怪奇骨董たおやめぶりっこ

ますらおぶりに憧れるブログ。涙がちょちょぎれちゃう。だって怪奇骨董たおやめぶりっこだもの。

「Live」Colosseum

コロシアム、来日。

CDJournal.com - ニュース - 英ジャズ・ロックのコロシアム、38年目の初来日が決定!

ブリティッシュ・ジャズ・ロック・シーンにおける最重要バンドのひとつ、コロシアムが初来日公演を行なうことになりました。(略)気になるバンドのラインアップですが、ジョン・ハイズマン(ds)を筆頭に、クリス・ファーロウ(vo)、デイヴ・グリーンスレイド(key)、デイヴ・“クレム”・クレムソン(g)、マーク・クラーク(b)と、全盛期のメンバーが集結。そして、一昨年の12月に他界したディック・ヘクストール・スミス(sax)に代わるのは、バンドとは長い付き合いになるバーバラ・トンプソンです。

へー、元祖コロシアム、活動してるんだあ。

元祖コロシアムはスタジオアルバム3枚、ライブアルバム1枚を残して、「もう、あんたらとはやってられまへんわ!」と解散し、メンバーそれぞれがそれぞれのやり方で音楽活動を開始した・・・

というのが私のコロシアム史観で、最近になって元祖メンバーがまた終結して活動してるなんて露知らず。

ということで、コロシアムおよびコロシアム関連作品で一番のお気に入りを今日、聴いてみた。

「Live」Colosseum

'71年、英国製品。プログレ、ジャズ・ロック、ブルース・ロック。

ロシアのブルースはロシア革命で没落した貴族のブルースかと想像しながら全曲試聴する

イマドキの言葉で言うと、真の意味で「アゲアゲ」にしてくれる1枚。iPod全曲ランダムにしてて、このアルバムの曲がかかると俄然盛り上がってくる。

プログレ」というと、「黒人音楽に対して斜に構える」つう音楽的精神がひとつの傾向としてある。ブルースと距離を置いて、白人伝統の音楽の中から新しいロックを創造したり、アメリカの黒人中心Jazzとは違うんだぞという路線を模索したり。

でもコロシアムはそんな堅苦しいことなんかお構いなしの泥臭いブルース・ロックでばく進します。というのも、中心人物、ジョン・ハイズマン(dr)とディック・ヘクストール・スミス(sax)は、【60年代に一世を風靡したロンドン・アンダーグラウンド・シーンにおけるブルース・ブームの立役者】だそうですから。

ブルースの臭さにロックのパワーとスピード、ついでにジャズのアンサンブルを加えた音楽。プレイヤーはみな技量が高くオレオレオレと激しく自己主張をしわいわいがやがやゴキゲンなお祭り騒ぎ。こりゃあ、「ハードロック」とか「ジャズ」とかいうジャンルに収まりが悪いや。「プログレ」というタグ(レッテル)を貼られてしまうのも分かります。それゆえに知名度が低いのはとても残念であります。

Youtubeに、'94年のライブ映像がありました。この「Live」にも収録されている曲です。もちろん、若気がとても至っている'71年版のほうが断然良いですよ。

お気に入り度:85点

関連作品ダイジェスト

「THE VALENTYNE SUITE」Colosseum

'69年製品。コロシアムのスタジオ2nd。プログレ的にはこちらよりプログレ的が有名。名曲大作「ヴァエンタイン組曲」収録。「Live」の爆発力をぐっと抑えて良いシュートを放ってます。グリーンスレイド色が強めか。ロシアのサイトで確認してみるのもよかろう。強くお薦め。

→参考:COLOSSEUM

「greenslade」greenslade

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'72年製品。キーボードのデイヴ・グリーンスレイドが結成したバンド。ギター無しツインキーボードで紡ぎだすファンタジー世界。ハモンドオルガンがきらきらしメロトロンがじゃりじゃりする、まさにこの時代この国でしか聴くことのできない音楽。お薦め。

→参考:Greenslade/ Greenslade

「Tempest」Tempest

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'73年製品。ドラムのジョン・ハイズマンがアラン・ホールズワースらと結成。「Live」から管とキーボードを抜いてごりんごりんのハードロックにした感じ。「ハードロックするアラン・ホールズワース」は稀少なので彼のファンはロシアのサイトで試聴するのもありだろう。いかにもプログレ的な要素は薄い。

→参考:TEMPEST

「Strange New Flesh」Colosseum II

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'76年製品。ドラムのジョン・ハイズマンがゲイリー・ムーアや、後にレインボーで活躍する*1ドン・エイリーらと結成したバンド。1曲目のタイトル「Dark Side Of The Moog」にインパクトを受けたらロシアのサイトで試聴してみてはどうだろう。下の参考サイトに述べられているように、フュージョンの香りがほのか。「あ、今、チック・コリアの音がした!」ってね。

プログレな人が試行錯誤のフュージョンに接近する様を「なれの果て」と見るか「さらなる前進」と見るかは人それぞれケースバイケースなんだけど、いずれにしても「末」となるケースが多いのがプログレ人生の面白いところ。

テクニック指向の諸兄には、ほぼインストになった「asin:B000002R3B:title」や「War Dance」のほうがよいかも。正直、「率先して聞くべき名盤」とは思わないけど。

→参考:Colosseum II コロシアムII

その他

ディック・ヘクストール・スミスはソロ活動、クレム・クレムソンはハンブル・パイへ、クリス・ファーロウはアトミック・ルースターへ。あんまりコロシアム人脈は熱心に追いかけてないので、ここらへんは情報だけ。

*1:いや、リッチーは彼を活かしきれなかったように聞こえる、少なくてもスタジオ版では