性:??)の三勢力が軋轢を生じているとかいないとか(参照→Perfume vs アイマスMAD - うさだBlog)。みんなが TEO TORIATTE(LET US CLING TOGETHER)、音楽的な交流が深まればとてもいいのにね。いずれにしてもわれわれプログレ族(雑種性:西新宿)はエッ!オヨビデナイ!?であるよ。
ま、なにわともあれってやつだ。もろもろリンクした音源を視聴してみてくんさい。See the show!
パフォーマンス
いろいろなライブの様子がいろいろあがっておりますのでいろいろ検索してくだされ。
ダンスといえばマイケル・ジャクソンくらいしか知らないわたくしの目で見ると、かなり個性的な振り付けと、かなりびしっとシンクロするトレーニング具合に魅了されます。狭いステージで定点観測気味に撮られた映像を見るのがよいでしょう。
体系的にステージを見たい人は DVD が出ているようです。
インディーズ時代の曲「彼氏募集中」や、アルバム未収録の曲「ジェニーはご機嫌ななめ」「Twinkle Snow Powdery Snow」などが聴けます。映像編集は過度にザップザップしていて、ダンスっぷりを注目するには不向きかもしれません。
「Sugarless GiRL」capsule
中田ヤスタカ with こしじまとしこのユニット capsule。1st アルバム「ハイカラ・ガール」(たおやめぶりっこ - 「ハイカラガール」capsule)に続いて、こんどは最新 8 th アルバムである本作を聴いてみました。第一印象「★★★」。
capsule - Sugarless GiRL (with Bonus Track)
(-_-) わ、様変わり。
1st の、洗練を極み異形に達した J-Pops が自己崩壊気味に脱力した、渋谷刑ポップス on ピコピコサウンドからは想像がつかない変容。ハードなテクノ・ハウス。ぶりっとしたエレクト棒をぶんぶんぶん回すごり押しクラブミュージック。多分に現場フロアでの実用性に重点をシフトしたものだろう。こしじまとしこは、数あるインスト(Instruments)のひとつとして機能し、必要なときだけ必要な加工を施されて登場する。ポップスな作曲もクラブな編曲で徹底的にごりぶり化。それでも、こしじまサウンドはしっかり出ていて、とてもよい働きをしている。この楽器は手放しちゃあもったいない。軽やかなポップスを爽快に規則的なビートで粉砕。
アルバムラストの佳曲「Secret Paradise」のエレピシーケンスはとても MAGMA を思い起こさせる。THEUSZ HAMTAAHK 三部作や KOHNTARKOSZ 関連諸作のミニマルちっくなアプローチは、エレクトロと相性がとても良いように思える。想像するだけでびんびんくるよ。誰かやっておくれ 「The MAGMA capsule market」みたいな感じでさ。
- Secret Paradise Youtube(Sound Only)
「LAIR GAME - Original Sound Track」
中田ヤスタカによるサウンドトラック。第一印象「★★★」。サントラクオリティに甘えた弱い CD になっていても仕方ないなと思っていたが、思いのほか「ちゃんと聴ける」。
中田ヤスタカ - LIAR GAME (オリジナル・サウンドトラック)
ニコニコ動画のほうに丸ごとあがっておりますので、アカウントをお持ちの方はご視聴あれ。→ニコニコ動画(RC) ‐ライアーゲーム サントラ
さて、こちらはサントラということで全曲インスト。人間が醜く騙し合い騙し合う心理戦を描くドラマの性質上、殺伐とした曲が中心となっている。
ドラム音源が生ドラムサンプリング系だったり、歪んだギターが鳴っていたりと、ロック調のアレンジが含まれているのが特徴。また、いろいろな場面を演出するためのバリエーション、使い回しがきくような汎用性、使うポイントの選択性を広げる変化、サウンドエフェクト的に使える印象的なフレーズ・・・純粋な音楽作品じゃなくってサウンドトラックであるがゆえの制約や要請にしっかり応えていて、中田ヤスタカなる人物の技量の高さを推し量ることができる。制約や要請が良い方向に作用している。
その他
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