怪奇骨董たおやめぶりっこ

ますらおぶりに憧れるブログ。涙がちょちょぎれちゃう。だって怪奇骨董たおやめぶりっこだもの。

「Un Reve Sans Consequence Speciale」HELDON

今日なんとなく聴いてみた音楽。'76年フランス製。邦題、「終わりのない夢」。

封入された解説の見出しは謳っている。

早過ぎたインダストリアル・サウンド。工業エレクトロニクス・ミーツ・クリムゾン・ギター

メイン全4曲にはもれなく「クマタ機械工作パート1〜パート4」と副題を添えたい。

森永卓郎氏を引き合いに出すまでもなく、世の中「萌え」文化/産業が隆盛を極めている。そして極度に細分化される「萌え属性」中に、きっと「工業建築物萌え」が存在しているはずだ。なにがし製鋼の溶鉱炉を生で見学したらキュン死するような。この「終わりのない夢」は、そんなインダストリアル・フェチの世界を音楽で疑似体験するようなアルバムだ。

ネタは古いけれども、インダストリアル・フェチリンク集。

シンセが織り成す無機質なフレーズ、Francois Augerの切れ味の鋭いドラム、そいで首謀者Richard Pinhasがぎりぎりと脳を締め上げたり圧縮/伸張したり研磨したりしてくる邪悪なギター。エロカワじゃなくってエログロ。ジャケットの巨大機械が暴走し工場を街を破壊しつくすような1曲目、Missチェルノブイリが臨界点に向けて悶えているような4曲目(こっそりJanick Topが参加してます)は必聴。

当CDにはボーナストラックが2曲。'78年のライブテイク。ライブらしく、人間VS機械の激突は人間優勢に進められている。

終わりのない萌えお気に入り度:89点

Heldon/Richard Pinhas関連作品をいろいろ試聴してみる

▼関連作品「Stand by」Heldon

'79年製。一般的にHeldonの最高傑作。

ギタリストのRichard PinhasさんはRobert Fripp師の信奉者だそうで、StarlessでBible Blackな雰囲気をぷんぷんと発散させている。そんな'70年代King Crimsonの暗黒性に、'80年代King Crimsonを先取りしてシンセに置き換えたようなサウンドが合体して快感へ誘うわけです。

暗黒ロックとサイバーシンセの絶妙で濃厚でエロくてグロい組合せはHeldonを除いて聴いたことがない。ひたすら性感帯を刺激して止まないのです。表題曲「Stand by」で萌え死ぬこと数多。昇天。

お気に入り度:91点