怪奇骨董たおやめぶりっこ

ますらおぶりに憧れるブログ。涙がちょちょぎれちゃう。だって怪奇骨董たおやめぶりっこだもの。

「#4」凛として時雨

入荷。「ジェーポップ強化計画」10枚目。第一印象「★★★」。

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「エモ」なるジャンル

「ジェーポップ強化計画」では、「エモ」という形容詞で語れる音楽をちょっとだけ意識的に選択した。ELLEGARDENとかkamomekamomeとか。凛として時雨を含めた3作品を聴いたところで、結局エモってどんなジャンルなのか分からなかった。きっと、エモってジャンルを体系的に聴いている人には、余りにもヘンテコな選択なんだろう。GenesisとRuinsとToolを聴いてプログレって何?ってゆってるみたいな。

2002年埼玉県にて結成。男女ツインボーカルによるスリーピースバンド。(略)切れ味鋭い楽曲とそのライブパフォーマンスで聞くもの全てを切り刻む。二人のボーカルから生み出される限界の叫びと冷たいメロディ、耳に突き刺さるサディスティックなギターサウンド、そして歪みきった破壊的なリズムが全ての空間を切り裂いていく。

ここで、エモなるジャンルの文脈にわれらがfra-foaを置いてみるとちょっとだけ分かってくるような気がする。

1998年に東北大学の学生4人で結成したエモコア・バンド。

分かってきた感じを箇条書きしてみる。

  • ごーごーがーがー歪んでいる
  • テンポはおしならべて速い
  • 歌詞が隠喩的もしくは情動的
  • ボーカルの気合が入っている
  • 曲は冷たく悲愴的なことが多い

凛として時雨の「#4」は「エモらしいエモ」なのだと察してきた。

公式サイトの試聴ページ

上を聞いたエモな諸兄、「エモらしいエモ」で合ってますか?

凛として時雨

エモ総論的に話しが飛んでしまったので、凛として時雨各論にすこし触れます。

全体的に「すごくがんばっている」ツインボーカルは、楽曲によって合っていたり合っていなかったりの差がある。まあそれは好き嫌いの範疇として、ちょっと残念なのは、ボーカルはすごくがんばって音像を切り刻んでいるのに、肝心の歌詞が聞き取りづらいこと。嫌でも言葉がこびりついてくるkamomekamomeと対称的。

楽器隊はかなり手堅く安定して印象がとてもよい。一辺倒になりがちなボーカルの周りを振り幅はさほど広くないものの緩急ついた編曲でサポートしている。その様子はmF247で「TK in the 夕景」を全編聴いてみればお分かりいただけるかしら。

「冷たい街の情景」とタイトルを付けたくなるようなモノクロに統一されたジャケット&ブックレットの雰囲気のよさと、がんばれ埼玉県勢ということで「★」ひとつ割り増し。ただし、ちょこちょこ見られる「プログレッシブ」というタグを貼るほどプログレッシブではない。