怪奇骨董たおやめぶりっこ

ますらおぶりに憧れるブログ。涙がちょちょぎれちゃう。だって怪奇骨董たおやめぶりっこだもの。

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新入荷。「ジェーポップ強化計画」9枚目。第2印象「★★★★」。

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さて、公式サイトで試聴していただければお分かりのように、イマドキ珍しい低音ボーカルです。熱い、そして暑苦しい。ロマンポルシェの演説*1をロックミュージックで表現したような熱気に覆われている。なんと、ロマンポルシェをご存じないとは意外な。

ロマンポルシェ。 - 21世紀の日本の男とは

(-_-)はい。

序盤、歌メロが一辺倒で楽器隊もぐいぐい前に出て疲れるなあ勘弁してくださいよとちょっとげんなりするのだけど、#4「あの人のパレード」あたりから曲調に緩急や変化が付いてきて、劇的な曲調変化や端的ながらも緊張感の強い楽器隊の活躍などめまぐるしく、概ね飽きずに聴かせてくれる。でも暑い。

歌詞は文学的というか隠喩的というか詩的というか抽象的で、ちょっと怖い日本語の良い感覚で貫かれている。そのイメージをほどよく増幅させてくれるメンバー自身によるブックレットのイラストがよい。

編曲の特徴として、#4「あの人のパレード」や#7「本当の名前」など随所で派手に挿入される打ち込みリズムマシーンの演出効果が絶大。イマドキのバンドは一発生演奏サウンド色がとても強いけど、せっかくのスタジオ録音なんだからスタジオ加工ならではの演出を施す心意気やよし。

全体的にはイマドキのハードコア音楽なのだが、昔々のハードロックへの眼差しとか、プログレッシブな感性とか、実験精神とか、熱気っぽくって垢抜けない感じが、ELLEGARDENとは対極にあって面白い。イマドキの若者バンドに流れるプログレッシブな「感性」〜変拍子とか見かけ的な「手法」じゃない〜は何なんだろうという好奇心が「ジェーポップ強化計画」の研究課題であります。

正直、第一印象はかなり悪かったのだけど、何度か聴いているうちに情熱に感化されてきて★4つ。

#8「巻き戻らない舌」の後半1/3がずっとピアノ三重奏(piano, violin, cello)なのが謎めいている。あ!King Crimson室内楽曲「かもめの歌」に自らのバンド名をかけてるのか!

*1:決してロマンポルシェ。の「音楽」ではない点に注意