「Merci」MAGMA / 「白鳥と鴉」Christian Vander
むやみやたらに心を打たれた作品2枚。
「Merci」MAGMA
MAGMAというかその後のOfferingに酷似する音楽。M.D.Kやコンタルコスでぶいぶい言わせていた「いわゆるMAGMAの音楽」の面影はなく、とてもポップで音楽はソウルで、それでいてとても優しく物悲しい。
DEATH IS NOT AN ENDING IT CAN BRING MISERY, JOY OR SERENITY HERE ARE SIX SIMPLE WAYS OF FEELING IT SIX TALES ABOUT DEATH
「死」についての6つの物語、そんなアルバムなんですって思いながら聴くとよくわからんけどよくわからないほどに感動的な感情に包まれるというかなんというか。非言語的な情緒に包まれてこれが祝福というやつなのやらなんなのやら。
曲「I MUST RETURN」は英語で書かれていて、オラ英語だめだからなにゆっとるのか分からんのだけど、「I CAN FEEL IT COMMING, WILL IT BE TOO MUCH TO BEAR」「We become everything the night we DIED」「DON'T OPEN WINDOWS」といったフレーズにどきどきしたりして。ずっとそんな調子で。*1
アルバム最後の最期の「ぽあー」としたSEで往生際を擬似体験できます。
To be continued...
「白鳥と鴉」Christian Vande
構想15年を経て生み出されたクリスチャン・ヴァンデ渾身の一作。
細やかな解説は他力本願こちらを参照。→Christian VANDER / les Cygnes et les Corbeaux
現代音楽風オーケストラ、リズムを刻むタンバリン、意の向くままに鳴らされるピアノ、主題スキャット、躍動的な女声コーラス、その他諸々が表向きには脈絡なく絡み合い、絶妙の音響空間を作り上げる。トーンクラスターの一種かもしれないし、偶発性も加味されているだろう。かつてないサウンド体験であり、これはもう聴いてみる他ない。
これに尽きます。かつてない。アルバムすべてにおいて、これはかつてない。
このアルバムには物語があって、こちらにすべて載っております。→白鳥と鴉 ブックレット対訳
この奥深いストーリーとかつてないサウンドの相乗効果がもたらす心的作用は言語化できない。Blogなのに言語化できないとはなんというもどかしさ!
私は、白鳥・鴉の動きを大宇宙の運行と一致させました。少なくても私に知覚できる限りにおいて。
*1:インターネットヒロシとはいえど、この曲の歌詞を載せているページがないなんて!