「Systematic Chaos」Dream Theater
くるくる回るマンネリのスパイラル立ち止まってみれば袋小路。
本当の第一印象は「★★」(いまいち)だったけど、3回ほど聴いてスルメ的に「★★★」(まあまあ)な具合に。もっとがっかりすると思っていたけど、そんなに悪くない。
相変わらず80分弱たっぷり入っていて疲れるのだけど、全体のバランスはなかなかよい。「Metropolis PT.2」([asin:B00005HEIQ])から前作までの歩みを振り返って、メタル商戦に適当な「おとしどころ」を提示したような印象。細かいとこだと、だらだらとしたリフの上にだらだらとソロがのっかる場面がほとんどなくなってきたのがとてもいい。最初と最後に二分割された「In The Presence Of Enemies」は、往年のメクルメク「すごいアンサンブル」を彷彿とさせてくれる佳作。
周辺に目をやると、Opeth とか Tool とかはスタートから孤高のマンネリズムを貫いいて、途中でちょっとだけ変化しただけで「おおー進化しとるやんけ」と思われるというある意味セコい戦略でやっている感がある(そしてそれはとてもうまくいっている)。対して、Dream Theater は、鍵盤奏者の才能を次々に喰らい尽くしながら常に変化してきた。現鍵盤奏者 Jordan Rudess 色は「Six Degrees of Inner Turbulence」([asin:B00005UDE7])で最高潮に達したっきり減衰の一途をたどっている。そろそろクビにしちゃうのか?しないのか?でも仲よさそうだからしないのかなあ。そんなこんなを考えていると、次にどう勝負してくるか楽しみ。って結局次を楽しみにさせちゃう戦略かよ。きー。
特別版には DVD がついていて、アルバム制作の様子がたっぷり詰まっている。1曲1曲単位でメンバーの解説や各プレイヤーの録音風景など盛りだくさんである。しかし、ベース職人 John Myung がほっとんど映らない。中盤まで一切顔が出ず、国生さゆりのように消し去る作戦か!と思ったほど。
過去作にまぶされていた「The Silent Man」「Hollow Years」「Through Her Eyes」「Solitary Shell」「I Walk Beside You」(下の動画)みたいな、「しかるべき人が発表していたら日本で SONY かなんかの CM に起用されてヒットしそうな曲」がなくなったのはなぜかしら。
相手が Dream Theater だから厳しい視線をあびせちゃうけどこれが未知の馬の骨だったら興奮モノ。と、無理やりまとめるの巻。