怪奇骨董たおやめぶりっこ

ますらおぶりに憧れるブログ。涙がちょちょぎれちゃう。だって怪奇骨董たおやめぶりっこだもの。

「LINE DRIVE」LINE DRIVE

新入荷。「ジェーポップ強化計画」1枚目。第一印象「★★★★」。すごい、すごすぎる・・・のか?

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松井秋彦という人が自ら主宰するCPJ(Contemporary Progressive Jazz)レーベルから出したアルバム。

資料

まずはいろいろ引用します。まずは斜め読みあれ。

CPJとは、Contemporary Progressive Jazzの略で、Contemporaryは、ハーモニー面、Progressiveはリズム面が、それぞれ最先端の新しさを追求する音楽だと言う意味で、そのスリリングなサウンドは、未来音楽CPJとか、マルチスパイスジェットコースターとか言う形容でよく説明されたりしているように、かなり刺激的な音楽なんです。ポリリズムや超変拍子などによるドライブ感に乗って、遠心力でサイドに体が振られる快感、そして、奥深いハーモニーや旋律に脳のシナプスを刺激されたり、今だかつてないサウンドです!( http://www.ratspack.com/catalog/jazz/CPJ-2001.php )

つづいて、ブックレットに記載されている全曲解説より。

  1. Framboise:音楽的には、ギターのアルペジオを16分の13や16分の9の変拍子や、5連符の中抜けなどが控えめなタッチで、、、、、、。
  2. Live Drive:4ビート上に、13、11、9などの単位の様々なスリップキックがドライブする。
  3. Flamboyance:擬似シャッフルっぽい、5連符の20ビートから、様々なポリリズムへと変容してゆく中で、ハイブリッドの多いマルチモーダルなハーモニーが明るさを保って流れる。
  4. Jaywalkin':これは、ギターのわさび系Voicing(コンテンポラリーで変わったコードのおさえ方のこと)で書いた曲で、実はこのコード自体がメロディー(に誰も思わないだろうが)。
  5. Emerald Valley:これは、ギターによるハイブリッドコードの綺麗に流れる限界の旅。
  6. Synchronicity:これは、テンポの違う15拍子と5拍子の共存。行ったり来たり、リズムの狭間を浮遊するのゆかしきこと。
  7. Flippin' Needle:ギターのカッティングで作った曲。針が飛ぶにも、11拍子、21拍子、19拍子・・・などなどごちゃごちゃ。あくまでも、フォークソング同好会だったんだが。
  8. Clairvoyance:5連符と7連符の中抜きで書いた、典型的なCPJ曲のひとつ。
  9. Drowsiness:これは、ギターのバイオリン奏法っぽい感じで作った曲。ヒューン、という感じの。
  10. Jubilance:あらゆるポリリズム(7連符の5つ撮りとか)、あらゆるハイブリッド、あらゆるライン、これこそCPJの中のCPJだ!

(-_-)ど・・・どう?

この全曲解説で興奮棒がびんびんに勃つ諸兄は、迷わず手を出しなさい。

所感

とてもコンテンポラリー。とてもとてもコンテンポラリー。Bill Bruford's Earthworksよりもっとコンテンポラリー。

そして凄まじく高度なプログレッシブ。もう高度過ぎて、何がどう変拍子ポリリズムなのか全然分からない。どちらかというと無骨なごつごつした変拍子を好む私としては何がなんだか分からなかった。こんなむちゃくちゃな解説がついてなかったら、ちょっとリズムがひっかっかる普通のコンテンポラリーJazzとして聴けちゃうんじゃないか。

「すごい、すごすぎる」が度を越して呆気に取られてしまったアルバム。プレイヤー指向の強い人が聴いたらめんたま飛び出すようなことが平然と行われている、様な気がする。

これを聴いて「すげいよ、こいつらすげいよ!」と興奮する人を見て見たい。