「Picchio dal Pozzo」Picchio dal Pozzo
今日なんとなく聴いてみた音楽。'76年イタリア製。プログレな諸兄は1曲目のフェードインから「キタヨキタヨイイヨイイヨ」と吸い込まれるでしょう。
箇条書きにして褒め殺してみる。
- Soft Machine、Hatfieldsなど当時のカンタベリー系音楽のいろいろな美味しいところを消化吸収している。
- アヴァンギャルド実験的な要素を多分に含みつつもチラ見せチラ見せなので楽しめる。
- RIO/レコメン系(Henry Cow)なねじねじに捻じ曲がりくねったアンサンブルもうまく全体に散らしてある。
- いかにもイタリア的なクドくて暑苦しい叙情性が希薄。でもちょこっと入る。
- 曲の場面転換が激しくて飽きさせない。場面転換が激しいのに何故か自然。
- 「ある種の音楽」嗜好との親和性。あ、FFか聖剣伝説か!みたいな美しいフレーズ。
これだけあらゆる音楽性がごった煮に詰め込まれているのに不思議と自然で通して聴き終わるとやんわり感動している。もはやロックではない。というかロック的な要素はほとんど皆無だ。こういう総合的な音楽芸術みたいなものを包含する「プログレ」なるジャンルの懐深さにうっとりする。いや、「プログレ」は「ジャンル」じゃなくって「タグ」だ。
Picchio dal Pozzoは、数年後にもう1枚アルバムを残しているが、こちらはアヴァンギャルド色/レコメン色が強めで上級者向け。
お気に入り度:94点